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ビジネスモデル図解でAirbnbの価値を見抜く

「ビジネスモデル図解を自分でもできるようになりたい。」

Nサロンに入ったキッカケはビジネスモデル図解でした。

ビジネスモデルを3×3のマスの枠に当てはめ、わかりやすく表現するビジネスモデル図解
チャーリーさんをはじめとする、ビジネス図解研究所(以下、ビズ研)の方々の図解をみて、その魅力のとりこになりました。

ビジネスモデルを100個集めた本、「ビジネスモデル2.0図鑑」はなんと7万部を突破したとのこと!見た目のわかりやすさ、美しさは、多くの人を魅了しているようです。
(ちなみに以下のリンク先で全文無料公開されています)

Nサロン1期の「ビジネスモデル図解キャンプ」では、全4回のゼミを通じてビジネスモデル図解にこめられた想いや考え方、やり方などを学び、ゼミが終わった後も図解を続けてきましたが、

「もっともっと、ビジネスモデル図解ができるようになりたい」

という思いで、今回、Nサロンの「ビジネスモデル図解ワークショップ」に参加しました。

ビジネスモデル図解をするときの大切なポイント

ワークショップ冒頭では、図解をするときに大切な3つのポイントの説明がありました。

1.図解の目的を決める
2.ルールを理解してつくる
3.レビューをしあう

1.図解の目的を決める

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図解はコミュニケーションツールであり、だれに、なんのために伝えるのかが重要

図解をしていると、図解をすることが楽しく、それを完成させることが目的になってしまうことがあります。

ただの自己満足にならないよう、仕事で資料をつくる際と同じように、図解をすることの目的、つまり、

「読み手にどういうアクションを取らせたいか」

を意識して図解する必要があるなと思いました。

2.ルールを理解してつくる

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制約を味方にすることが重要

ビジネスモデル図解で一番難しいポイントは、

・なにをいれるか
・どこに配置するか

だと思います。

図解を初めて最初の頃は、情報を詰め込みすぎたり、無理やり配置した結果、矢印がごちゃごちゃしてわかりにくくなったりしがちでした。(今でもあまり自信はないですが・・・)

でも、この3×3という制約があるからこそ、

・共通のルールに従って読めるので、読み手が理解しやすい
・ビジネスモデルのコアな部分に絞られているため、思い出しやすい
・他のビジネスモデルとの比較がしやすい
・似たようなビジネスモデルでグルーピングしやすい

といったメリットを得ることができ、これがビジネスモデル図解の革新的なポイントだと思っています。

ちなみに、以下のnoteでビジネスモデル図解のプロセスを公開していますので、読んでいただけると図解の難しさがわかるかもしれません。

3.レビューをしあう

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伝える気持ちが強いほど独善的になりやすい

ビジネスモデル図解のようなシンプルなものだからこそ、相互レビューの重要さをひしひしと感じます。

今回のAirbnbの図解も、同じチームになったメンバーや、ビズ研の方々にレビューしていただいたことで、完成度が高まったと思っています。
人からのアドバイスもそうですが、自分が人に図解を説明することで得られる気づきも多いんですよね。

ビジネスモデル図解をレビューしあえる場が欲しい・・・

Airbnbのビジネスモデル図解(ワークショップ)

本来は自分で情報収集をして図解を行いますが、今回はワークショップということで、インプット情報を提示していただいた上で、図解を行いました。

・個人で図解を作成
・チームで1つの図解を作成
・チームごとに発表

という流れです。

個人ワークで作成した図解です。

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今回は「ビジネスモデル図解シート」とポストイットを使って図解を行いました。

ビジネスモデル図解シートを使うのは初めてでしたが、最初からビジネスの主体(関係者やモノ)を置く場所が決まることはなく、場所を変えたり、新しくつくった主体と入れ替えたりということをしょっちゅうするので、パソコンよりやりやすかったです。

ビジネスモデル図解シートは、こちらのnoteからダウンロードできるようです。

この図解をつくる上でポイントとして考えたのは、

・顧客の価値はなにか?(真ん中の段の左端)
・この事業の価値はなにか?(真ん中の段の右端)

の2つです。

特に事業価値について、Airbnbの事業を支える価値の源は「過去に利用した客からのレビュー(評価)」だと考えました。
大量に蓄積されたレビューが、新しい利用者やリピーターがAirbnbを選ぶ理由ではないかと考えました。

ただ、お金の流れがうまく表せていない(体験からAirbnbにお金が流れているのは変)、利用者とホストとの関係性がうまく表わせていない(従属関係はおかしい)と、ツッコミどころは満載で、完成度としてはまだまだです。

この後、チームで図解の見せ合いっこをしましたが、私の図解で利用者(ゲスト)を置いているところ(上の段の真ん中)に、ホストを置いている方もいて、同じAirbnbを題材にしていても、各チームの個性が出たまったく違う図解になるのもビジネスモデル図解の面白いところです。
最後に4チームで発表しましたが、各チームの個性にあふれています。

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われわれのチームの図解はこれです。

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・ゲスト、ホスト、宿泊体験、レビューをどこに置くか?
・そもそも宿泊体験、レビューでよいのか?

という点に散々悩みました。
ホストを顧客に置くパターンもつくってみました。

で、最後に一番しっくり来たものを選んだ結果が上の図解です。
ビズ研メンバーからは、

きょん氏さん

・関連産業(ステークホルダー)の置き場所に苦労を感じる。Airbnb,incから従属の矢印が出ているが、従属関係ではないはず。双方向の矢印で「提携」と見せた方が正確。
・宿泊体験が独立してしまっているのが気になる。

チャーリーさん
・ホストとゲストの両方から手数料をとっている(=Airbnbの顧客)というのを伝えるのであれば、上の段に置いた方がメッセージ性は伝わりやすい。
・真ん中がAirbnb,incになってしまっている(Airbnbのはず)

と、ややエイヤで苦し紛れに置いたところを中心に、コメントをいただきました。

Airbnbのビジネスモデル図解(最終版)

「ビジネスモデル図解好きとして、このまま終わりにすることはできない」

ということで、ワークショップ後、図解した完成版はこちらです。

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顧客価値、事業価値を改めて考えた結果、

顧客価値=宿泊先の選択肢、情報量の多さ=宿泊施設情報

事業価値=Airbnbに宿泊先を提供してくれるホスト

と考えました。

Airbnbのビジネスでは、まず「宿泊施設のボリューム」がないとゲストとマッチングさせることもできないため、ホストが宿泊先を登録する手数料は無料にする、ホストサービス料(手数料)も3%と安くすることで、「宿泊施設のボリューム」を確保します。
その上でUI/UXに優れたマッチングサイト、価格競争力のある宿泊先をゲストに提供することで、マッチングサービスとして成り立っています。

ちなみにJTBやパソナなどの提携先については、それぞれの提携先が提供するものが異なるため、あえて図解から外しています。

まとめ

ワークショップの最後にチャーリーさんも仰られていましたが、ビジネスモデル図解のキモは「逆説の構図」だと思います。
従来のビジネスモデルと何が違うのか明らかにすることが、そのビジネスにおける価値を理解することにつながります。

Airbnbが従来の宿泊業として違うのは、

・これまで宿泊先として使われることがなかった「空き家・空き部屋」を宿泊先として提供できるようにした
・「空き家・空き部屋」を宿泊先として提供したい人と、そこに宿泊したい人をマッチングできるようにした

の2点であり、これらが従来の宿泊業の逆説になっている。
ということを念頭において、上記の図解を作成しました。

今回はゲストを顧客(上の段の真ん中)に置きましたが、ホストを置くパターンなども考えられると思います。

これからも、これは!と思ったビジネスはビジネスモデル図解をして、

そのビジネスにおける価値はなにか?

を見抜く目を養い、仕事や投資に活かしていきたいと思います。

(これまでにビジネスモデル図解した事例集↓)



いつも支えてくれている嫁と息子に、感謝の気持ちとして美味しいお菓子を買ってあげたいと思います^^