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私立! 連盟学園の話。

わしは、ほとんど政治の話を、ツイッターではしない。

昔は「ニートが市議会選挙に挑戦する漫画」などを描いていて。
YAHOOの政治コンテンツで「選挙に行こう!」と呼びかけていた。その作品を参考書に、実際に議員になったと連絡くださった方もおり。

ただその頃、20代ながらも(特定の強い政治思想や、推しの政党を作ってこの作品を描いたらダメだな)と思っていたので。
それ以来「フラットになろうとする感覚」を大事にはしている。


まったく売れなかった漫画


ツイッターを見ると、たびたび韓国や中国を叩いて、盛り上がってる人達がいる。気持ちはわかる。わしも日本人だ。

外国からあんだけ日本を悪く言われると、多少カチンとはくる。
自然な感情だ。

さらに、わしみたいな47歳にもなったオジサンが。
まだ生まれる前の、遠い昔の戦時中のことで、叩かれると。
(わしらに言われても困りますぅ…!)とは思うし。

「でも日本には天皇がまだいるじゃないか! 変わってない!」
と怒られると。

(や、少なくとも、もうはだしのゲンの世界観じゃないんだけど…!)
とは言いたくなる。

ただ、わしが外国で生まれていたらどうだろう?
同じように、日本に野次を飛ばしてはいたのではなかろうか。
や、きっと飛ばしてる。

そもそも、わしら日本人だって、外国のことは何も知らないのだ。

子供の頃なんて、中国のイメージと言えば。
香港映画のジャッキーチェンの背景に、ラーメンマンの髪型、そして「中国人はみんな自転車に乗ってる」だけである。おそらく国内の人気テレビ番組で、そういう光景の切り取りだけが流されて、イメージが勝手に強くなったのであろう。




外国の情報がいっぱいネットで入ってくる今でも。

「外国のことは、わかったつもりで、結局わからないよね」
なのは変わらない。

ガイドブックで勉強し、旅に行くたび(やっぱり現地に来てみないと、わからないものだな)と新しい発見にいちいち驚き。帰り道で(実際に住んでみないと、わかりきるのは難しいな)と思うのだ。

外国の人も、日本の明るい平和なカルチャーがいっぱい飛び込んでくる今でも。
それはそれ、これはこれで。
たぶん日本は戦時中と本質はまったく変わってない、怖くてヤバい国のままだ…とは思ってる人も多いのだろう。

それもまた、日本人であるわしの「思い込み」なのかもしれない。

喧嘩は嫌だ。何も前進しない。
仲良くなるには、もっと相手を良く知ろうとする、努力なりムーブなりが必要になってくるのだろうな、と。

どちらかが頑張ればいいってものじゃなく。お互いに。



さて。

昨今の麻雀界隈を賑わしている
「瀬戸熊プロ・誤ツモ疑惑騒動」である。


前髪を誤切断したときの瀬戸熊氏


いろいろ後から出てきた映像や証言により。
現時点では、全体的な声としては「あれは、運悪く誤ツモっぽく見えちゃった、普通のポロリ見せ牌だな」という感じで、納得はされている。

山ですでにこぼれて、図柄がハッキリ見えてしまっていたし。もちろんツモの発声もない。

一連の騒動を例えるなら、こんな感じかしら。
「例え話」だよ。

瀬戸熊少年が、いつもの歩きなれた、登下校の道。
強風が吹いてよろめき、気づいたら目の前に、近くの民家のベランダから飛ばされてきた洗濯物が落ちていた。可愛いイチゴ柄のハンカチである。

それを拾って民家のポストの上に置き、そのまま学校へ向かう瀬戸熊くん。
眺めていたクラスメイトの男子たちも、一連の行動をそばで見ていて、まったく気にしてはいなかった。

しかし!

教室についたら、女子生徒たちが「あいつ変態よ! 女性の洗濯物を広げて、にんまりしてたもん! きっと下着と思って拾ったのよ!」
と、騒ぎ出した。

結果、学校中に噂が広まり。
校長室に呼ばれるくらいの大問題になったのが、今回である。

気づけば下着泥棒扱いである。


パンチラといえば、昭和の少年サンデー


わしもはじめは(もしかしたら瀬戸熊くん、イチゴ柄のハンカチを見て、一瞬パンティ?…と思ってビクッとはしたんじゃねーの?w イチゴ柄=パンティの、少年サンデー読者世代じゃん)くらいは、正直思っていた。

でも実際は、道端に落ちてる時点で、目一杯に布地が広がっており。
あきらかにハンカチだったようだ。間違いようがない。

事情説明も終わり、一件落着。
まわりも「災難だったな瀬戸熊くん、でも実際はどうなの? パンティと思ったんじゃないのw」と、笑って慰めて。

でもまあ、女性の洗濯物をあわてて拾っちゃ駄目だよ、中学生かよ、たまにあんな騒ぎになるから気をつけて…みたいな話をされている中。

噂を聞いた、学校周辺に住んでいる、お父さんお母さん。
地域住民がワイワイ騒ぎ出した。

「俺達は昔の、あの事件を忘れていないぞ!」
「堀内くんの、女子更衣室のぞき・冤罪事件だ!」
「あの時は疑いだけで、無理やり1年停学にさせたのに!」
「瀬戸熊くんは生徒会長だから、お咎めなしか!ずるいぞ!」
「結果、堀内くん、自主退学したんだぞ! 可哀想に!」
9年前と変わってないなあ、この学校はぁあああああ!!」
「校長がいまだ、森山校長だからなあ!」


誰?



9年前の事件が、急に掘り起こされてきたのである。


瀬戸熊くんのパンティ広げた疑惑事件とは、まったく関係ない、大昔の話なのだ。9年前だ。

9年の長さといえば。
俺は仮面ライダーアギトになる!と叫んで小学校に入学してから。
バイト先のお姉さん相手に、童貞を捨てるまでの、かなり長い時間だ。
その頃には、仮面ライダーオーズ/OOOだ。


のぞきが1年停学なら、下着泥棒も1年停学じゃなきゃおかしい!」

父母の皆さんは、なんかすごく怒ってるから、もう理屈がわからない。
まず、下着泥棒はしていない。
犯罪してたかも疑惑と、実はスケベじゃないの疑惑は、全然違う。

もっといえば、比べて語るのに、時代が違いすぎる。
オーズからの、仮面ライダーゼロワンだ。


実際、9年前の生徒の堀内くんが、のぞきをしていたかどうかは、真実はわからない。

おそらくだが、堀内くんは超モテるので、わざわざそんなことはしないはずではある。彼ならばいくらでも見れるのだ、トロフィーのような曲線を描いた、美しい女性の裸を。

そのプレイボーイの実力がある。

ただ男子生徒に日頃、教師から「女子更衣室そばには近づくな! のぞきを疑われる! たとえそれが運動場への近道コースでも! 父母どもがうるさいから、この地域は!」と注意されてたエリアに、うっかり足を踏み入れていたのと

普段は「この時代に、ラジオ体操なんてかったりいな、意味あんのアレ?」とクールでかっこいい堀内くんが
「準備運動に間に合いたくて、どうしても急ぎたくて、熱くなって…!」とめずらしい発言。らしくない。

さらに運が良いのか悪いのか。

更衣室の窓から、着替え中の女性と目があって。
イチゴ柄パンティを見てしまったのである。


まいっちんぐマチコ先生と、あぶないルナ先生は青春

それは9年前に通っていた瀬戸熊くんのお姉さん
直子さんの着替えである。

当時は直子さん、学園の圧倒的なマドンナで、誰もが落としたい美女である。
モテモテの堀内くんも、この直子さんを落とせばみんなから最強のプレイボーイだと一目置かれるような、そんなアイドルであった。

なのでより疑われてしまった。おまえ無茶しやがったなと。
あいつ、直子のパンツ見やがったと。許せねえ、と。

なんだかんだ、歴史があったせいで。
これは何かの因縁だ!と、さらに騒ぎが盛り上がってしまったのである。

わかる。
正直、めっちゃ展開が面白い!

この学校で長年、用務員をやっているウヒョ助おじさんも眺めて、ワクワクしてしもうた。これは町をあげての、大騒ぎになるぞと。

結果、瀬戸熊くんには

「今度、少しでも女性に嫌われそうなことやったら、停学だからな! 学校の新聞でも大きく取り上げてやる。生徒会長だろうが関係ねえ。
イエローカードのとんでもねえスケベ野郎だっ!

という処分が与えられた。

これは、めちゃくちゃ恥ずかしい。


今まで、後輩たちに

「規律を乱し、町の人たちに指をさされるような、かっこ悪いことはするな! この連盟学園の生徒として、恥じるようなことはせず、堂々と胸を張って町を歩ける生徒になれ! おい猿川!聞いてるのか!

とスピーチしていた、生徒会長がである。

女性のハンカチを拾っただけなのに。
停学リーチ云々の前に、もうイエローカードがキツすぎる。
まるで父母たちを、なだめるための、晒し刑である。


父母の一部の、落ち着いた人は

「あのですな…9年前の事件と…これ、関係なくないかね?」

と、すごく当たり前の発言をして、たしなめているのだが。


困ったのは、怒ってる両親たちの声を聞いて
「連盟学園って、エリート高だろ? いけすかねえな!」
と日頃思ってる、若者世代のヤンキーたちである。

「噂じゃ森山校長っていう、やべえ高圧的なジジイがいるんだろ?」
「俺も母ちゃんからも、森山って名前よく聞いたぜ!」
「うちの中学にも、そういう教師いたなあ。気に食わねえ」
「堀内くんって、すごいおとなしくて良い子だったんだろ?」

…いやいや。
堀内くん、けっこう元気のいい、イケメンヤンチャっ子じゃ。
そこそこ教師には、嫌われるだろうな、と。
でも勝又くんだって、伝説のたかはる番長だって、強い人はそんなもの。


たかはるが「あいつは鳥串のようにトガッてた」と唸った、若き日の勝又


  • しかし、9年前をまったく知らない若者がなぜか、すごく怒ってるのである。実際は、怒ってるふりの、発散目的のノリの子も多い。

  • 親御さんから、まるで「反・日本プロ麻雀連盟教育」を受けて育ったかのように怒っているのである。もう親世代から「ネット麻雀学習法」と「反連盟教育」をこれでもかと叩き込まれているので「連盟は悪!」が揺るがないくらい、強い背骨になっているのである。


天鳳 六段、七段、元七段、八段

ただなああああああああああああああああ!!

用務員のウヒョ助おじさんから言えるのは。

「9年前とこの学校、全然違うぞお」
校長もお歳なのか、だいぶ丸くなって、あんまり出てこないぞ
「けっこうなスパルタ教育高が、今はオープンな明るい進学高だぞ」
学園祭とか、ちょっとまずは眺めに来てみたら? 想像と違うよ」

なのである。

外国の人が日本をよく知らないまま。youtubeでアニメのカルチャーだけは楽しみつつも。天皇がいるから仕組みは変わってないはずだ。若者たちにも、日本には憧れるな、あいつらは悪だと教えなくちゃ

…と同じような感じで。

ネット麻雀育ちの若い子が、現在の連盟をよく知らないまま。魚谷さんの麻雀だけは楽しみつつも。会長がいるから変わってないはずだ、若い学生にも、麻雀プロなんて憧れるな、連盟は悪だと教えなくちゃ

…の空気が、この麻雀界隈では根強く残っているし。
争わせようというムーブは今後も続くのであろうと。

でもなあ。

「ちょっと喧嘩相手をもう少し知ってみようか」という気持ちで、完全なシャットアウトをやめて。
ベルリンの壁を越えて、のぞいてみたらどうじゃろう?

いまだ軍国主義の古い世界があるかと思ったら。
そこは完全に明るく華やかなで、自由な西欧。
聞いたことのない、胸を打つロックが流れているかもしれない。


少なくとも(連盟、思っていたのとは違うな)という感想は持つはずですよ。麻雀ファンに迷惑かけること以外については(表現の自由!)しかないですよ。

なので、連盟チャンネルの無料放送などを、チラ見するくらいから始めてみてはどうじゃろう? 空気くらいは伝わるかなと。

…とは、ウヒョ助おじさん思うのである。


わしが好きな映像で
「小さな留学生」というドキュメント作品があり。

中国人の家族が、仕事で日本に移住してくる。
そこの家族の、小さい女の子は
「日本は怖い国だ」と教えられてきた小学生。
転校した日本の小学校。挨拶の時点で、もう怖くて涙ぐんでいる。




しかし言葉もわからない外国人に
まわりの日本人は、意外にも、とても優しくて。
女の子は、聞いていたイメージと、ずいぶん違う国だということを知っていく。

友だちもできて、どんどん言葉も覚えて、どんどん日本を知っていく。
頭が良くて意欲も高い子だったので、すぐに群を抜く優等生に。
しかし数年後、中国にまた帰ることになる。

中国に帰ると、友達が集まって、日本についていっぱいたずねてくる。

「日本の小学校で、幹部(学級委員長)になれた?

お勉強の成績で、日本人に勝てたのかと。
女の子はこう答える

「いいえ、日本は違うの。
 もし幹部になりたかったら、手を挙げればいいの」


これは驚くことに、ネットも盛んでない時代に、中国の人が作った番組で。
長く取材を続けて。そして中国で放映されて。
「おい、日本が全然怖いイメージと違うぞ」とあちらでザワザワされて。

あちらから先に歩み寄られて、こちらは少し情けない。

こんな小さい女の子でも、自分の目で確かめたのだから。
大人のきみたちも、ぜび、小さな歩み寄りから。


ご機嫌がよろしい時、気分で小銭を投げていただくと嬉しいです。ただあまり気はつかわず、気楽に読んでくださいませませ。読まれるだけで感謝です。