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「君と僕のデスゲーム脱落契約」企画書

■キャッチコピー

某チャンネルの洒落怖を模したデスゲームで二人の少年は生き残るため、死に場所を求めて契約を結ぶ!!

■あらすじ

月城美冬つきしろそなたは、どこにでもいる高校二年生……ではなく、過去3回のデスゲームをクリアした帰還者。デスゲームで死ぬことを目的に生きてきた。
陽樹千春はるきちはるは、友人が多く充実した毎日を送る高校二年生。幸せな日々が続けばいいと思う反面、刺激のある非日常に憧れ生きてきた。
ある日、千春が深夜零時目が覚めると電車の中にいた。乗車していた一人がとある駅で降りると、窓に真っ赤な血が飛び散る。
状況が呑み込めず、パニックになる中、美冬だけは冷静に「これはデスゲームだ」と言い切って――?

美冬は死に場所を求めて、千春は生存をかけて。七つのゲームをクリアするべく、「デスゲーム脱落契約」を結ぶ。


■第1話のストーリー

 窓際でスマホをかまってため息をついている月城美冬つきしろそなた。教室では陽樹千春はるきちはるを中心に会話が盛り上がっている。いつもの日常。だが、真逆な二人はどこか退屈を感じていた。
 その夜、千春は何気なしにに某チャンネルを覗く。そこには『デスゲームに巻き込まれたんだが、どうすれば生き残れるか』というスレが立ち上がっていた。千春は興味本位にそのスレを追っていたが睡魔に襲われ、寝落ちてしまう。

 カチンと秒針が深夜零時を指し、千春は目が覚める。するとそこは、自身が寝ていた部屋ではなく赤い電気に照らされた電車の車内のようだった。見渡すと、他にも何人か人がいる。年齢は様々だ。状況が呑み込めずパニックに陥る車内。すると、「次はやみ駅、次はやみ駅~」と車内アナウンスが流れる。一刻も早く下車したいと一人の男が駅で降りると、次の瞬間ものすごい勢いで扉が閉まり、窓には大量の血が飛び散った。悲鳴が上がる車内。そんな中、一人冷静に美冬が言葉を放つ。

「正しい駅で降りなきゃ死ぬぞ。これは、デスゲームだ」

 そこで、千春は美冬の存在を認知する。同じクラスだったよな、と話しかけるが美冬は興味がない様子。また、「デスゲームだ」といわれ理解が追いつかない参加者。美冬は説明をしない。そうしているうちに次のアナウンスが流れる「次はきさらぎ駅、次はきさらぎ駅」。美冬は立ち上がりまた言い放った。

「死にたくない奴だけついてこい。生き残れるかは知らねえけど」

 美冬はそのまま次の駅で下車した。千春は戸惑いながらも美冬の後を追って下車する。同じように下車するものもいたが、どうなるかわからないと車内に残った人もいた。千春が説得して降りさせようとしたが扉が閉まり、今度は車内が真っ赤に染まり電車は走り去ってしまった。
 美冬に状況を説明しろ、という千春。美冬はそれにも冷たく「ゲームが始まるからスマホを見ろ」という。各スマホにはランダムに数字が写し出されていた。美冬はゲームの最中はその番号で呼ぶようにという。
 さらに意味が分からないと混乱する千春。そして、線路の方から鈴や太鼓の音が聞こえてきてくる。美冬は線路に降り、音のしない方へ走っていく。千春やほかの参加者も線路に降り彼の後を続こうとするが、参加者の一人が闇にひきづりこまれ絶命する。

第一ゲーム”きさらぎ駅”___開始。
クリア条件は、”現実世界に生還すること”。


■第2話以降のストーリー

 第一のゲーム”きさらぎ駅”が始まり、ただひたすらに千春は線路の上を走っていた。
 美冬は参加者のことなど無視してトンネルに滑り込む。線路上で、トンネルの中で、見えない敵に襲われ次々と死亡していく参加者。千春は運よくトンネルを抜けることが出来、トンネルの先で待っていた母親に出会う。母親の車に乗り込んだ千春、しかし、母親の様子が変だと気付いた千春は車内から逃げ出そうとする。だが、扉が開かず母親の運転は怪しくなり、不気味な笑い声を発し始める。そこで、車の窓ガラスを割って車内に美冬が乗り込んでくる。千春はそこで、母親はとっくの昔に死んでいたことを思い出す。
 千春は美冬になぜ助けてくれたのかと問うたが、美冬は教えてはくれなかった。
 美冬は母親を蹴落とし、車を奪う。異形の化け物となった母親を振りほどき「現実世界への入り口」と書かれた看板を跳ね飛ばし、二人は現実世界へと帰還する。第一のゲームクリア。



 千春は目が覚めると自分の部屋にいた。いつも通り学校に行くと、美冬に呼び出される。ちょうど、千春も話しかけようか迷っていたところだった。千春は友達が多い陽キャだが、美冬は友達がいない陰キャ。性格も真逆で会話したこともほとんどなかった。
 そんな二人は屋上にいき、千春は、美冬からゲームのことについて聞かされる。

 デスゲームに巻き込まれた参加者は、七つのゲームをクリアするまでデスゲームを続けなければならないこと。クリア以外は死。
 また、デスゲームがいつ行われるかわからない。ただし、決まって深夜零時(曜日は不明)。不思議と目が覚めるタイミングがあり、それがゲーム開始の合図。巻き込まれた参加者の共通点は不明。ゲームが異界で行われるか、現実世界なのかもわからない。クリア条件は、ゲームによって提示されるか、されないか変わってくる。
 そして、このデスゲームにはいくつかのルールがあると、美冬は千春に教える。

  1. デスゲーム中は、端末(スマホやタブレット)に表示された数字で互いのことを呼びあうこと。数字にちなんだ名前はOK(39→みくなど)

  2. 七つのゲームをクリアするまでデスゲームは終わらないこと。ただし、参加者はいつも同じではない。

  3. ゲーム中は、各自の端末から掲示板にアクセスでき、そこで連絡を取り合うことが出来ること。

  4. ゲーム中自ら命を絶つことはできないこと。

 美冬は、過去に三度デスゲームに巻き込まれたことを告白する。そして自らがデスゲームからの帰還者であるとも伝える。千春が、これから行われるゲームについて知っているのかと問うと、ゲームは毎回同じではないため、すべて助言はできないと返す。困惑する千春。自分がこれからもデスゲームに巻き込まれ続けることに絶望する中、美冬が千春にある提案をする。

「お前をデスゲーム中守り、クリアさせる代わりに、僕を殺してくれ」

と。美冬は詳しい理由は教えてくれなかったが、デスゲームの中で死ぬことを強く望んでいた。ルール上自殺が出来ず、かといってゲームの中で敵に殺されるのはごめんだというのだ。なお、デスゲームに巻き込まれた人間は、現実世界で自殺しようと思っても必ず失敗してしまうというのだ。また、美冬は頑にデスゲーム上で殺されることを望んでいた。
 訳の分からない話をする美冬のことを、千春は理解できなかった。だが、ゲームをクリアするために、千春は美冬と「デスゲーム脱落契約」を結ぶことに。



 その一週間後、千春は深夜零時に目が覚める。

 第二ゲーム”八尺様”開始__クリア条件は”一日耐えること”。

 参加者は全員、若い男だった。千春はその中から美冬を見つけ、二人でゲームのクリアを目指すことになるが、「ぽぽぽ」と怪しげな声とともに、あたりが暗くなり、いきなり二人ははぐれてしまう。
 予測不可能な事態。そして、暗闇の中から美冬の声がする。だが、掲示板には「声を信じるな」と書かれていた。あたりは暗闇、自分を中心に発光する光は直径三メートルしか届かない。暗闇の中には地蔵と、淡く緑色に光る正方形のマスが。暗闇の中では絶えずぽぽぽ……と声が響いていている。
 掲示板に書き込まれる、八尺様目撃情報。ゲームクリアのカギと思しきヒント。千春はまず、暗闇の中美冬と合流することを目標に、第二ゲームクリアを目指すのだが……?

 何故、美冬はゲームの中で死にたいのか。
 美冬のいないゲーム、同じくデスゲームに巻き込まれた千春の幼馴染の少女・夕凪秋ゆうなぎしゅう。ゲームはクリアするごとに難易度を増していくばかりで……はたして、千春は無事に理不尽なデスゲームをクリアできるのか。
 そして、七つのゲームをクリアした先に待ち構える悲劇とは――?


#週刊少年マガジン原作大賞  #企画書部門

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