見出し画像

母になる自覚

 以前から子どもについてゴチャゴチャ考え連ねていたのだが、そうしたらなんと妊娠してしまった。
 現在9週目(3か月目)、つわり期間突入中である。

 ↓以前子どもについて考えたこと


 正直、まだ子どもがじぶんの胎内にいるという自覚すら薄い。
 お腹はまったく膨らんでいないし、胎動やそのほかの動きがあるわけでもない。
 いつもと違う体調不良(つわり)が続いているので、「たぶん生きているんだろうなあ……」と首をかしげる有様である。
 もしくは、検診のエコー写真を見てようやく「ああいるんだな……」と実感するか。

 もちろん、「私、母親になるんだ!」なんて希望やエネルギーに満ちているわけでもいない。
 まだ恥ずかしくて、「ママですよ~」なんてお腹に話しかけることもできない状態だ(むしろ夫のほうがよく話しかけている)。


 ただ、びっくりはしているものの、子どもができたことに絶望したわけではなかった。
 不思議なことに、あれほどアレコレ悩んでいた気持ちが凪いでいる。
 どうもホルモンのせいではないかと思うのだが、妊娠してからのほうがメンタルがめちゃくちゃ安定しているのだ。

 不安も怖さも、なくなったわけではない。
 けれど、「まあなんとかなるだろう」という淡々とした気持ちが強い。
 あれほど苦しんでいた月経前のイライラや落ち込みも、スコンと楽になってしまった。
(ということは、いままでの体調不良の半分くらいはPMSのせいだったのか……? とガックリ拍子抜けしている。いままで散々、漢方だの体質改善だの試行錯誤してきたのだが……)

 妊娠してメンタルが安定したなら、産後はまた悪化するのでは……という不安は大いにある。
 が、それはそれで対策を講じていくとして、いまは無事に子が生まれてくれることを願うばかりである。
 ひとまずは、ここまでの経緯を日記的に残しておきたい。


2024年3月中旬~下旬

・やたら甘いものが食べたくて仕方がない。それもクッキー。無印良品のショートブレッドを1日に2袋3袋と爆食いする。
・過食に走るのは月経前によくあるので、この時点では「今月はいつも以上に食欲が激しいな……?」程度だった。あまりにも止まらぬ食欲におののき、いつもの癖で食べ吐き1回あり。

2024年3月下旬

・甘いもの+やたら豚カツが食べたくなる。しかも普通に定食を食べてもまだ足りない。ふだん胃弱で、油ものを食べれば一発胃もたれの私としては異常である。
・いつもの胃もたれ、食欲不振がない。月経前のイライラや落ち込みもない。なんとなく動悸がする。腰痛と悪寒がいつものPMSよりひどい。このあたりで「もしや……?」と疑念が湧く。

2024年3月27日

・月経予定日を3日過ぎたあたりで、妊娠検査薬によるフライング検査。10秒と経たずにサーッと陽性反応が出る。
・しかし直前にもお菓子を爆食いしていたため、「もしかして糖尿が出ただけなのでは……」と悩む。
・一応夫にも報告。二人してうーん……と悩み、「4日後(月経予定日から1週間後)に再検査しよう」と落ち着かない気持ちになる。

2024年3月31日

・朝イチで再検査。やはり10秒と経たずにくっきり陽性反応が出る。これはどうもそうらしい、ということで、夫と今後について相談。
・二人とも「やったー!」というより、「あ、あれ……? できたんだ……?」と目を白黒させる気持ち。夫は年齢がそれなりに行っているし、私も虚弱体質のうえにガリガリなので、妊娠できる力などないのではないかとひそかに疑っていた。

2024年4月6日(5週5日)

・かかりつけの産婦人科を受診。エコー検査で胎嚢が確認できる。異所性妊娠などではなく、とりあえず安堵。次は2~3週間後にきてねと言われる。
・夫と今後のスケジュールについて相談。不安と、少しワクワクというか高揚した気持ちになる。
・まずいつごろ心拍確認や母子手帳がもらえるのかや、周辺の産院がどんなふうかを調べる。また、たまひよとトツキトオカのアプリを夫と共有。
・食欲は相変わらず。小麦と肉が食べたくて仕方ない。いままでどれだけ体重を増やしたくても増えなかったのが、いっきに1kgほど増えて安定した。
・常になにか食べていないと、うっすら気持ちが悪い感じ。どうも食べづわりらしい。
・甘いものは食べたいが、ふだん大好きな抹茶味のお菓子やチョコレートには心惹かれなくなる。自然と体がカフェインを避けようとしているのか……?(でも紅茶は飲める)
・そのほか、たまに動悸がしたり疲れやすかったりするが、ふだんから虚弱なのであまり大幅な変化はなく思えた。ある意味、体調不良慣れしていることが功を奏したともいえる。
・むしろメンタルは安定しているため、それだけでもとてつもなく楽だった。子宮内膜症の腹痛もぱったりなくなり、産婦人科の先生が「いちばんの治療法は妊娠」といっていたのはコレか……と納得する。

2024年4月19日(7週4日)

・「2週間後」という産婦人科の言にのっとり受診。この日に心拍確認ができるだろうし、そのまま母子手帳をもらいに行く気満々で夫と仕事の休みを取る。
・しかし、心拍確認はできたものの、赤子の大きさが出産予定日を確定できるほどではなかった(妊娠届に出産予定日を書く欄があるので、予定日が確定するまでは待つ方針のクリニックだった)。
・来週再度来いといわれ、完全に肩透かしを食らってガックリ。まあ、子どもが生きててよかったよ……と夫と二人慰め合う。
・代わりにNISAの口座開設やカバンの買い替えなど、他の用事を済ませる。
・相変わらず食欲は小麦と肉! を欲しており、途中で総菜パンを買い食いしてしのぐ。ハンバーガーやカツサンドなど、「小麦に肉を挟んだなにか」が食べたくて仕方ない。
・このころから、寝起きのずっしりしただるさや眠気が復活(妊娠前はほぼ毎日だった)。トイレの回数も増え始める。しかしやはりメンタルは安定しているし、いつもの胃もたれ感も目まいもないので体調は楽に思えた。

2024年4月20日(7週5日)

・近隣の産院見学に行く。まだ母子手帳ももらえていないし悩んだが、人気の産院と聞いていたため、早めに動かないと予約が埋まる懸念があった。もし流産してしまったら仕方ない、と腹をくくる。
・見学は立ち入り制限があったため、私のみ。建てられたばかりの産院で、ホテル並みにピカピカだった。「こんな至れり尽くせりの入院生活をしてしまったら、退院してから立ち行かないのでは……」とおののく。
・しかし総合病院だし、無痛分娩や帝王切開の経験も多そうだし、スタッフも感じがいいし……と検討し、後日仮予約をする。
・食欲はやはり全開。ハンバーガーが食べたくて仕方なくなり、見学前のお昼はモスバーガーでセットをぺろりと平らげる。
・たまに腹痛(子宮痛?)や茶色っぽいおりものがあると不安になる。しかし幸い、どれもしばらく経つと収まるものだった。

2024年4月21日(7週6日)

・両家の親に妊娠を報告。前もって夫と、「心拍確認ができたら報告しよう」と決めていた。
・母は私が子どもをそれほど欲しがっていないと知っていたので、驚くだろうなあと予想していた。実際電話すると「あら、おめでとう」とあっさりした感じ。しかし後ほどLINEで嬉しかったらしいメッセージがきた。
・夫のほうも割と落ち着いた反応だったようだ。現在、夫側の父が闘病中なので、取り込んでいるせいもあるだろう。お祝いのことばはちゃんとあった。

2024年4月22日(8週0日)

・職場の上司に妊娠報告。早いかとも悩んだが、直近で重たい書類の整理作業があるのと、7月に上司や同僚の異動が発生しそうだったので、先んじて手を打った。ここでも、もし流産したら仕方ないと腹をくくる。
・幸い、産休や育休は取りやすい職場である。上司も祝福してくれたので安堵。翌日には、上司から同グループ内の同僚にだけ報告してくれた。
・このころには食欲が落ち着きはじめる。甘いものより、から揚げとか牛丼とか、肉類や塩気のあるものが食べたくなる。あとチーズたっぷりのドリアとか。
・一方で、レモンジュースやみかんの缶詰などのさっぱりした味も恋しくなる。ふつうに三食の食事は摂れているので、追加で10時と3時に食べるためのおやつを求めてコンビニをうろつく日々。
・夕方~夜になると胃がムカムカし始める。食欲はあるし、味覚も正常なので食べたらおいしいのだが気持ち悪いという矛盾。とんだわがままボディである。
・とはいえ匂いづわりとかもないし、メンタルが安定しているのは本当にありがたい。つわりとしてはかなり軽い部類だと思われるので、お腹の子に感謝である。

2024年4月26日(8週4日)

・産婦人科アゲイン。赤子の全長(頭殿長)から、出産予定日は12月2日で確定。しかし前もって行なった月経日予測でも12月2日が予定日だったので、「結局ズレはなかったのか……」と少しツッコミたくなる。
・とはいえ、無事役所で母子手帳や妊婦検診の補助券がもらえた。夫は結局(私もだが)、先週と今週の2回有休を取ってくれたことになる。ありがたい。
・この日は結婚記念日だったので、そのままちょっといいランチに行く。だいぶ食欲が落ち着いてきていたため、コース料理は重たかったがおいしかった。子どもが生まれたら行けないだろうし、なるべくいまのうちに二人で堪能しておきたい。
・帰宅してから、母子手帳その他関連書類の多さにおののく。あっちこっち支援制度はあるのだが、いろんな機関がバラバラに主催しているためパンフやリーフレットが増えるのだ。
・しかし、改めてみると子育て支援、国や自治体が結構頑張っているではないかと思う。むろん手の届いていない箇所も多いだろうが、少なくとも「母と子を救える手立てをなんとか増やそう」という気持ちは感じられる。
・むしろこれからは、父親に対する支援や、職場で妊産婦の穴埋めとして負担増になる人たちへのリターンも増やしていってほしいと思う。

2024年4月27日(8週5日)~4月29日(9週0日)

・妊娠しなかったら、本来この連休は金沢に旅行する予定だった。残念ではあったが、体調が下り坂になってきたのでキャンセルしておいてよかったと思う。安定期に入って、支障がなさそうだったらもっと近場での旅行を仕切り直すつもりである。
・徐々に夕方~夜の胃のムカつきが悪化。ちょっと吐きそう。ふだんの吐き気や食欲不振は、胃の底に溜まっていくようなどんよりした低空飛行がずっと続く感じなのだが、つわりは胃の底から突き上がってくる吐き気。
・方向が逆なのだなあと感心しつつ、東洋医学的には気逆とかいうやつなのだろうか……と生兵法で分析してみたりする。
・あと、ふだん通り雨の日に体調不良になる体質が戻ってきたようだ。妊娠超初期のやたら元気で食欲増加という「逆状態異常」なチート期間は儚く終わりを迎えたらしい。
・疲れやすさもアップし、いちど寝たら気絶したように爆睡できる。そのわりに夜間はトイレで2~3回起きてしまう。8週に入ってから急につわりらしくなってきた。きっちり母体に影響するホルモンの不思議を思う。
・一応ふつうに動けるので、連休は出産後の模様替えにそなえて部屋の片づけをした。私の部屋はとにかく書籍が多く、その上げ下ろしをしていたら子宮が痛み出した。調子にのってすまん……と心の中で子に念じる。
・ちなみに夫はやさしいし心配性なので、私が本の上げ下ろしや家事をやっていると結構怒る(母親みがある……)。かといって動かないのも申し訳ないんだがなあと歯がゆく思いつつ、ありがたい話ではある。


 以上、9週目までの経緯であった。
 私はつわりが軽い性質のようであるが、それでも1週1週めまぐるしく体調が変化してゆく。不思議と驚きの連続である。
 今後も体調と相談しつつ、みずからの変化を観察していきたいと思う。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?