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1年間で4冊同人誌を作ってのまとめ

同人活動で印刷所デビューして1年が経ちました。その間webやSNSに上げた小ネタの再録集を含めると4冊作ったことになります。絵も内容もまだまだだな~と思う反面、自分なりに頑張ったことではあるので調子に乗って仕様などご紹介したいと思います。

①初めてのオフセット本「おふロック!」

  • オフセット/A5/本文24P/無線綴じ

  • 印刷所:大陽出版

  • 表紙:スーパーポスト220kg/ホログラムPP クラックドアイス/フルカラー

  • 本文:上質紙90kg/スミ1色

初めて印刷所にお願いして作った本です。
それまで入稿の知識が全くなく、かつ同人誌制作のためにクリスタを導入したのでソフトの扱いにも四苦八苦しました。

オンデマンド印刷という選択肢もあったのですが初めての本はどうしてもオフセットにしたいという謎のこだわりがありまして、マイナージャンルなのにオフセットで50部刷るという暴挙に。初心者ならではの怖いもの知らずですね。でも最少部数50部でオフセットをやってくれる大陽出版さんは良心的かなぁと思います。100部からじゃないとやってくれないところも多いようですし。

また、こちらの印刷所を利用した理由は地元開催のイベントに協賛していて以前から聞きなじみがあったことと、早期割引フェアで40%OFFにできたことがありました。というかこれだけ割引してもらえたからオフセットでお願いできたという感じです。ありがたい限り。

とりあえずはスタンダードな用紙を選びましたが、ちょっと遊び心がほしいと思いオプションでホログラムPPを付けました。表紙デザインをサボってもこれだけでなんだかスペシャルな雰囲気に。

自分の描いた原稿が形になるのにはめちゃくちゃ感動しました。しかしコマの配置をきちんと考慮できておらずノド(製本した際に綴じ側になる奥のほう)側に裁ち切りの絵を描いてしまったりという失敗もありましたね…。やってみて良い経験になりました。

ホログラムがいい感じに賑やかしてくれます


②初のカップリングもの「後天のアルテミス」

  • オンデマンド/A5/本文44P/無線綴じ

  • 印刷所:大陽出版

  • 表紙:キュリアスIR146kg(パール)/フルカラー

  • 遊び紙:ミランダ(あい)100kg

  • 本文:書籍用紙/スミ

ふだんギャグばかりなのですが初めてカップリングものに挑戦しました(めちゃくちゃぬるい話ですけど…)。前回の反省を活かしコマ割りはちょっと気を付けました。

印刷所は再び大陽出版さんに。実は当初は別の印刷所のセット利用を考えていたのですが、参加イベントが「対象の印刷所にてイベント合わせで発注すると割引」というキャンペーンを行っておりまして、大陽さんがその対象だったわけです。ハイ、またしても割引につられました。しかし当初予定していたセットで惹かれた遊び紙がHP上に載っていない模様。「ここはやはり価格よりやりたい装丁を重視すべきだろうか…泣」と葛藤しつつダメ元で大陽さんに問い合わせてみたところ、追加料金で取り寄せできますとのお返事をいただき…!聞いてみるモンだなぁ。

夜空のようにキラキラしてるミランダ(あい)の遊び紙

しかしオンデマンドなのにオフセットと見紛うほどベタのマット感が綺麗。じゃあ1冊目もオンデマンドでよかったんじゃ…。まあ両方体験できてよかったですが。また、本文用紙ももう少し厚めの書籍用紙で発注をしていたのですが、「オンデマンド印刷と相性が良くないため90kgをおすすめします」との連絡をいただき変更しました。届いた現物はちょうど良い厚みで綺麗に印刷されていて、本当に丁寧な対応に感謝です。もっと言うと原稿の差し替えとかギリギリになって待ってもらったりして迷惑かけすぎ&お世話になりすぎ。(はなっから融通利かせてもらうつもりで臨んではいけませんぞ…!どうしても困ったら相談してみましょうという話。)

ベタが全然テカっていない!

表紙デザインに関しては、原作中で太陽神アポロになぞらえられる主人公に対してヒロインをアポロの姉であり月の女神であるアルテミスのポジションに据えて、それぞれオレンジとブルーの色使いで表現しました。本文中で賑やかしに描いている花がいくつかあるのですが、それもギリシャ神話でアポロやアルテミスにゆかりのある花をチョイスしています。

キュリアスIR(パール)の光沢が神秘的


③中綴じペラ本「プリンスは恋させたい!」

  • デジタルオフセット/A5/本文16P/中綴じ

  • 印刷所:おたクラブ

  • 表紙:モダンクラフト195kg/フルカラー(白印刷なし)

  • 本文:コミックペーパー ピンク84kg/単色インク 紫紺

②の本を描いている途中で思いついた本です。「カップリング乱立ギャグ」という謳い文句で出したのですがそこにウケてくださる方がチラホラいて嬉しかったですね。

中綴じなのでノド側まで見開いて見える仕様です。コマ割りは横線の区切りのみで進めていったのであまり悩まず手軽な気持ちで描けました(横長のコマばかりなのでバストアップが多くなり作画が楽だったというのもある)。2作目まで大陽出版さんでお願いしていたのでおたクラブさんに切り替わるとテンプレートが慣れなかったですが、仕上がりに塗り足しを加算するだけなので初心に返るとそちらのほうがシンプルかもしれません。

②のノベルティ用のポストカードをこちらの印刷所でお願いしたのですが発色がとても良く、なのにびっくりするほど安い。グッズの展開が豊富ですが冊子印刷もやっているということでお願いしてみました。用紙やインクがかなりバリエーション豊かで迷わずにはいられません。
今回は少女マンガ雑誌に載ってるイメージにしたくてピンクのコミックペーパーに紫紺のインクをチョイスしました。カ・ワ・イ・イ…!!
黒のインクでもそんなに変わらないんじゃないの?と思うかもしれませんが、実物を見るとだいぶ印象が変わるかと思います。インク替えは少し料金が上がりますがそれでも充分お安いかと。

コミックペーパー ピンク×単色インク 紫紺

ギャグということもあり表紙はラフな感じにしたくクラフト系を使用。色が濃いめの用紙は白印刷ができたり、ものによっては必須だったりしますが今回は白印刷なしにしました。紙の色と印刷の色が交わってできる独特の色合いを見たかったので…。フルカラー印刷ではありますが2色刷りっぽくなるように配色しています。
また、PP加工はしていないので読むごとに傷んできやすいという点はあります。気になる方は、紙本来の風合いは半減してしまうかもしれませんがマットPPなどをかけてもいいのかなと思います。
用紙の性質上か、届いてすぐは表紙がパカッと開いてしまう状態でしたがイベントまで1ヶ月以上あったので重しを載せておいたら落ち着きました。

入稿データ
仕上がり


届いてすぐの状態。ちょっと抵抗されてる感

④web・SNS再録「手○作品二次創作再録集」

※見出しは検索避けのため伏字にしています。

  • オンデマンド/A5/本文32P/無線綴じ

  • 印刷所:San24 ※2023年7月12日をもって同人誌事業を撤退とのこと

  • 表紙:サーブルスノーホワイト/フルカラー

  • 本文:色上質 厚口 白茶/スミ

「いつの日か再録集が作れるくらいネタを溜めてみたいな~でもクリスタを使うまで描いていたアイビスペイントの作品やアナログの作品って上手く収録できるんだろうか」と思い1冊試し刷りのできるサービスを探していた矢先、San24さんの「ワンコインBOOK」なるものを知りました。なんと1冊のみ500円で作れるという。ページ数制限はあるものの(追加料金でページ数を増やしたり部数を2部まで増やすことはできた)これはすごい!

よくよく調べると、これまで定期的に(毎月?)このサービスを行っていたそうですが同人誌事業撤退にあたりワンコインBOOKは2023年6月の受付で最後とのこと。そ、そんな…せっかく巡り合うことができたのに…。もっと早く知りたかったが、せっかくなので利用させていただいた。幸い無事に発注できたが、受付解禁15分たらずで上限に達し終了してしまったらしい。

用紙はスタンダードなものから選択orおまかせ。今回は表紙・本文ともにおまかせにしてもらいました。入金・入稿を済ませ、とてもワクワクしながら待つこと約3週間。届きました~!1冊だけの再録集!完全に自分用なので細かいところは気にせずパロディネタもクロスオーバーも配慮無しにバカスカ詰め込んでいます。
表紙に過去の水彩イラストを用いたからでしょうか、エンボスの効いたあたたかみのあるサーブルスノーホワイトを使用していただきました。アナログ絵にとても合うという気付きを得た!
漫画作品の本文に色上質を使うという発想はあまり無かったのですが、これも表紙の色合いや雰囲気に合わせてなのか白茶の色上質を使っていただいています。実際どうかわかりませんが、内容を見て雰囲気に合う紙を選んでもらってるのかもと思うと嬉し恥づかしの気持ち。

ちなみに原稿作りに関してですが、クリスタで指定のサイズの入稿用ページを作成しておき、コピペで画像を配置していくという方法でやりました。過去にアイビスで描いたものはほとんどサイズ不足だったのでちょっと前に導入された「AI超解像x2」という機能を使用して画像サイズを拡大した上で貼っています。それでも小さいものはクリスタで拡大して「スマートスムージング」をかけて処理しました。中には72dpiというヤバ画質のものもあったのですがA5でどうにか見れるくらいにはなんとかなりました。アナログ原稿のスキャンやカメラで取り込んだ画像も同様に拡大したり線画抽出で整えたりしてどうにかしています(説明が適当すぎる)。
なお、素人が独自で試したやり方ですのであしからず。

テスト印刷としては充分すぎる結果となり満足&印刷所様に感謝です…!


以上4冊でした。
1年で4冊というか②~④は今年に入ってからの発行なので半年で3冊占めてますね。本という形態にかかわらず周りにはもっとたくさん創作活動に励んでいる方がたくさんいらっしゃるので、刺激をもらいつつ自分も楽しく活動に勤しんでいきたいです。お読みいただきありがとうございました。

最後に

①~③はまだまだ在庫の通頒行っておりますのでご興味のある方は覗いていただけたら嬉しいです~よろしくお願いいたします↓

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