見せかけの幸せは不幸の始まり

私に好きな人がいて、多幸感に包まれているとき
好きな人には本命がいたとして
私は本当に幸せなのだろうか

「好きだよ」と言ってくれ、高価な贈り物を手にし
あたたかい腕の中で眠っても
私は好きな人の、ど真ん中にはいない

好きな人の罪悪感と、いつ別れを切り出そうか
そんな迷いの中にいることは耐えられない

好きな人に本命がいると教えてもらったら
きっと私は逆上し、大げんかは必須で
悲しみと腹立だしさで眠れない日を過ごすとしても

損得勘定が働き、また楽しみを見つけ
前を向いて歩き
無駄な時間を浪費しないよう進路を変える

知らぬが仏
確かにそうとも言える
ただ、自分の危機があれば知りたい
早急に対処し、手を打つことが真実の幸せに通ずる

後から耳にして「どうして教えてくれなかったの」
丸腰で挑むことより、先に情報が欲しい

言わぬが花
何食わぬ顔をし、白い菊を育て
誰かが傷ついて失血死をしたときには
そっと棺桶に供えよう
「ごめんね、何も知らなかったの」と嘘をつき