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フェムテックブランドを作る、類似製品のリサーチ(競合調査)|目的の整理

フェムテック新商品の企画を今回記事にする理由

これから直近でフェムテック関連の製品企画を新規で行うことになり、立ち上げを長期に行う中で必要なことを改めて整理する目的でnoteに書き留めることにしました。度々言葉の意味を正しく理解しているかどうかを自分にも問いただす機会があり、この言葉の意味は何なのか、またその目的は何なのか、正しく理解できていないことがたくさんあり私自身も辞書を引きながら日々反省しています。一日の活動の大半には理由や目的があり、それらが言語化されていないことで相手とコミュニケーションを取り、相手に委ねる、頼り切るような形にもなるため、無知の知を理解することでより配慮をしながら、よりフェムテックを通してユーザーの根深い悩みや課題を知ることにつながればと私自身も思っています。

また、初めての企画の場合、リサーチの活動自体の重要性を理解されづらく、ネット検索やネット調査で終わるようなことも多々あります。実際に製品をリリースされたその後の話を伺うと、製品販売に大変苦戦されていたり、またフェムテック業界自体は日本では広まらないという本が出たり。先日同業の社長と情報共有する機会があったのですが、その方は長年IT業界で企業の販売サポートなどを行ってきた会社で、実際の他社の売れ行きの現状を教えてくださいました。製品リリースしたもののその後の販売がうまくいかない、事業が持続しない、その原因として販売前の競合調査、また利用するユーザーの深い課題やニーズに沿った製品開発、販売方法の選択ができていないというところに行きつきました。そのため、今回はフェムテックの分野で製品販売を行っていく人や、また製品開発を行う人の参考になればと思い、記事を書くことにしました。

フェムテックの説明は割愛しますが、女性の困りごとを解決する製品やサービスのことを指します。"tech"について何の最新技術を用いた製品なのかを言及してくる人もたまにいますが、現状フェムテックは日常のケア製品なども広く含んだカテゴリにはなってきています(フェムケアとも言われる)。

この女性向けの製品の企画が進んでいく中で、実際開発を依頼する工場の担当者は男性が非常に多くなります。男性だからどうではないのですが、男性には単純に体験したことのない話で理解しがたい内容もあるので、主観的な話も伝える一方で、客観的な事実を伝えより円滑にプロジェクトが進むような配慮が必要になります。

私のような少人数の企画は、製品企画段階で関わる人が少なく、客観的な目線はどうしても弱くなってしまいます。これまで外部の人と壁打ちしながら多くの方に助けていただいてきました。言語化をし、それをしっかり資料に落とすことで、関係者の方に情報共有がしやすくなり、また共通認識や向かう先が定まり、印象やモチベーションも俄然違ってきます。企画者本人のやる気は当然必要ですが、関わる人がどれほどやる気や時間を費やして下さるか、それはこの企画段階で定まってくるところだと考えています。

これから企画する商品|吸水ショーツ/月経カップ

直近企画する製品のカテゴリ自体は、女性がターゲットになる製品ですが、今回の企画は製品自体が決定しています。ものを作る最初の企画段階で、一番最初に行なっていくのは他社の既存製品や既存ブランドのリサーチはどの商品開発においても変わらない調査だと思いますが、今回のように依頼を受ける段階ですでに開発する商品が決まっている場合もあります。製品自体の選定も調査を終えた段階で選定することがおすすめです。

リサーチ段階で続行を辞めることが度々ある

限られた予算の中で製品化を行うため、製品企画から製造、また製品化が完了したその後も含めて全体の予算を考えたとき、このリサーチ段階で企画を断念し温めておく場合や、完全に辞める選択をすることも、また方法を模索し、フェムテックのように市場の土壌が固まり切っていない場合は啓蒙をしながら伝えていく商品と分けて考えるようにしています。どのブランドも工夫を凝らしながら製品販売を実現させていますが、リサーチ段階で製品の方向性を考え、また実現が難しい製品に気づくこともあり、既存の製品や製造工場に問い合わせを行い、そこから学ぶことはたくさんあります。実現可能な製品前提で企画を行うと思いますが、発売元、企画元となる法人成りや個人事業主などの業態によっても製造が困難な製品はフェムテック分野には多くあります。話が脱線していますが、リサーチを進めていく中で同時に実現可能な工場も工場探していくのも重要です。作ろうとしているものがどうしても実現できない場合は、形を変えて再スタートすることもあります。

改めて競合調査|他社ブランドリサーチの目的

そもそも、リサーチというのは、そもそも調査や研究のことを言います。様々な文献や情報を活用して、調査対象となる人に一定以上の深さで理解を得るために調査、研究する活動で、マーケティングリサーチと呼ばれ、対象は生活者や消費者の理解を目的にします。

それに対してサーチという言葉がありますが、これはWEB上の検索や機械的に調べる活動を指すことが多く、リサーチは人間が思考を伴って深い理解をえるための行動のことを言います。WEB上に上がった統計やデータのみでリサーチと表現されることもあり、それだけでは深い部分までの読み取りは難しくなり、また対象となるユーザーが不快な状況をこれまで我慢してきて無自覚になっているようなこともあるので、より深い発見ができるかどうかは調査の質が左右されます。

ブランドのリサーチは、これから創造するブランドの創造、発展、ブランドの強化に役立つ大切な工程です。リサーチ会社も多々ありますが、最初から外注費用を捻出してできる企業ばかりではもちろんなく、自社で最初は行うことも多いと思います。私もまだこれらのリサーチ業社に依頼したことはないのですが、社内でできることを模索しているところです。ブランドを作る際に作り手の思いももちろん大切ですが、出来上がったものが最終的に誰に届くものなのか、使う人への目線を合わせていくとても大切な調査になります。フェムテックの分野はユーザーが使用する理由が腑に落ちるまでしっかりとした説明が必要で、啓蒙活動自体が非常に大切と考えており、潜在的に悩みを抱える女性が多くいることを私自身も痛感しているので、私のようにUMI+MIDORIというブランドを長期的に育てる覚悟のある方は現時点のリサーチを踏まえてフェムテック分野で製品を作られる方も多くいらっしゃると思います。フェムテック分野は合理的な理由だけでなかなか購入には至らない製品では現状あると思うので、届けるユーザーの健康意識や優先順位、知識も購入に影響すると思っています。


競合調査の流れ(必要期間は1ヶ月〜2ヶ月程度)

  1. 競合調査の企画

  2. 調査対象3社以上定める

  3. 仮説を立てる

  4. 調査と分析

1.競合調査の企画

競合調査の目的を明確にする。
調査は、企画から始まって報告で完結します。具体的に企画段階での目的を明確に設定することが最も重要なことになります。調査した結果をどう役立てるのか目的が明確でなければ、調査の意味がなく既存の製品より優位に事業を進めることは難しく、改善策を打ち出すことはできません。

今回の場合は、既存製品の商品の特徴を知り、強み、弱みを把握することが挙げられます。既存の製品の特徴を深く理解することで、自社の製品を差別化し、戦略まで立てることが目的になります。

また、市場調査はよく使われますが、競合調査とは別物で、2020年がフェムテック元年と言われるこの4年間の中で現在の市場を把握し、マーケティングの戦略を立案していくまた別の作業になります。過去から現在の市場全体を把握することで、調査から既存商品の改善や、開発にも活かすことができます。

2.調査対象3社以上定める

調査対象である競合の企業を最低でも3社以上。ただ、対象が増えるとその分や調査や分析にコストがかかります。調査基準ですが、同じような製品だけではなく、最も重要なのは対象とする顧客(市場)が共有されているかどうかです。販売対象とする客層が明らかに違うところを同業としたとしても、競合関係にあるとは言えないからです。下記のような項目を参考にしながら、企業を絞ります。

・類似製品を扱っている会社の商品を選定
・価格帯が販売する商品と類似している商品
・現時点でターゲットとするユーザーの属性が同じ
・モール販売でトップにいる企業製品

3.仮説を立てる

調査前には自社の商品の弱みや課題を洗い出し、仮説を立てた状態で次のステップに進みます。例えば既存製品Aの弱みや課題となる点がOOと仮定し、分析する際に必要なデータや数値を集めるなどの具体的な仮説を立てていきます。

4.調査と分析

調査に入ったら、実際の競合の製品のWEBサイト、関連サイト、ブログ転載などを活用してインターネットを使ったリサーチを行ったり、実際の使用者にアンケートをとるなどの手段も場合によって選択します。

調査後の分析では、仮説が正しいか、外れた場合はその要因についても分析を行い、新たな仮説を立てて3~4を繰り返して行います。

分析方法の詳細はWEB上にいくつもありますが、自社で選定する調査方法をこちらもまた別の機会にアップしていきます。



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