新たな扉を開いてくれたゾンビコメディ

最近になって自分の好みのジャンルが分かってきた。
コメディ、アクション、サスペンス(展開が遅いものは苦手)、刑事もの辺りだろうか。まるっきり男が好きそうなジャンルそのままで面白味もないがそこは仕方ない。

だが昔は絶対NGだったスプラッターホラーなんかも最近は目をつむって耳を塞いでいれば耐えられるようになってきた。「ホステル」、「タッカーとデイル」(コメディやけど)なんかは本当にお気に入りだ。いつか書きたい。

何故そういったグロいジャンルも見られるようになってきたのかというと、一つは単に年をとって少々の映像なら「作り物だ!CGだ!本当は誰も死んでない!」と思えるようになったのと、もう一つはズバリ「ゾンビもの」のおかげだろう。

有名だからととりあえず見始めた「ウォーキング・デッド」に深々とはまり、Netflixで当時公開されていた全シーズンを家にいる時間のほぼ全てを費やして見まくった。
お気に入りのキャラがお亡くなりになった際は(亡くなってからお気に入りだったと気づいた)死に方が酷かったことも手伝って1週間ぐらいは軽い鬱状態だった。それぐらいはまっていた。

そんなゾンビものでウォーキング・デッドに比肩するほど大好きなのが「サンタクラリータ・ダイエット」というゾンビコメディだ。

いまだにシーズン3で打ち切りになったことには納得していない。

サンタ・クラリタに住むごく普通の親子3人。しかしある日突然、大量のゲロの後、奥様はいやにポジティブな性格のゾンビになってしまう。

ゾンビなのでもちろん通常の食事はのどを通らず、食べることができるのは人の肉のみ。
戸惑う夫だったが愛する妻との生活を何とか続けるため、妻の食事は対象を悪人に絞ると割り切ってどんどん殺っちまおう!!
という物語である。

そこそこグロいのだがコメディタッチなので目も耳も覆う必要はなかった。
そしてキャラが良い。そう、このドラマはメインキャラがみんな生き生きしている。

体の中身全部吐き出しても到底足りない量のゲロの後、なぜかポジティブシンキングゾンビになった奥さんのシーラ。
戸惑いながらも愛する妻のため、不安や恐怖と戦いながら数々の問題に献身的に対処する夫ジョエル。
母の変化に驚きつつも、慣れてさえしまえば持ち前の動じない性格がかっこいい娘アビー。
そんなアビーに惚れている隣に住むオタク。気が弱いがあまり深く考えない性格のにやけ面エリック。
シーラの最初の犠牲者で話す首となったゲイリー。

うっかり殺した隣人を証拠隠滅のために食べちゃったり、手に入れた人肉をスムージーにして運動中の水分補給にしたり、バラバラにして冷凍保存してみたり、悪人を誘い込む殺人ガレージを借りたりと、正直こちらも吐いてしまいそうな描写のオンパレードだがキャストの軽妙な演技とポジティブ☆ゾンビシンキングから繰り出される名台詞の数々により最高のコメディに仕上がっている。

アメリカンなノリのコメディが好きでスプラッターに少しでも耐性があるなら一度は見るべき傑作。きっと新たな扉が開かれる。
それが「サンタクラリータ・ダイエット」だ。

シーズン3で打ち切られたことは一生納得できないだろう。

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