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リスペクト対照

先日、知らない人には誰それって感じかもしれませんが、催眠療法(ヒプノセラピー)の世界ではその名を知らぬ人はいない、ブライワン・ワイス博士の2日間のワークショップに参加しました。

さすが「前世療法」の祖とあって、安くない参加費にもかかわらず、東京で700人、大阪で500人の動員だったようです。2日間のワークショップで、講話(という名の詩の朗読)、デモンストレーション、グループワーク、ペアワークとかが盛りだくさん。

先にいいことから言うと、個人的には、デモからの学びが多かったです。面白かったです。言葉のかけかた、間の取り方、声のトーン。ワイス博士はすべてが優しくて、ああ「受容」ってこれね。と肚落ちするところがあり、とても勉強になりました。

それから、グループヒプノ。七十余歳の御年で、その人数を一度に誘導するのです。本を読んでなにか魔法を想像してきたけれど、だからこそ何にも見えなかったという人も少なからずいたでしょう。魔法使いじゃないから。でも、一方でカルト信者みたいなファンも多いので、全員とは言わなくても、会場の2/3くらいは何らかのイメージを得たのじゃないかしら。過半数の受講者は同時通訳の日本語を通して聞いているわけなので、それは本当にすごい。さすが!!!

催眠の本質を垣間見ることができました。

かくいうわたしは、ヒプノバーシングやって以来、どうも、カウントダウンでスコッと深く落ちる癖がついてしまっていて、3回のグループヒプノの内1回目は、気分良く寝てしまいました。2回目は気を付けていたのでとてもスムーズにイメージを得ることができました。3回目は、どっちかというと勉強モードで、言い回しとか間の取り方とかに注意しながら聞いてみました。

仕事で泣きながら英語を身につけてきたことが役に立ちました。これこそ絶対、直接音声で聞けるほうがいいに決まっている。

それから、ワークショップ初日の後には(わたしは行列に並ぶ暇がないのでパスしたのですが)ワイス博士とのツーショット写真&手持ちの本にサインをしてもらえるという、パンダ的イベントもありました。

ネットでググって出てくるヒプノセラピストって、博士と一緒に写っている写真とか認定証とか掲げて「ワイス博士のワークショップを修了しました」と書いている人も多いですが、それの正体がわかりました。誰でももらえるやん!

2日目にはビュッフェスタイルの懇親会もありましたが、それもわたしは、もちろんパス。

後で、懇親会に行った人に聞いたら「いやー、会場を出たとたんに一部のおばちゃんたちが素に戻っちゃって。ビュッフェの列に割り込んで大盛りでとるわ、私が私がでギャーギャーうるさくて…行かなくてよかったよ。博士も疲れ果ててらしたし」とのことだったので(行けなかったわたしを慰めてくれている可能性を差し引いても)行かなくてよかった。

写真&サイン会では博士も疲れ果てて、途中からは手が動かなくなってしまい、サインの代わりに一本線を引くだけになってしまったそうなのね。そんなになったら休ませてあげなきゃだと思うの。そもそも、あの人数を相手に、ワイス博士の細い肩に期待値の回収を担わせる、そんなお労しい企画を組むなよ!運営!!

ていうか、実は、初日は受付がパンクしてスタートが30分遅れるし、ビュッフェの食事は追加なくて遅めに行った人はほとんど食べられなかったらしいし、大阪会場はパイプ椅子だったらしいし、東京会場の近くにはほとんど飲食店ないのにお弁当の用意もないし、おいおいおいおい!ちゃんとしたイベント会社使う予算がなかったとは言わせないぞ、と、気になるところがあまりに多かったのです。

ワイス博士に会いに行きながら文句を言うなんて、愛のみに生きる人からは魂のレベルが低いとか言われるかもしれませんが、わたしはどうも運営陣は受講者をなめてるなと思ってしまいましたよ。

大勢が少なめ総菜を奪い合うような懇親会なんてやめて、お昼のお弁当をつけるとかさ。数百人分のサインを博士に強いるのは酷だって気付くとかさ。グッズとかカラフルなパンフとかはいらないから、ダウンロード版でもいいから基本スクリプト配布するとかさ。

「修了証」とか出すなら、パンダ扱いではないとこを頑張ってほしかった。いや、ほとんどの人は魔法使いに会う気分で来てるんだって開き直るなら、「気持ちビジネス」の事務的な回し方は明治神宮あたりに学んでほしいな。

と、後半運営への苦言になってしまいましたが、それはさておき、ワイス博士ご本人のライブが聞けたのは、本当に良かったし、勉強になりました。会場で得たいくつかのヒントやイメージは、自分のコンサルタントとしての傾聴や受容的態度に生かしていきたいと思いました。

表題写真はランチを食べた公園の新緑。「この辺食べるとこなんにもないよ!」と予め教えてくれたナイスな友達が崎陽軒のお弁当を買ってきてくれたので。そんなこんなで要領よく立ち回ったため、よく考えたら上記のクレームポイント、わたしはほとんど直接被害は受けていないわけなのですが。

ワイス博士ご本人がすべてにおいて痛ましいほどリスペクトにあふれていたのとは対照的ななにかを、事務局からは感じましたよと言いたい。

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