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「アンヘルハント」企画書

■キャッチコピー

悪魔と呼ばれる天使殺しの少年と、記憶をなくした天使の少年の凹凸バディが、天使を狩る!


■あらすじ

人を安楽死に追いやる、天使ウイルスが蔓延した世界。天使ウイルスは、人の精神を侵し、特異的に人間の身体を天使へと変えてしまう。その奇妙な病気は『天使病』と名付けられた。
そんな『天使病』を治せるのは、人の精神に潜り込める特殊な能力を持った”スローター”と呼ばれる者たちだけで――……

ヒーローに憧れる少年・有栖ユヅキはある日、天使になったばかりの少年・ミカヅキと出会う。何の力も持たないユヅキは、ミカヅキの力を借りることで患者の精神世界に入り、二人で力を合わせれば天使を殺すことが出来るように。
その後、ユヅキは、ミカヅキに相棒宣言するが、二人の性格は真逆で、とても相性がいいとはえなくて……?


■第1話のストーリー

 天使、それは死の象徴。
 天使は人間を安楽死に導く存在。 天使はウイルスだ。天使ウイルスに感染した人間は永い眠りにつく。夢の中では苦しみも悲しみもない、幸せな気持ちで満たされる。だが、現実世界では身体の天使化が進み、その激痛に耐えきれなくなった身体は朽ちる。だが稀にそのまま天使へと変異する人間も存在する。
 真っ白な羽に、真っ白な皮膚、髪……名前と過去を忘れ第二の生を授かる――



 駅のプラットホームで一人の女性が泣いている。その悲しみの泣き声に導かれるように一人の天使が女性に歩み寄る。天使が慈悲の微笑みで女性に手を伸ばした瞬間、天使の腕に手錠がかけられる。

「引っかかったな、天使!」

 女性らしい黒髪のかつらを脱ぎ捨て、赤髪の少年・有栖ユヅキは歓喜の声を上げる。
 捕らえられた少年の天使は逃げようとしたが、ユヅキは自分の手首に天使と繋がっている手錠をかける。天使を捕まえるとお金がもらえる。だが、その天使は珍しい自我もちということを知る。
 
 この天使をどうするべきかと公園で考えていると、母親が『天使病』にかかったという少女が助けを求めてくる。ユヅキは天使を連れてその母親のもとへ。自分は治療が出来ない一般人。笑顔を浮かべ苦しむ少女の母親を見て、隣にいた天使が言う。

「この母親を助ける代わりに、僕を開放しろ。そしたら力を貸してやる」

 天使は”スローター”と同じ力を持っている。ユヅキはしぶしぶ了承し、天使の少年と母親の精神に潜り込むことに。
 精神世界での天使は凶暴で、入り込んできたユヅキに攻撃を仕掛ける。精神世界での戦い方を知らないユヅキはコテンパンにされる。それを高みの見物する少年の天使。それでも諦めないユヅキを見て、少年の天使は彼に力を貸す。少年がユヅキの手を握った瞬間、少年の身体は剣に変化する。ユヅキはなんとかその剣で母親に感染していた天使を倒す。
 現実世界に戻ってきたユヅキは初めて天使を倒した快感に震えていた。そして、力を貸してくれた少年の手を握る。

「俺の相棒になってくれ。そんで、俺とたくさん天使を殺して、ヒーローになろう」

 ユヅキの単純さと、まっすぐな目を見て心動かされた天使の少年は、また条件を出す。

「いいよ。でも、その代わり僕の記憶を取り戻す手伝いをしてくれ」

 天使になり名前を忘れてしまったその少年に、ユヅキは”ミカヅキ”と名を与え二人は天使を殺すために相棒となる。


■第2話以降のストーリー

 天使ウイルスに感染する患者は自身の「死」を望むもの。「死」の香りに引き寄せられ、天使は人間の精神に寄生し、『天使病』に感染させる。「死」を望んだ人間は安楽死を手に入れられる。それでも、その人に生きてほしいと願っている人がいて”スローター”に治療を頼む――

”スローター”とは、天使を殺し、『天使病』を治療出来る特殊な能力を持ったもののこと。
”スローター”には主に二つの種類が存在する。
精神世界に入り天使ウイルスを駆逐するもの。そして、精神世界に入った”スローター”が現実世界に戻ってこれるように、患者と”スローター”の手を握り、精神世界と現実世界をつなぐもの。『天使病』の治療は、基本二人で行われる。
また、精神世界で死んだ”スローター”は現実世界でも死亡する。



 ユヅキの知り合いに”スローター”がいると、ユヅキはミカヅキを連れてとある施設に行く。そこは正式に登録されている”スローター”たちが働く、第八支部。ユヅキは第八支部の支部長と知り合いだった。
 ミカヅキは第八支部に来て肩身の狭い思いをする。それは、第八支部の”スローター”は過去に天使に大切な人を殺された、天使に恨みを持つ人間ばかりだったからだ。
 そんな第八支部にユヅキが、ミカヅキを連れ来てたので、門前払いされる。支部長のお気に入りであるユヅキには”スローター”の才能がないことは第八支部のみんなが知っていることだった。

 ユヅキの必死な説得により、支部に通してもらい、ミカヅキは処分されずに済んだ。だが、”スローター”として二人は認めらなかった。そこで、”スローター”になるために支部長から条件を出される。その条件は、二人で一週間に『天使病』の患者を三人治療できれば支部に正式に迎えられるというもの。
 乗り気のユヅキと、めんどくさげなミカヅキ。ミカヅキの目的はあくまで、天使になる前の自分の記憶を取り戻すこと。居心地の悪い支部にもいたくない。そして何より、ヒーロー気取りのユヅキとは馬が合わなかった。ミカヅキは一日目にしてユヅキのもとから去ってしまう。

 その後三日ほど一人で『天使病』の患者を探し続けるユヅキ。そしてユヅキはとある病院の隠し扉の向こうで、今にも死にそうな『天使病』の多数の患者を見つけてしまう。何処からか瀕死の『天使病』患者を連れてき、人体実験・研究をしていることも明らかになる。
 一人では対処できないため、第八支部に応援要請をし、来てもらうが、精神世界に潜り込んだ”スローター”たちはなかなか現実世界に戻ってこなくて……?

 ユヅキの目の前で一人の”スローター”が息絶えた。目には見えない戦場がそこにある。そんな時、ミカヅキが遅れてやってくる。ミカヅキはユヅキに現実を教える。

「天使は精神世界では凶暴だ。人を殺す。憧れのヒーローはいつも死と隣り合わせだ」

 それでも、戦うのかとミカヅキはユヅキに問う。ユヅキはそこで誰かを助けるヒーローではなく、母親を殺し、家庭を崩壊させた天使をこの世から抹殺することを目的に生きてきたと彼に話す。
「ダークヒーローだな」とミカヅキは吐き捨て、ユヅキとともに患者の精神世界に入り込む。しかし、入り込んだ精神世界はその場にいた患者五人の精神が入り混じった場所で、天使の大群が”スローター”を追い詰めていた。



 その後も、衝突し、時に認め合い、お互いを理解しあいながら凹凸バディは『天使病』の患者を治療し続けてきた。
 そんな中、とある事情で第八支部に移動になったエリート”スローター”・白兎ネガウに一目ぼれするユヅキ。ネガウにでれでれになるユヅキに対し、ミカヅキは冷たい目で彼らを見ていた。だがどうやら、ネガウはミカヅキに興味があるようで……まさかの、三角関係に⁉
 ユヅキの成長、ミカヅキが天使になった死にたいほどの理由、ネガウの正体、明らかになっていく天使ウイルスの謎。陰で暗躍する『天使病』、および天使をあがめる宗教団体の存在。そして、”スローター”たちは戦いの中で真相に近づいていき――……?





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