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アムステルダム再発見

先日10年以上ぶりにアムステルダムに行った。前回は上司と一緒の短い出張だったので、運河と自転車の光景くらいしか覚えていなかった。

その前に行ったのは留学時代。一緒に行った友人が試してみたいというので、Kafeに行き、屋外のテラスでその人がぷかぷかしているのを眺めていたら、その晩急に体調が悪いと言って冷や汗をかきだしたので、慌てて冷たいおしぼりで看病した記憶。

今回の旅の目的は二つあった。一つは、ゴッホの絵を観ること。ある朝起きた途端に、ゴッホに呼ばれた気がした。
もう一つは、アムステルダムに住むエキスパットの住環境の調査。私は日本に来るエキスパット向けの住空間をデザインをしている。エキスパットとは、仕事で一時的に別の国に住んで働く人のことで、私自身も経験があり、日本人に限らず同じ境遇の人達をそれなりに知っているが、多くの場合、新しい国で自分で住む場所を探さなければならず、色々な意味で皆苦労している。一時的とはいえ、数年間暮らす家で、その間は仮住まいではなく家なのである。私はそういう人達に心地よく海外(日本)生活を送れる空間を提供したい(この話は続編で詳しく書く予定)。そのため世界のあちこちで住空間を調査をしてデザインに活かしている。
10年経ってまた違う仕事での出張というのも感慨深い。

空港に着いてまず思い出したのは、昔初めてスキポール空港に降り立った時に、ここはガリバーの国だと思ったこと。日本から行った私は、人々はおろか空港の水飲場すら聳え立っているように見えて、緊張したのをよく覚えている。

そんなことが頭を過って辺りを見回してみたのだが、今回は全然違う印象だった。もちろん背が高い人もいるけれど、そうでない人もたくさんいた。私がカナダに住んで慣れたのか、人の混ざり具合が進んだのかは分からない。そして至るところで人々が笑顔で会話をしていた。

空港のインテリアは木材をふんだんに使っていて温かみがあった。こんなにずっとそこにいたいと思う空港は初めてだった。セキュリティチェックは大体どこの空港でも緊迫感が漂っているのだが、ここは違った。空間に愛が溢れていた。

ずっとここに座っていたいくらいのベンチ
まるでどこかの劇場のようなセキュリティチェック

空港から街まではUberに乗った。中心部に近付くにつれて大渋滞。運河が張り巡らされていて、トラムと車は同じ車線を通る。運転手さん曰くラッシュアワーがすぎると誰もいなくなるのだそうだが、私はこの街では運転できそうにない。

トラムは車道と同じ

荷物を下ろしてからとにかく歩いて歩いて歩いた。歩きながら感動の連続だった。まず何と言っても街並みが美しい。煉瓦造りの建物は石で造られたパリなどの街とまた違う趣がある。その煉瓦の雰囲気と、至るところにある緑がまたすごくマッチしている。街の中の巨大な公園は憩いの場になっていて、お散歩をする人や、ランニングをする人、自転車で通勤する人など様々な人が行き交っていて皆んなを温かく包み込んでいた。そして、そこかしこにチューリップが咲いている。トラムもクリーンで安全で、夜に公園を歩いていても、危険を感じることもない。
私はあっという間にこの街のファンになってしまった。

(続)

煉瓦造りの街並み
街の中の公園はオアシス


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