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【鉄道】誕生日には開運号に乗って

「せめてスカイライナーが青砥か船橋に止まってくれたら、Kちゃんを乗せてあげられるのにね…」
東中山駅でスカイライナーの通過の間、おばあちゃんがよく言っていた。
市川にある祖父母の家。京成電車に乗るのが何よりも楽しみだった。
当時、スカイライナーは「上野と成田空港」をノンストップ。
祖父母へ帰省に際して、スカイライナーに乗るのは「夢のまた夢」。
普通電車を、猛スピードで追い抜いていく。
アイボリーと栗毛色の「スカイライナー号」。
いつかこれに乗りたいと思っていた。
あれから50年…。
スカイライナーは2024年で誕生50周年。
1月の休日には、船橋にもスカイライナーが止まるようになった。
私の誕生日には、この列車に乗りたい。
そして、ライオンズ・デン(レストラン)の「パフェ」を食べたい。
50代になって、誕生日には「やりたいことをやる」のがモットーの私。
だから今年の誕生日はスカイライナーに乗って、成田詣でに出掛けた。

シティライナー「成田山開運号」


1.成田羊羹(ようかん)資料館

京成スカイライナー。1月の休日だけは「シティライナー」と称して、成田山の参拝列車を運行。
「成田山開運号」なんて別称がついている。
船橋市民にとっては、どうしても「スカイライナー」に乗りたければ、通勤時間の「モーニング・イブニングライナー」に乗って、上野まで行くことができる。
けれども、船橋から上野までは「あっけない旅」である。
所要時間は、変わらないとはいえ、せっかく「有料特急」に乗るからには、上野ではなく成田を目指したい。
だから「開運号」の運転はありがたい。
奇しくも1月生まれの私。自分のご褒美に「開運号」に乗って、成田の小さな旅に出発した…。
午前10時前に成田到着。
1月とはいえ、まだ早い時間なので成田山に向かう参道は混んでいない。
「なごみの米屋」の本店に入る。
奥には「成田羊羹(ようかん)資料館」があった。
入場無料ということもあって入館。ここが予想外に面白かった。
創業者(?)による「長寿の法則」は、身の引き締まる金言の数々。
とくに「趣味をもつこと」「生きがいをもつこと」という言葉は、私のために投げかけているようで、まさに、今回の「成田詣で」にはうてっつけ。
資料館では「羊羹おみくじ」が1回100円で挑戦できる。
同行の妻が私のためにチャレンジ。
恵比寿さま、大黒さまの縁起が良さそうなパッケージに、おみくじと、「ごまのようかん」が3個入っている。
これは、かなりおトクな内容。
そして、おみくじは「中吉」だった。
とくに「旅行 大いに実施すべし」という言葉は、なんだか自分の挑戦を後押ししてくれているようで、とても心強い。

成田羊羹(ようかん)資料館


資料館での「おみくじ羊羹」


2.絶滅危惧種の「直球パフェ」

「なごみの米屋」を出ると、向かいのカバン屋さんが「閉店セール」をやっていた。
「ご主人、ウチはどれも3,980円だよ、ちょっと見てってよ」
遠目でカバンを観ていた私たちに、店のおじさんが声をかけてきた。
たしかに「カバン」は、出かける前から、ずっと気になっていた。
これも何かの「ご縁」かもしれない。
まさか、成田山の初詣でカバンを買うとは思わなかった。
心機一転、新しい年で、自分も歳も重ねたので、ちょっと会社用のカバンを変えて、気分を高めよう。
あれやこれやと、いろんなタイプのバッグを吟味。
ベージュ色のリュックタイプのカバンを「破格の」閉店セール値段で購入。
「羊羹資料館」「カバン屋さん」と、予想外の展開に良い時間になった。
お昼どきとあって、まずは、腹ごしらえ。
本日の「お目当て」である、レストランバー「ライオンズ・デン」へ行く。
白亜の建物に「赤いトビラ」が映える。
休日にも関わらず「平日ランチ」がやっていて嬉しい。
大好きな「ハンバーグステーキ」
そして、もはや、あまりお目にかかる事のない「チョコレートパフェ」
パフェ好きということではないのだが、五日市街道の喫茶店「くすの木」が閉店してからは、無償にチョコレートパフェが食べたくなるときがある。
「くすの木」といい「ライオンズ・デン」といい、昭和レトロを彷彿させる直球のパフェ。もはや絶滅危惧種といっていい。
私のイメージどおりのパフェを出してくれる現存する店は、私の知る限り、成田の「ライオンズ・デン」だけである。
うなぎ屋が大盛況な一方、ここのレストランは、やや店内は寂しく感じる。
いつまでも商売を続けてもらいたい。
応援する意味でも、今回のアニバーサリーランチは「うなぎ」ではなく、あえて「ハンバーグとパフェ」にこだわってみた。
古き良き昭和の文化の継承を心から願う。

おススメの「成田メシ」はココ
絶滅危惧種「直球すぎるパフェ」

3.成田山には京成で…

2024年の初詣は「成田山新勝寺」。
本堂で参拝を待つと女性の歌声による「おごそかな曲」が流れて来た。
すると住職一行が本堂に向かう。
「ご祈祷」の時間であった。
「お寺に最高位の住職に会うのは幸運なことなんだよ」
同行の妻がそう教えてくれた。
彼女は、ご祈祷に向かう住職一行の列を拝見することがで出来たことにとても感謝していた。
そういう気持ちは大切だと思う。
参拝のあとは、記念に「御朱印」を購入。
最近多い「書き置き」式。
ありがたく収めていただいた。
帰りの「開運号」は、成田発13時51分。
ハンバーグとパフェを食べたし、お気に入りのカバンも買えた。
成田山で初詣を参拝し、ありがたい住職一行にも拝観できた。
そして、行きも帰りも「スカイライナー」に乗った。
こんな幸せな誕生日があるだろうか…。
2024年も始まったばかり。
今年も「良い年」でありますように…。
またひとつ「歳を重ねた」50代の鉄道少年は、そう思った。
「おばあちゃん、またひとつ夢を叶えたよ…」

スカイライナーも私も「歳を重ねる」
K少年の夢はスカイライナーに乗ること…









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