バケットリスト

 道徳のような授業を担当している。小中の頃は何の疑問も持たずに受けてきたんだけど、教える立場から客観的に見るようになって、ぶっちゃけて言うとこの教科というか言葉があんまり好きじゃなくなった。

 道徳っていう不確かなものを教えるってのは難しい。結局パターン化されたものでしか例を示せないので、普段の授業や学校生活の中から社会について知って身につくものなんじゃないかなと先生の立場からは思う。道徳のような、という書き方をしたのは分類するとそういう風にしか捉えられないからで、実際の内容は答えがないものを探し、考える授業である。仕事、生と死、自然、選択、生き物、自分、他者。それぞれに意味を見出そうとする。その行動に意味を持たせようとする。そういう授業。

 その授業の中で「最高の人生の見つけ方(原題:The Bucket List)」を見る機会があった。その中に出てくる「バケットリスト(生きているうちに自分がやりたいことを書き出したリスト)」を生徒たちと一緒に作ってみた。

 何度目かになるんだけど、毎回自分のリストが違ってくるから面白い。歳をとる変化、これもまた生きるということ。26歳で初めて作ったリストには夢と希望、そして若さが溢れていた。28歳の時には、願望が強く出ていた。30歳になると少し落ち着いて周りの人を気にしていた。32歳では、コロナの苦しみが表れていた。そして34歳になった今は、もっともっと先のことを意識するようになっていた。これからこうなりたい、それがどう転ぶかは分からないけど、自分なりの最高の人生を作っていきたいな。

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