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【バイク】ベスパに乗って佐倉の旅

 天気の良い休日はベスパに乗って出かけよう。

 今回の目的地は千葉県の「佐倉」。

 川村美術館で「芸術家たちの南仏」展をやっている。

 佐倉ふるさと広場の風車では、チューリップが咲いているという。

 千葉県に居ながらにして、イタリアのスクーターに乗って「南仏の芸術めぐり」と「オランダ風車」を見に行こうと壮大な計画。まさに週末・欧州満喫の旅である。


1.川村美術館はどこ?


 バイクの旅は、クルマと違って「カーナビ」がない。

 だから、地図とスマホで下調べをした後、ある意味、直感を頼りにバイクをすすめなくてはならない。

 東関東自動車道で佐倉インター下車、さて、ここから川村美術館はどう行くのか?

「歴博」の案内看板があったので、まずは、そこに目指す。佐倉名物の「歴史博物館」が目印にすれば、その先に「DIC川村美術館」があるはず。

 インターを降りて公道をしばらく進むと、「白いバス」を発見。

 なんと「川村記念美術館と佐倉駅を結ぶシャトルバス」ではないか…。

 このバスについていけば、いちいちスマホで所在地を調べなくても、目的地についていける。愛車のグレーのベスパが、まるで、金魚のフンのように「シャトルバス」の後追いをする。運転手さんも、さぞや迷惑だったかもしれない。

 バスは、いったんJR佐倉駅のロータリーに入り、そこで、乗客を迎え、再び出発。すでにバスに客がいたのは、京成佐倉からの乗客か?なんだか佐倉インターに戻ったので、私のバイク運転は、目的地とはまったく逆だった。シャトルバスに出くわしたのは、運がいいしかいいようがない。

 美術館は、マイカー駐車が多く、守衛さんがテキパキと交通整理。

 バイク駐輪場に留めて、川村美術館へ。


白いバスに引かれて川村美術館へ

 入り口近くのレストランは、本日、予約完売なので、ランチが入れない。

 まずは美術館、常設展から。

 モネ、ルノワール、レンブラントからウォーホールまで。

 美術の教科書に出てくるような巨匠の手による作品のオンパレードに圧倒される。

 そして、企画展の「芸術家たちの南仏展」へ。

 私は南仏(南フランス)には、こだわりがある。 

 なにしろ大好きなローリング・ストーンズのアルバム「メインストリートのならず者」が収録されたスタジオがあったのが、南仏にあったキースの別荘「ヴィラ・ネルコート」。千葉県を愛する私には、南房総や九十九里を「南仏」に見立てて、将来、ワーケーションを夢見ている。そんなヒントになればいいな、なんて思い、佐倉の川村美術館で「南仏展」をやると聞いて、居ても立ってもいられなかった。

 ピカソ、シャガール、そして、マティス。

 南仏を舞台にした刺激的な画家達の交流の一端を垣間見ることができた。

 天気の良い日。美術館に併設された散歩道。つづじの花、藤の花が満開。

 美術館へ来たのに、ちょっとしたトレッキング気分。

 ムーアの像が立つ広場では、家族連れが、青空の下、レジャーマットを引いてまどろんだり、鬼ごっこをして遊んでいた。

 川村美術館は、そんな家族揃ってのちょっとしたレジャーの穴場である。 

 私企業(大日本インキ)さんの施設ということもあって、きちんと清掃が行き届いているので、ベンチに腰を下ろすだけでも気持ちがいい。

 キッチンカーもバーガーとカフェの2台、設置されていた。

 併設レストランが予約でいっぱいなので、こうしたワゴンを利用するのも良いかもしれない。

ムーア作品が見守る「緑の広場」

 2.オランダ風車はどこ?

 ベスパに乗ってあてのない旅に出た。

 南仏(川村美術館)の次に目指したのは、オランダ風車。

 京成本線で、成田方面へ行くと、佐倉駅の手前に車窓から見える。

 だから京成沿線の道路を走れば、オランダ風車にたどり着けるはず…。

 ところが、川村美術館自体の所在がよくわからない。何も土地感覚のないまま、シャトルバスを追いかけて、ここまで来た。困った事に、京成の線路がどこに出てくるのかわからない。スマホの地図によれば、まずはJR総武本線を超えなくてはならない。

 道路標識に「四街道駅」の指示が出てたので、そちらを目指す。

 四街道市と佐倉市の境界線をいったりきたり。私は、ラーメン屋があちこちで目についたが、ダンデムのパートナーは「イタリア料理屋」が気になったと言っていた。

 お互い、好みの違いを反映した。

 成田街道に出て、京成線路に出た。
 広い畑の向こうに「風車塔」が見えた。

 佐倉のオランダ風車は、正確には「佐倉ふるさと広場」という。

 残念ながらチューリップ満開という風景ではなかったが、休日ともあって、屋台が所せましと出店していた。

 私たちは、広場の売店で、コーヒーを頂く。

 すぐ近くに京成電車が行き交う。
 田園風景の中を走るステンレスの京成電車。

 京成ファンにとっては、なんともいえないジオラマが広がっている。

オランダ風車売店・コーヒー150円

 3.旅の終わりは「うなぎ」


 「印旛沼の近くに美味しい『うなぎ屋』がある」

 そんな情報を小耳にはさんだのは、いつのことだっただろう。

 予定では、川村美術館のレストランでランチを考えていたものの、予約でいっぱいで入れなかった。昼のことを考えていたものの、スマホで調べたら、名物の「うなぎ屋」が、佐倉ふるさと公園から車で6分のところにある。

 さっそく印旛沼脇の田園道路をベスパで飛ばす。

 到着した店は「川ばた園」という。

 すでに13時過ぎ。交通アクセスが良いとはいえない場所であるにも関わらず、盛況していた。さっそく我々は、「うな重・竹」を注文。

 甘辛のタレを染み込んだ「うな重」は、格別そのもの。


うな重(竹)3,500円

美術館で南仏、風車広場でオランダの空想の旅をしたけれども、やはり日本人ならば、日本の食文化で旅の最期を締めたい。

 日本酒やビールのメニューも充実していて、昼間から「いい感じ」で出来上がっているお客さんたちが、楽しそうに語らっていた。

 タタミ部屋に、椅子とテーブルがあり、窓の向こうに印旛沼が広がる。


 こういう店は、ずっと残ってもらいたい。


川ばた園での前で

 4.おまけ

 帰りは、高速道路ではなく一般道路を利用。

 途中、「道の駅・やちよ」により、うなぎで肥えた「甘辛い味覚」に、ソフトクリームで和ませた。やはりバイクのツーリングは、当初から計画どおりにはいかない。そこがまた面白い。

 佐倉へ川村美術館とオランダ風車を見に行くツーリングを企画したとき、まさか「うな重」なんて食べるとは考えもしなかった。

 ベスパでめぐる千葉の旅。

 これからも、いろんなところへ出かけて、いろいろな出会いをしたい。

南仏、オランダ、日本を「ゆるく巡るツーリング」

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