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繋がった!!

序章

 今回はこちらの本の感想を綴っていく

 この本は以前同じ著者が書いたメタバースの本を読んだときにNFTのトピックがありその中で、詳しくはこの本読んでねというのが買いてあったので気になって欲しいものリストに入れていてそれなりに忘れていた。(これです↓)

 時は経ち半年以上、前回感想を綴った本の中に実はNFTのトピックが大々的に用意されていた。そこで思い出した。「そういやこの本欲しいものリストに入れてたわ」深める読書という意味でいい機会だと感じ購入を決めた。(前回↓)

本章

初発の感想

 講談社ブルーバックスを読むのは実に1年以上ぶりだった。以前読んだブルーバックスの本が結構難しくそのせいか若干抵抗感があったが、今回は読みやすかった印象。
 技術的な内容の本をあまり読んでこなかったが、結構ワクワクする内容であった。本書は主にブロックチェーンとその前振りとしてハッシュというものの説明がメインであるが、正直ブロックチェーンよりこのハッシュのお話が面白かった。(今回はハッシュについてはそんなに触れない。)ハッシュのおかげか暗号学に興味を持ち始めている。ただブロックチェーンはブロックチェーンで面白い。

ブロックチェーンとは

 まずはブロックチェーンとは何かを簡潔にまとめる。

ブロックチェーンとはデータをブロック状にまとめそれをチェーンのように繋げていくもの。

 これだけでは何を言っているかわからない。何がしたいのかもわからん。自分も思う。詳しい説明は本書を読んで欲しいのだが、これをすると何がいいかということだけ説明しておく。
 ブロックチェーンのブロックの中身はこのネットワークに参加するものなら誰でもみることができる。さらにブロックはチェーンのように繋がれているため、不正をしようとしたとき、その不正を完遂するには性質上元の今までブロックを全て書き換える必要がある。これが非常にめんどくさい作業なので不正をやる側もやる気をなくすレベルだ。よって不正ができないような仕組みとなっている。(完全に不正ができないというわけではない。)
 以上より性質としてデータの透明性と改竄不能性にある。これはブロックチェーンの本質である。管理者などがおらず、ネットワークに参加するもの全てが対等な関係であるので全員でそのデータの信頼性を検証しjudgeするという行程を踏むので、『相互不信であってもデータは信頼できる』という新しいコミュニティが生まれるのである。
 『相互不信であってもデータは信頼できる』というのが新しくて面白い。またインターネットが欠かすことのできない現代においてはネット上で見知らぬ人とやり取りをすることは多い。もちろん私も何度かやり取りやデータの交換をネット上でやってきた。これを踏まえると相手のことを信用してたのかとちょっと思った。まぁ元々人を信じやすいタイプではあるが。

有用性の無さ

 一見何かに役立ちそうだが実を言うとそんなに役に立ちそうにないのが実情なブロックチェーン。理由は色々あって、まずは計算競争による無駄な電力消費。ブロックチェーンのブロックを作るのはマイナーと呼ばれる者で、このブロックを作ると成功報酬がもらえる。ブロックを作るには多量の計算が必要で(詳しくは本書を読んで欲しい)その計算が結構手間だ。ブロック生成の条件を満たす計算結果が得られるまでマイナーたちは何度も計算をする。このせいで電力がくわれるのだ。しかもこの計算に社会的意義はない。コストもかかるしあまり実用したいとは思えない。
 手間といえばブロックの検証もそうだ。一般の大衆はそんな面倒なことはしたがらない。(個人的にはここはちゃんとやるべきだとは思うが)
 さらにブロックチェーンのネットワークに参加するためには、今までのブロックデータを全てノード(ネットワークに参加するデバイス)にダウンロードする必要がある。このブロックデータが多量なのだ。云年とブロックデータが10分に一回連続して作られているのだ。それをダウンロードするには面倒な話だ。
 他にも重いデータ(動画ファイル)の取引に向いていない、システムアップデートに向いてない、などあまり有用性が見受けられない。もちろ全く使い所がないわけではないが、このシステムに期待していた自分は少しがっかりした

繋がってくる内容

 ここからはこの本には載っていなかったブロックチェーン関連のお話。先述した通りこの本を知ったのは同じ著者のメタバースの本。ということで該当トピックを読み返してみた。このトピックではメタバースでNFTがどのように使われるかというお話である。NFTについては前回読んだ西野亮廣氏の本で少々学んだのでなんとなくどんなものかもわかっている。そしてメタバースの本からこんな記載を見つけた。

うがった見方をすれば、機構の有益性やユニークさで評価されるものの、現実社会に実装しようとすると意外に使いどころが難しいブロックチェーンを、なんとか形にしようとした試みであると言えなくもない。

メタバースとは何か(光文社新書)

 何か謎に感慨深いような気持ちになった。今回の本と同じ著者というのが要因だろう。今回の本を読んだ後だとNFTという使い道ができた喜びを感じられる。先ほどのがっかりは打ち消された。

 そして今度はNFT自体に注目したい。NFTについて詳細は今回語らないが、前回西野亮廣氏の本を読んだときにNFTについてこんなことを述べていた。
 『NFTで使われるお財布の中身は丸見えだよ』
財布の中身はデータなので、この丸見えというのはデータの透明性ーブロックチェーンの本質である。さらにNFTには現金をNFTの通貨に交換する取引所があるのだが、これについても少し理解が深まった。というのも本書(ブロックチェーン)はビットコインを例として説明していく。ビットコインにはビットコインの取引所が存在し、(大雑把に言って)ブロックチェーンの手間な部分を手助けしてくれる役割もあるらしい。このNFTの取引所もそういう仕組みなのかと推測できて、理解が深まった。

終章

 今回は結構過去に読んだきた本の内容が色々繋がった感じがして面白かった。伏線回収と同じ原理だろう。ブロックチェーンが今後どう大衆に馴染んでいくかを楽しみにしていきたいと思う。もっと詳しくブロックチェーンについて知りたいという方は本書を手に取って見てほしい。

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