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<UMA遺産 第9回>「イッシー」伝説が語り継がれる九州最大のカルデラ湖~鹿児島県指宿市(いぶすきし)池田湖エリア

UMA(未確認生物)出現が噂されるミステリアスなエリアを、UMAの聖地として、「UMA CREW PROJECT」が独断と偏見で選定、紹介する「シリーズUMA遺産」。第9回目は・・・・。

「イッシー」

九州南部、鹿児島県は薩摩半島南東部に位置し、直径約3.5km、周囲15kmを誇る、九州最大の湖、池田湖。南には、見事な円錐形で別名「薩摩富士」とも呼ばれ、日本百名山の一つにも名を連ねる開聞岳を望み、霧島錦江湾国立公園にも指定され、多くの観光客が訪れるエリアだ。
池田湖の湖面の標高は66m、水深233mで、最深部は海抜-167mとなる。湖底には直径約800m、湖底からの高さ約150mの湖底火山がある。池田湖を含む窪地地形は池田カルデラと呼ばれている。古くは開聞の御池または神の御池と呼ばれており龍神伝説もが存在する。
そんな龍神伝説を現代に引き継ぐように、この池田湖エリアを約60年以上も注目させ続けている、あの伝説のUMAこそが今回の本題である「イッシー」である。

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開聞岳を望む池田湖

1978年9月3日、指宿市池崎地区の住民約20名による目撃情報が全国で報道

イッシーと思われる謎の生物の存在は、古くからこのエリアでは伝説として語り継がれていたようだ。1961年には目撃例が報告されている。そんな中、イッシーの名を一躍全国区にした1978年の目撃情報が生々しい。
1978年9月3日、指宿市池田池崎の池田湖畔にある家族宅で、法事のため20人近い親族と、その子供たちが集まっていたという。そして午後6時頃、外で遊んでいた子供たちの叫び声が聞こえた。これこそが、イッシー伝説のプロローグだったのかもしれない。「怪獣がいる・・・」
血相を変えた子供たちが怯えながら、家に駆けこんできた。あまりの形相に、大人たちも無下にできず、子供たちに言われずがまま、湖の方へと確認に出た。湖面を見た20人は思わず息を飲んだ。まるで恐竜のような黒いコブが2つ、激しい音を立てながら物凄いスピードで湖面を移動した。
まさに謎の生物との遭遇で、池田湖はテレビやスポーツ紙を賑わすこととなり、当時のオカルトブームともあいまって、ネス湖の「ネッシー」、屈斜路湖の「クッシー」にあやかって、池田湖の「イッシー」と呼ばれるようになった。

「イッシー」を一目見ようと全国から観光客が押し寄せ…

この目撃騒動の直後に、指宿市観光協会は早速、無人観測所と監視カメラを設置した。連日、マスコミが押し寄せ、湖畔は観光客とイッシーを撮りたい人たちで、お祭り騒ぎとなり、土産物屋など観光名所化したという。
そんな中、同年12月、初のイッシーらしき写真の撮影に成功した観光客が、指宿市役所に設けられた「イッシー対策委員会」により、10万円を贈呈された。そして、この写真はアメリカのUFO研究機関によって画像解析された結果、爬虫類タイプの生物との見解を示したとの事だった。

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池田湖の湖面をゆくイッシーらしき写真

ちなみに、目撃情報や写真も含め、イッシーに関しては、コブに関するものや、奇妙な波に関するものばかりで、全体像を見たという情報はないようだ。現地湖畔には、恐竜のような姿をした2種類のイッシー像が建てられ、有名なインスタスポットになっているが、これはあくまで想像図のようである。

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池田湖を彩るイッシーのオブジェ


数々の「イッシー」目撃情報 / 捜索隊の活動

1978年の目撃情報から13年後の1991年、指宿スカイラインをドライブ中の家族がビデオで湖面を行く謎の黒い物体の撮影に成功し それ以降、何度も同じような黒い謎の物体の動画が撮影され、地元は再びイッシーの存在に沸く事となった。
テレビ番組の企画で魚群探知機で、池田湖の湖中を調査し、湖の西岸水深10mの場所で全長およそ3m超となる2つの物体を魚群探知機で捉えることに成功。
また、水深およそ40mまで潜った水中カメラマンが頭上を通過する巨大な黒い物体を目撃。但し、水中が濁っており素の姿を鮮明に捉えることができなかったという。

そして、あの東スポも当時、「イッシー捜索隊」を結成して、1週間にわたり現地調査を敢行した。その調査の中で、全長15mほどの黒い物体を撮影したようだ。東スポの取材では、あの故勝新太郎さんがそれ以前にイッシー捜索に入れ込んでいたことも判明したらしく、当時も紙面を賑わせていた様子がうかがわれる。

当時、あの故勝新さんも入れ込んでいた「イッシー捜索」
引用:東スポUMAデスク 
Twitter:
https://twitter.com/tospo_UMA


今なお絶えない「イッシー」目撃情報…その正体とは?

数々の目撃証言から、イッシーの身体的特徴は体長約10mから20mで、赤みを帯びた黒色の背中にコブ状の突起があり、頭部はドラム缶ほどの大きさと言われている。
イッシーのその正体については、爬虫類と分析され、大きなコブを持った恐竜の生き残り説が有力とされながら、池田湖に昔から棲む全長最大2m体重20kgとも言われる、この地の天然記念物「オオウナギ」ではないかという噂もある。湖底の火山による熱水で、オオウナギが突然変異し、巨大化したという推測だ。
また、別の説として、池田湖に放流された大型魚である「ハクレン」の群れの魚影の見間違いではないかとも言われたり、ダイバーによる証言から、巨大ヒルなのではないかとの噂もある。しかし、共通して指摘できることは、どの説もコブの存在が見られず、やはり謎のままである。

そして、今こそ全国ネットで放送されることも少なくなったが、池田湖には今でもイッシー目撃情報が絶えないという。
釣りやバードウオッチングに来た観光客が、湖面のうねりやコブのようにも見える、違和感のある波が時折報告されるとの事だ。
近所の方々の話では、現在は漁を行っていないことから、水面の異常な盛り上がりや、船が起こす大きなうねり波などは起こりえないという。つまり、何か別の要因で通常ではない波が発生、もしくは何者かが異常な波のうねりを引き起こしてるということになる。

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池田湖畔の人気のインスタスポットとなったイッシーのオブジェ

イッシーと思われる謎の生物の伝承が古くからあり、池田湖が「開門の御池」、または「神の御池」と呼ばれていた古の時代より、「龍神」や「湖の主」などの伝説が語り継がれてきただけあって、謎の多い湖であることは間違いない。
湖底火山から湧き上がる、さまざまな種類の波の数々が、幾多の錯覚や謎を生み出しているのかもしれない。
半世紀以上も長きに渡り、ミステリアスな話題を発信し続ける池田湖エリアを、「UMA遺産」として選定することとしたい。

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数々の謎を携える池田湖のミステリアスな湖面

イッシー

「UMA CREW PROJECT」がプロデュース
イラストレーター がりうむさん(
https://twitter.com/al_ga_in_tl_nh)に
書いて頂いたイッシー!
※「UMA CREW PROJECT」公式Twitter(https://twitter.com/CrewUma)

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