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はじめまして、読んでくれてありがとう。 20231022

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はじめまして、読んでくれてありがとう。 20231022

マガジン

  • ことばがうまくまとまらないんじゃなくて、 ことばがぽつぽつ、雨粒のように、貝殻のように、割れたガラスのように、 足元に散らばって、 拾い集めたらそれはそれではなくなってしまうから、 そのままで

  • 羊の雲の過ぎるとき

  • スキまとめ

  • 随想録

    エッセイ(essay):思索や意見、感想などを形式にとらわれず、簡潔に述べた文学の一ジャンル。

  • 翻訳

    日中翻訳、気ままにやってます。 原作、中国語、言葉に興味を持っていただければ幸いです。

最近の記事

敬具

来年は花火でも見に行こう って君が言ってた。 だから今年、ぼくは花火を見にいった。 音のせいかな。 心臓の鼓動がつられて、火花と共に散っていった。 とうの昔に、撃たれたぼくは散る運命にあったはずなのに。 どうしてなんだろうか。 今度こそ負けなかったよ。 夏はまだ来てないって? 君の余った夏を消化してるのさ。 噛み砕いて飲み込んだでしょ。 ぼくとしては、君が笑わなくても済むのであれば、それでいいんだ。 それでいい。 “祝你永远开心” 2024.5.2

    • 君たちってばそれは違うよ。 思い違いだよ。 僕はどこにも行けないんだ。 どこにもね。 ここにいるよ。ここに。

      • escape

        よく映画や小説、漫画などで見かける、学校やら会社に向かう電車で急にその気になり、そのまま終点の海まで行っちゃうような展開。 しかし、現実はそううまくいかないものだった。 電車の辿り着く先は必ずしも海だとは限らないし、君が行きたい海とは限らない。これで如月駅とかなんとかまで連れて行かれた暁にはお終いである。興味がないと言われれば嘘になるが、こういったストーリーの結末は決まって碌なことにならないので行きたくはない。山手線とかだったら一周回って面白い。二重の意味で。 正直、「

        • カタンコトン

          古い車両がゆらゆら、カタカタ。 前後に、左右に、上下に、くるくる回って。 微かに誰かの甘い香水の匂いが鼻を刺激する。 カバンに入っている携帯が鳴った気がする。 眩しい気がして、瞼をゆっくりとあげる。 どこに向かっている? 僕らは街を抜けた。 森を抜けようとしている。 窓から見える濡れた黄緑が五感を潤す。 まるで夢の中にいるようで、僅かに霞んでいる。 水が束になって、僕の心の上を這うようにして流れていく。 心は砂漠に向かっている。 僕は一人で電車に乗って

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        • 9本
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        記事

          林檎が落ちる

          「因果関係とはなんですか。因とは、果とは?」 と聞かれた。 頭の中で思考をぐるぐる巡らせた。 因果関係。よく知っている言葉のはずなのに、僕は、君は、私たちはそれが「なんなのか」を考えたことがあるだろうか。 それっぽいことを考えたこともあっただろう。結論は?出てないはずだ。 でも自然に、頭の中で円を描いていた。 因が果を呼び寄せ、果が新たな因を孕む。新たな因がまた果を引き起こす。私はそのぐるぐるした沿線上を何度も何度も巡って、今、ここに座っている。次の駅に辿り着くま

          林檎が落ちる

          花发多风雨

          かばんの中は、財布と、数日前に3つ買った猫のおやつ(3つでお得だったので)の2つ目と、気になっていたセブンイレブンのホイップつぶあんパン。 ここ数日は出かけるたびに母に朝食のパンを買って帰っている。パンが好きな人なんだけれど、高いからと言って、いつも食パンを食べたりして節約している。私が買ってくることにも、ときどき「高いからいいわよ」と言ってくれるのだが、別に毎日って訳でもないし、ここ数日はセブンのクーポンがあるからで、自分が飲みたいカフェラテを買うついでだからと言って納得

          花发多风雨

          ♬ Episode 33

          黒板にあんな文字が書いてあるのに、泣けなかった。涙が出てこなかった。 絞り出そうとすること自体罪に感じた。 君の反応を伺った。 これといった感情の起伏が特に感じられず、関心もないと見た。 なので構わず座ってビデオの続きを見ようとした。 すると君が隣にやってきて、こちらに意味不明な視線を投げかけてきた。いや意味なんてないことはわかっている。 わからないよ、言ってもらわないと。 嘘かも。大体はわかってるね。 可能な限り、そうするつもりだったの。だってあなたたちのこと

          ♬ Episode 33

          初夏の夢を見た。

          初夏の夢を見た。 少し汗ばんだ両手が目の前に差し伸べられていた。 夏ってどうしてこんなにも汗が出るんだろうと、それとなく思った。 もしくは雨の後だったのかな。 白いワンピースを着ていた。 そんなワンピース持ってないけど。 何をしていたのだろうか。 自転車にでも乗っていたのかな。 バターをフライパンに満遍なく広げた。 子どもの声なんてあったっけ。 でも、嫌な暑さじゃなかった。 現実はまだ、全然寒いんだけどさ。 太陽のマークなんて嘘なんかついちゃって。 ああ、だめだ。

          初夏の夢を見た。

          波の音が聴こえる

          ・ ・ ・ 波の音が聴こえる ・ ・ ・ 「ねえねえ」 誰もいない海岸のはずなのに、いつの間にか隣に女の子が一人立っていた。周りを見渡してみても、親らしき人物どころか、人がいる気配すらまったく感じられない。 「…どうしたの?」 「おねえちゃん、なにしてるの?」 私はおもむろに視線を海の方に向ける。 「んー、海を見ているよ」 「海?」 そう言って、女の子も私の視線を辿り、海の方を見た。 「きりでなにも見えないよ」 「そうだね、何も見えないね」 数メート

          波の音が聴こえる

          はる

          みなさんは聴きましたか。 ヨルシカの「晴る」。 とてもとても素敵な曲ですよね… 晴る。 アニメ『葬送のフリーレン』の2期オープニングテーマ。 ヨルシカの新曲が2期OPだよと、アニメ好きの友達に教えてもらったのが、曲を知るきっかけだった。興味はあったが、その頃の私はまだアニメを観ていなかった。 しかし、もとより私はヨルシカがとても好きで、それでn-bunaさんのボカロもとても好きなので、テレビのCMでアニメ映像とともにサビの部分が流れたとき、あ、ヨルシカ、と気づいていた。

          曇りのち雨雨

          雨が降ると、世界が二つになる。 なに?意味がわからないって? わからなくてもいいさ。 世の中にはわからないこと、わかったつもりでいること、わかってもどうにもならないことみたいなのがうじゃうじゃあるんだよ。 だから、わからなくてもいいの。 わかるように話そうとしてないのが問題? いいじゃないか、話したってどうせわからないんだから、テキトーに、それっぽく話すくらいがちょうどいいんだよ。 別にわかって欲しいとも思わない。大した意味もないしね。 今日はたくさんお話をした。僕

          曇りのち雨雨

          火车与夕阳

          火车行驶在铁轨上。 你说它走得急吧,也没有很急。你说它走得慢吧,也没有那么慢。 我就这样看着沿路的树木花草,与夕阳相互交叉。一道一道残影重叠起来,再转瞬即逝。一个一个光晕闪现,洒满车窗,落在我身上。光线忽明忽暗,那些我不曾知晓名字的灰尘,浮在空气中,仿佛时间静止了一般。我开始回忆,这一路过来的快乐与辛酸。 不知为何,那阳光照射进我的眼眸,是那么的刺眼,我却一点也不想移开。我不知何时跟它较上了劲。我对火车所前往的目的地,或者把握它的方向,又或者它会途经何处毫无兴趣。因为,

          火车与夕阳

          你所说的曙光究竟是什么意思

          春天,十个海子全部复活 在光明的景色中 嘲笑这一野蛮而悲伤的海子 你这么长久的沉睡到底是为了什么? 春、十の海子は全て復活する この光輝く景色の中 野蛮で嘆きの海子を嘲笑う その長きにわたる眠りはなんのためにある? 春天,十个海子低低地怒吼 围着你和我跳舞、唱歌 扯乱你的黑头发,骑上你飞奔而去,尘土飞扬 你被劈开的疼痛在大地弥漫 春、十の海子は低く怒号を放つ あなたと私を囲って踊り、歌う あなたのその黒い髪を乱し、あなたに乗って飛んでいく、土が風で舞い上がる あなたが劈

          你所说的曙光究竟是什么意思

          予言

          分かりやすく言うとね 祝福と呪いに明確な違いはなくて 蒔かれた種が実るだけのこと 筋書きなんて似たり寄ったりで 同じ演目の繰り返し 「個体差」を付け足したはいいものの 「汎用性」がないとも言い切れない ただ 一つのマスにつき一つというルールなので どちらかを飲み込めば 残った方が腐る仕様で 太陽のあたるところがあれば あたらないところもあるわけで いつもその銃弾を避けようと 身体をねじ伏せているつもりなんだけど 心構えなど持ち合わせやしないのに いつかの日に降りか

          適者生存か、ルート変更か

          環境に適応するか、それとも環境を変更するか という問題がある。 環境に適応できるならそれに越したことはないが、正直言って、「合わない」とはっきり思える、かつ環境を変更することが可能であれば、さっさと環境を変えた方がいい。 その境界線、つまりどこまでが環境に慣れるための「努力」で解決できて、どこまで行ったら「環境そのものの問題」かというのは、個人差と環境差もあるので、ご自身で判断ください、としか言いようがない。迷うのであれば信頼できる家族や友人に相談してほしい。最終決断は

          適者生存か、ルート変更か

          “一种相思,两处闲愁。”

          今日の天気予報は雪。 お昼を食べ終わった頃、町ゆく人が傘をさし始めた。はじまったかと、お店を出た後、近くの公園で何かを待つように少し歩いた。雨のままの雨をぼんやり眺めていたら、休憩時間ぎりぎりになったので、仕方なく小走りで仕事に戻った。 パソコンに文字やらを打ち込みながら、視線を何度も窓に向ける。 降るだろうか。 何度目か分からない窓に向けた眼に、白い空には少し灰がかって見えるぽつぽつが映った。 思わずパッと立ち上がり、窓を勢いよく開け、手を外に差し出す。冷たい結晶

          “一种相思,两处闲愁。”