Wynonna Earp Podcast Tim Rozon インタビュー訳

Tales of the Black Badge」:伝説のガンマン ドク・ホリデイ役 ティム・ロゾン(Tim Rozon)インタビュー回(71回)July29/2017 
(全体を通して意訳を含みます。ネタバレあり。)
ホスト:ケヴィン・バチェルダーボニ―・フェラー

(日本からは Wynonna Earp | Netflix でシーズン1&2が見られます。)  

ボニー (B):ティムにはS1でも2回インタビューさせてもらって、今回もS2での展開やティム自身について話してもらったわ。彼は出演者だけど、なにより私たちと同じ『ワイノナ・アープ』のファンなのよね。
ケヴィン (K):その通り。だから、ティムが話し始めると、僕たちはただ聞き入ってしまうわけ(笑) それではティムのインタビューをお楽しみください。 

B:S1からかなり色々なことがドクの身に起きたわ。まず、ハットをなくしたでしょ。ショーティーズを買ったでしょ。色々あったわ。
ティム (T):それはどういう順位?(笑)
B:どうかしら!(笑) 前回は、原作者のボー・スミスとコミックに取り組んでて、一緒にインタビューした時だった。
T:そうだね。っていうか、ちょうど今、彼からメールが来たよ。このポッドキャストを終えたら、彼が送ってきた最終版の「ワイノナ・アープ」をチェックして編集に送る予定。それで「ワイノナ・アープ シーズンゼロ」(コミック)が完成!
K:その話をしていた時は本当に嬉しそうだったよね。
T:S1では番組に携われて、ドク・ホリデイを演じられるだけでも信じられない体験だったのに、さらにボー・スミスと一緒に描かないかって誘われた時は、ただの概略とPRのためだけで、名前を載せてくれる程度だろうと思っていたら、実際にコミックに関われて、コラボできるなんてね。ボーは素晴らしい人だし、良い友達になれたし、いいパートナー関係を築けているよ。彼の考える具体的な方向性を話してくれたりして、最初から全力で関わっている。

B:コミックと言えばコミコンには2回目の参加だったのよね?初回と比べて2回目の感想は?
T:うーん、ある意味、すべてかな。ずっと参加するのが夢だったから前回は信じられなくて、とにかく嬉しかった。今年は楽しむことができたよ。参加できるとは思ってなかった夢のような場所に戻ってきたような感覚でもある。フロアを歩いていて憧れの人に話しかけられた時は意味が分からなかったね。あとは知ってるファンに会えたこと。Docstache(訳注:ドク・ホリデイのファンアカの人)に会ったんだよ。あれは一大事だった。今回はEarper(「ワイノナ・アープ」ファン総称)の規模も大きくなってて、家族に会えた感じだったよ。今回のコミコンでよかったことは2つ。1つはメディアもいたけどファンとのパーティ(訳注:オフ会?)。もう1つはケヴィン主催の。ライブツイート。ファンも交えて一緒にライブツイートしたのは、家族イベントみたいだったよ。あの夜は不思議で最高な体験だった。放送をみんなで見ながらエミリー(・アンドラス、番組エグゼクティブP)はコメントしたり、ツイートしたりして、Dochstacheが僕の隣で僕のヒゲについてツイートしていたり、本当に特別な体験だったよ。
K:あなた自身、コミコンが大好きで、ワイノナ・アープのファンでもあるから、それを知った上で色々と満喫している様子が見られてとてもクールだったよ。
T:そうそう。それとヴァルン(・サランガ、ジェレミー役)がコミコン初体験で会場のエレベーターにさえ興奮してて、面白かったね。(笑)
K:ヴァルンといえば、S2からの登場でジェレミーとドクの関係性について聞きたいと思っていたんだよ。ジェレミーはドクのファンで、その辺り、どうなの?
T:これからの放送分なんだけど、ジェレミーのヒーロー的な場面があって、その直後にドクがハットをジェレミーの頭に被せるシーンがあるんだけど。その時に「ヒーローだ」って言うんだ。それを今、思い出したよ。彼はS1のウェイバリー的な立ち位置だと思っている。無邪気な感じがあるでしょ。S2のウェイバリーは無邪気さがあまりないから。もちろんそれは多くの困難と向き合って、それゆえにタフに成長せざるをえなかった結果だけどね。

B:ジェレミーはとても楽しいキャラで番組にとっていい変化だと思うわ。それともう1人、ロジータ(タマラ・ドゥアーティ)も登場したわね。ドクとロジータの関係性も、見ていてとても面白いわ。ダイナミックな関係性だし。
T:タマラも、そうだね。実は説明に困るんだよね、ドクのロジータへの気持ちとワイノナへの気持ちを、何がどう違うのか、理解しようとしていたから。このシンプルではない関係はすごくいいと思う。欠点のあるキャラ同士が惹かれあうっていう。S1で見られたワイノナとの関係性がS2でもロジータとの間にある。お互いに心に傷を負った完ぺきではない人間として。で、タマラ自身はね、最高だよ。どうやってキャスティングしているのかは知らないけど、ゲストキャラも含めて、みんな仕事がしやすい人ばかりで。タマラも例にもれず、いつも朗らかで機嫌が良くて、楽しく仕事ができる人。ヴァルンも同じだよ。共演者とはカメラが回っていてもいなくても仲良くやれている。他のゲストキャラもそうだよ。彼らって、良い役者でもあり、なによりいい人たちだから、一緒にいることはかなり多い。

B:そういえば、ウィドウ(S2の悪役)の片方を演じているダニ(・カインド、メルセデス役)とはすばらしい競演をしているわね。あのシーンの撮影はどんな感じだった?
T:あれは最高にクレイジーなシーンの1つだった。監督はパオロ・バーズマン(Paolo Barzman)。彼はアーティスト派だから色々と考えさせるタイプの監督でね。実は、ダニとはそんなに一緒に演技していなかったんだよね。(ストーリーで)攻撃されて動けない演技はあったけど。あとは、他のアクションシーンもあったけど、いわゆる一緒のシーンで演じることはほとんどなかった。オフではよく遊んでいたけど。
彼女はあのドレスを着て、そこらじゅう移動するわけ。それで、(狭い場所で)ドレスの裾を踏まないようにと思って「脚を動かすよ」って言ったんだ。そしたら彼女はこう言った。「顔面パンチするわよ。やさしくしなくていいわよ、世界最凶のウィドウでこれからみんなを殺ってやるってんだから!」それが励ましの言葉になって、お互いに全力でクレイジーな演技が出来たわけ。
K:火花が散るくらい最高だったよ。
T:よかった!でも(番組放送前の)試写ではなくて、ライブで見たからなぁ。
K:そういえば、S2プレミアの時にみんなエミリーの家で上映会した時にWhisky&Donuts Hangoutに顔を出してくれたけど、エピソードをよく理解したいからTVで見るって早く帰ったんでしょ?それってファンとしてはすごく嬉しい番組への愛だよ。
T:そうだよ。あのね、番組を見ながらライブツイートするのと、番組を見るっていうのは、全く別物だから。ライブツイートも、もちろん、大好きだから誤解しないでほしいんだけど。ええとね、まずは、メラニー・スクロファーノのライブツイートの上手さは尋常じゃない。まるで準備してたみたいに最強ツイートだらけだろ。あんなのについていけるわけないじゃないか。今年のメラニー・スクロファーノ・ツイートには勝てない。だからそんな最強チームと競ったり、他の人とツイートしていたら、見逃しちゃう。『ワイノナ・アープ』はよく出来た番組だよ。すごくいい番組だから、何度でも、むしろ見る必要があるくらい。各回とも3回ずつ。1回目はライブツイートしながらアクションシーンとか、ざっとしか覚えていない。2回目は話の内容がわりと分かる。そして3回目にしてやっと細部にも目が行くようになり、色々と分かっていると次回を読み解くヒントになる。「あれがあーだったのはこーいうことだったか」って具合に。注意して見ていないと見逃すことが多い番組だからね。『ワイノナ・アープ』ではすべて計算されて作られているから、偶然はないんだよ。全部意味がある。
K:そうそう。だからファンは見直し(rewatch)することで(以降の回で正解の)ご褒美がもらえる。ただの些細な出番じゃなくて、後々に関係してくるからね。
T:ただ、今シーズンの『ワイノナ』では、驚きの(各回の)エンディングに備えた心構えをCM(に入る)ごとにしなきゃいけない気がするけど(笑) 最初のCMで「いま何がどうなったの?!」となり、その後のCMでも「えぇぇぇ?!?」、からの、その後にまた「なんd!”#”$%&?!」。そしてまた1週間待たなきゃならない。今シーズンはノンストップだね。
B:私もそう思う。私のツイッターTLもそんな感じだった(笑)

(中略)

T:読み合わせした時にさ、エミリーに「ドクの扱いについてはどう?大丈夫かな?」と聞かれたんだ。どうって、どういう意味?、と聞き返すと「この展開は意地悪すぎかしら?」と言うんだ。第一に、製作総指揮者にキャラの扱いについて意見を求められるほど大切にされてることに驚いたし、第二に、全然大丈夫だった。今のドクのワイノナへの気持ちが見てとれたから。彼女がどういう存在なのかがはっきりしたでしょ。そんなことはあったよ。分かるかな。
B:分かる分かる。それってシーズン1&2を通してエミリーがやってることよね。善と悪のあいまいさを描いている。いい人だと思ってた人がそうとは限らなかったり、見た通りの人ではなかったり、悪としてカテゴリーは判別はできても人柄を知るほど善人じゃないかと思えてきたりする。あれは人の存在感を登場させずに描いたすばらしいエピソードだった。
T:僕は自分が出ていないエピソードにこそ僕のキャラの描写があると思っていて、ドクが登場しなくても他のキャラ同士の会話やストーリー展開から読み取れるものがたくさんあったりする。

(中略)

B:ところであのエピソードでの展開はどうなの?(笑) エミリーがまたやった!感がある(笑)
T:僕は番組をよくするためなら何があってもためらうことはないよ。ある時、エミリーが「そこまで言うならほんとにやるわよ!」とか言うから、「やるならやれよ!」なんて応戦していたら、あのエピソードの読み合わせの時に、まじか・・って顔を上げて最初に目があったのがエミリー。「やってもいいって言ったわよねー!(笑)」って感じの目!(笑) 

(中略)

K:メラニーとのキッチンでのシーンについてだけど、涙なくしては見られなかったよ。すばらしかった。
T:どうもありがとう。今年、メラニーと共演できたことは最高の経験だった。これからもこんな経験はそうそうないかも。僕は「役者」じゃない(ぽくない)しそれほど演技について考えないから、メラニーほどのアクターと演技して、キャラの境遇を一緒に乗り越えるっていう体験から刺激(inspired)を受けずにはいられなかったよ。友人であり、共演者であり、シーン・パートナーであり、ほぼ間違いなく大好きな相手。そんなメルとの仕事はすばらしい体験だったし、この先、そうそうないと思う。メラニーにとっては今年は本当に大変だったと思うよ。でも僕にはすごくよかった。だから・・もしまたやれるというのなら・・・?(笑)
B&K:あはは(笑) あ、僕らは何も言ってないよ。何も言ってないから、そこ、覚えておいて(笑)
T:他の人にとっても大変だったと思うけどね?(笑) や、でも、メルは本当に良いアクターだよ。彼女は必ず準備ができている。だから、こちらも準備ができていないと大変。アクションの声がかかったら、色々(演技的に)投げてくるから、応じられるようにきちんと演技しないと、良い芝居を逃すことになる。彼女はすばらしいパートナーだよ。特別な経験だったし、刺激的。僕には彼女のやってることをマネできないね。
B:今年の撮影は、実際に妊娠していたメルが相手だったからやりやすかったって言ってたわね。(訳注:私生活で妊娠したメルのためにワイノナも妊娠を経験する脚本に。番組の決定権を持つ局の男性首脳陣は全員、主役の妊娠を支持する決定を下しました。さらに製作チーム全体も積極的にサポートし、製作を続行。画期的なシーズン2です。やり遂げたメルは撮影完了の数日後に無事出産しました。)
T:その通りだよ。メルがリアルに妊娠してたからこそ色んなことに自然と感動できて、刺激も受けた。演技に関して一番大事で、注意していることは、真実味を持たせること。でしょ?だから、シーンも極めてリアルだったし、メルの8ヵ月のお腹に手を当てればもちろん、赤ちゃんが蹴るのを感じられた。それは台本では書けない美しさだよ。
K:そうだね。その話もポッドキャストで話したよ。これから見直す時は、ぜひ音量を下げて表情に注目してほしい。ティムのそういうドクの役作りや、演じることに対する姿勢もファンにとってはありがたいことだよ。
T:ありがとう、好きなことをやり続けるよ(笑)

K:感動的なことといえば、インタビューしている今日はドクホリデイの誕生日なんだよね。
T:ほんとだよ。クレイジーだよ!(笑)
B:Docstacheからの質問なんだけど、「ドク本人に質問できるとしたら何を聞く?」
T:えーっ、それ知ってたら歯医者にまつわる質問を考えておいたのに!(笑) 彼は歯科医だからね!うーん、良い質問だな。じゃあ、「自分を演じられてることをどう思う?」
K:いくつか他にもファンからの質問があるんだけど、「『ワイノナ・アープ』以外のコミックの世界に住めるとしたら、どれがいいですか?」
T:おー。僕のことを知っている人はシルバーサーファーオタクだって知ってるけど・・どうかなー。アーチーかな。Netflixのはまだ見ていないけど、『Riverdale』はどうなってるのかな?知ってる?
B:あー、私、ワイノナファンだから、ワイノナ・アープしか見てない。(笑)
K:(笑)
B:面白い質問がたくさんで選ばなきゃいけなかったんだけど、私のお気に入りはツイッターからのこの質問。「撮影の待ち時間中は何をしていますか?」
T:僕はどこでも寝られる体質なんだよね。出演者の椅子でも、BBDオフィスでも、自分のトレイラーに戻っても。寝れる。寝てる。読書か、セリフを覚えるか、寝てる。
K:別の質問。「ドク以外で有名人や有名キャラを演じるとしたら誰ですか?」
T:僕は昔からシャーロック・ホームズのファンなんだ。それか昔ながらの探偵。
B:「放送済みのエピソードの中で一番衝撃的だったシーンは?ドク以外でも構いません。」
T:どれもショックだよ。お気に入りのシーンはアレだね。読んですぐにドミニクに連絡したくらいの。あのシーンのセリフは本当に美しかった。あれが「ワイノナ・アープ」そのものだから。最終的に、僕がこの番組で一番好きなのはアープ姉妹の姉妹愛。姉妹の絆がすばらしい。だから、あれを読んだ瞬間の衝撃はすごかった。崩れ落ちたよ。
B:あのセリフは「今週のベストセリフ」にもなったくらいだからね!Earperの反応もよかった。
T:Earperについては心配ないよ。僕がEarperだから。僕が良いと思ったものはだいたい他の人にも好評みたいだし。
B:あなた相手にはヒゲについても聞かないといけないと思うんだけど(笑)、ヒゲのお手入れについていいアドバイスはある?
T:ああ、ヒゲについては、ガンターって言うメイクアップ・アーティストだよ。(笑) 僕は触らない。4ヶ月伸ばしてるだけ。伸ばす決意はいるけど(笑)ヒゲが嫌だってことじゃないよ、全然。
K:改めてインタビューさせてくれてありがとう。
T:いつでも呼んで。
B:そんなこと言ったら本当に毎週呼ぶから気をつけて!(笑)

終わり

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(c)Syfy (c)WynonnaEarpPod

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