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無事に実習先を見つけた!

タイトル通り、ついについに実習先を見つけた!
家から地下鉄とバスを乗り継いで50分のところにあるキタだ。

な、長かった……市から送られてきたキタのリスト順に鬼コールを始めてから1週間くらいしか経ってないけど、6月から準備ばかり(Fachschuleや大学卒業証明書のAnerkennung)だったので「ようやく前に進んだ!」って感じがする。
1週間でFachschuleと実習先候補2校を面接(というか体験?)したので、記録としてちょっとまとめてみよう。


- 面接準備

実は面接前日、
「多分面接じゃなくてProbezeitじゃない?」
面接の練習をしていたらオンラインで受講しているドイツ語の先生にそう言われた。

ワーホリ時代働いていたジャパレスも、今フリーランスでしている仕事も、試用期間なしでそのまま働いていた私には寝耳に水だった。まじですか。

でも確かにおかしいなとは思っていたのだ。「9時から11時までね」って。その間に自由に来てね、ではなく。
一瞬パニックになってパートナーに相談したら「いつものadeleでいいんじゃない?6年間子供と交流してきたでしょ」とアドバイスをもらい、ちょっぴり落ち着く。それにまだProbezeitかわからないし。

面接当日、朝7:30に家を出たら冬の朝になっていた。気温も0°。

朝焼けがいいね


でも新しく買ったダウンのおかげで体はポカポカ。


地下鉄とバスに乗っている間は面接の質問事項と回答を書いたメモを読み直した。ちなみに “ausbildung erzieherin vorstellungsgespräch frage”とか日本語で“保育士 新卒 面接”で調べて出てきたサイトの質問事項を参考にした(もし他にもいい案があれば教えてください!)。

- Kita Aの場合

前置きが長くなってしまったが、ようやく本題の面接を受けたKitaについて。
Kita Aに到着すると、ちょうど子供たちの登校と重なってたまたま外に出ていた保育士の方に「6週間のインターンのことで来たんですが」と伝えるものの、ポカンとしててなにも聞いていないようだった。

(前職ではマネージャーがなにも説明しないタイプだったので、若干のトラウマが蘇る…)

とりあえず中に入ると、すぐに事務所からスタッフの女性が出てきて園内を案内してくれた。

園はシアタールーム、スポーツルーム、工作ルーム、音楽ルームなど部屋ごとにテーマが分かれていて、子供達はその日すきな部屋を選んでアクティビティーを楽しむ。私は工作ルームにはいることになったが、そこでは大人がなにをするか提案するのではなく、子供たちがやりたいことを決めて、好きに工作していいという自主性を育む教育方針だった。
子供達は思い思いに自分の考えを形にして自由にやっていけるし、大人も楽で、いいシステムだと思う。

部屋には年配のリーダーっぽい保育士さんがいて、「子供たちと自由に関わっていいよ」と言われたので砂で遊んでる子や絵を描いてる子に話しかけたり、手伝ったりした。みんなめちゃくちゃ可愛くて、打ち解けたらよく喋る。あと面白い。

結構長い時間いた女の子に「何歳?」と聞くと口では「4歳」っていうのに指は五本立っていて、隣にいた友達に「6歳でしょ」と突っ込まれてた。
結局彼女は何歳なんだろう…。

私のドイツ語がカスすぎてあまり話を広げられなかったのが残念だ。同じ言葉を乱用しすぎて「さっきも言ったよ!」と子供に注意された。ドイツ語の語彙力を増やさねば。

その後、外の遊び場にも行ってまたしても砂場で遊んでる子と一緒におもちみたいなものを作ったり、スパイダーマンごっこをした。
途中2人の子が喧嘩して、1人がどこかへ行ってしまい、後から来た別の保育士さんに何があったのか尋ねられた。事情を説明しながら私はここで2時間しかいないことを思い出す。フルタイムだったら何かあった時に保護者に自分で説明できるが、ここではそうは行かない。念の為逐一報告した方がいいなと思って、11時はとっくに過ぎていたが(先程のリーダーに「時間来たよ!」と言われた)目にちょっと砂が入った子の応急処置をし、近くにいた方に「応急処置はしたけど、もし痛がっていたらそのせいだから」と伝えた。

よし、じゃあ今度は事務局で面接かな!と意気込んでいたが、後で連絡するねと言われて終わってしまった。いや、私の電話番号もメールアドレスもあなた知らないやん…。
一応その日の夜お礼と次のステップについてメールしたら「もし完了していない場合はまず市で応募してください」とのこと。???
いや、市にはとっくに応募したし、そのことあなた達も知ってますよね?
「市にはとっくに応募していて、あなた方が受け入れてくれたら向こうにも連絡できるんですが…」と返信したが、今でも返事は返ってこない。

ダメだったのか、私のコミュニケーション能力の問題だったのか。
謎だ。

秋めく
ご褒美のカルピス 高い

- Kita Bの場合

*なにも持ってこなくて大丈夫!と今回のキタでもキタAでも言われたが、結局スリッパや動きやすいスポーツシューズが必要だったので前日に慌てて買い出しに行った。

Fachschuleの面接を挟んで、木曜はKita Bの面接/ Probezeitだった。
ちなみにKita Aとそんなに距離は離れていない場所にある。こちらは思い浮かべる幼稚園のイメージそのものだった。あとなんとなくローカルな感じ。

夜やん

辿り着くと、先生はすぐに私がインターンだと気がついて中に入れてくれた。報連相完璧。

その後事務員兼園長の女性が登場し、部屋をパーッと紹介され、子供が2人楽器で遊んでいるスペースで待機させられた。
子供達の受け入れと音楽のレッスンの準備でドタバタしていて、私に構う余裕はなさそうだった。
「全然時間が取れなくてごめんね!」と謝罪されたが、子供と話したり遊んだりするのが楽しかったので平気だ。
レッスンの準備や子供達の外着の準備を手伝ったあとは前回と同じように外の遊び場へ。

大人数で鬼ごっこをしていたのだが、ここで問題が発生。
1人の子が「中国人、ここまでおいで〜!」と言ってきたのだ。
残りの子たちはその子に釣られて同じことを繰り返したが、罰が悪そうだったのでもしかしたら「これはよくないんじゃないか」とわかっていたかも知れない。

「中国人と言われることは差別かどうか問題」では、私は常に差別派。
でも相手はまだ4〜5歳の子供で悪気はないのだろう、とショックを受けつつも気を取り直し、表情に出さないように気をつけながら訂正してみる。

「ううん、私は日本人だよ」
「じゃあピカチュウ、ここまでおいで〜!」

だめだこりゃ。

するとそばにいた先生が「今なんて言ったの?」と眉をギュッと顰めながらやって来た。

「だって名前わかんないだもん」
「なら何度も聞けばいいでしょ」
「忘れちゃう」
「そしたら何度でも聞けばいいわ。何度も何度も。名前以外で呼ぶ必要ないでしょ」

と屹然と言ってくれて、感動した。
子供の言うことだから、と笑ってスルーすると思っていたのに…。
良くない、言い方が差別的だ、と判断した上できちんと叱ってくれたのだ。

だがその後、他の子が「あなたの名前可愛い」って褒めてくれたあとに、その子がまた「あなたの名前はhässlich」と言ってきた。

もしドイツ語をネイティブ並みに話せたら、屹然とした態度で、本人にもわかるようにどれだけ酷いことを言っているのか冷静に話すことができるのに…。
そう思ったら悔しくて涙が出そうになった。いくら子供が言っていることとはいえ、やっぱりショックだし悲しい。日本で仕事をしている時も子供のそういう悪ふざけはあったが、「うわー、先生ショック。悲しい!」と大袈裟におどけて終わり(しつこかったらキツめに言うかもだけど)。

言語化が難しいんだけど、その子が子供の悪ふざけで言っているのか、差別的な意識で言っているのか分からないから「子供の言うこと」とうまくスルーしたりできない。

このままいつもみたいに「ショック〜」と言って誤魔化そうかな、と思っていたら二つのことが起こった。

先程「あなたの名前可愛い」と言ってくれた子が私にハグをして、再度「あなたの名前可愛い」と繰り返してくれたのだ(彼女の名前もドイツ系ではないことから、気持ちを察してくれたのかも知れない)。そしてハグされている間、そばで見ていた先生が例の子を呼び、注意をしてくれたらしく、その後「ごめんね」と謝ってきた。

もちろん謝罪を受け入れて、鬼ごっこを再開した。ズボンや靴が泥だらけになったが、それもまた子供と一緒に働いていたらつきものだ。

その後、遊び終えた子供達と他の子達がランチを食べ終えるまで待機していたら園長先生にスタッフルームに呼ばれた。12時はすっかり過ぎていたが、そこから10分ほど面接をした。

「子供達と過ごしてどうだった?」
「今までの子供のために働いたことは?」
「今のドイツ語はB1くらい?」
「他にも応募してる?」
「今まで何歳くらいの子を教えてた?」

うる覚えだが、質問はこんな感じ。ドイツ語はB2だけど私のスピーキング力がカスという話をした。
質問は?と聞かれ、すかさず合格だったら市に連絡するように言われたんですが合格と送っていいですか?と聞いた。
(この時はまだ「Kita Aからの返事が今頃届いているだろう、毎日連絡返してくれるし」、と無邪気に信じていた頃なのだが)
またメール書いたり、はぐらかされたりするのはストレスだし面倒なので直接聞いた方が手取り早い。
するとすんなり快諾してくれたので心の中でガッツポーズをした。

ついに研修先が見つかったのだ!

ご褒美にお寿司 外国人向けだけど安くて美味しい!

- 結局どちらのKitaがいいのか

先にKita Bに受け入れてもらえたからKita Bにしたのだけど、実際選べるのならどっちがいいんだろうと考えてみる。

Kita Aは教師の負担を少なく、生徒の自主性を育てるという園内の方針が好きだったが、生徒と教師の距離が少しだけある感じ。どちらかというとインターナショナル。
Kita Bはローカルみが強くて、ザ・幼稚園。だけど生徒同士、教師と生徒の結びつきが強かった気がする。

個人的には仕事をするならKita A、研修するならKita Bって感じ。
同じ幼稚園でもこんなに雰囲気が違うので、やっぱり体験は少なくとも2校くらい受けて自分に合うKitaを選ぶのがおすすめだ。

結果的にKita Bになったものの、最初例の子の件があってやっぱりKita Bやめようかなと考えたりした。
だが逆に「こういう子がいるからこそ私の存在って重要なのでは?」という考えに変わった。

子供達は素直で純粋で、見知らぬアジア人を見ても何も言わずに受け入れてくれる。Kita Aでは1人の子に出身を聞かれたが、それ以外は何もなかった。でも多分それはKita Aではアジア系の職員がいて、子供達も色んな国から来ていたからというのもあると思う。Kita Bにはアジア系は誰ひとりいない(もちろんインターナショナルな環境でなくても子供達は若いが故にそこまでの偏見も、余計なしがらみもないので受け入れてくれるのだが)。

ドイツ人の友人が「ドイツの子供達は他の文化を持った人と関わった方がいい」と言っていたのだが、多分そういうことだ。
小さい頃から色んな人と関わって文化や人種の壁?を低くした方が、後々彼らの人生が豊かになる気がする。そして将来的には巡りに巡ってドイツではマイノリティになる他国の子供達・人たちも嫌な思いをすることがなくなるかもしれない。

あの例の子も、私と関わってちょっとずつ変わってくれるといい。

研修は1月から始まる。
それまでに注意されて向かうが納得できるくらいのドイツ語力と、鋼のメンタルを持とうと思う。


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