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年の瀬の寿司 第13話

 本記事は以下の記事の続きとなっておりますこちらを読んでから本記事を読むことをおすすめいたします。

第5章

二度目の炊飯

 2回目の米が炊けた。私は炊飯器を開け、釜を取り出し米の状態を見た。水を減らした結果やはり先ほどよりは乾いた米にしやがっている。これならいけそうだ。S.N君も同じことを言っていた。1回目と同じように酢飯を作っていく。1回目失敗したおかげか行程もスムーズにいった。酢飯はうちわ仰ぎが必要だが1回目はこれを1人でやっていた。今回は人がいたので少し手伝ってもらった。やはり人数がいるとやりやすい。最初から準備に全員呼ぶべきだったかとそんなことも思った。だがProject.Hはできるだけ来客には来客らしくしていて欲しいのが本音ではある。
 2回目の酢飯は非常にうまくできた。これなら寿司を握れそうだ。上記の通り1回目の失敗が活きたようだ。とりあえず2回目の米をテーブルに置き、1回目の米をどうするかは後で考えることにした。

最後の1人が...

 酢飯ができればもう準備はほぼ終わりだ。S.N君も魚を並べ、浅漬けも卓上に置きさぁいただこうというところだが、一つ問題点がある。それは1人足りないということだ。第1章で述べた通り今回は6人で行われるはずだ。だが1人足りない。第1章を覚えている方ならもうお分かりだろうが、T.I君が足りないのだ。準備を終えても彼が一向に来ない。私は彼に電話した。だが出ない。おいおい、大丈夫かぁ?何度電話をしても出ない。んー。私は彼の家に向かった。
 T.I君の家は私の家の斜向かい。だから家に行くといってもすぐそこなのでそんなに時間を気にする必要はない。私は彼の家のピンポンを押す。そうするとT.I君の母親が応答する。「あぁ〜、約束今日やったかぁ。昨日の夜から連絡がつかんのやわぁ。うちからの連絡してみるわぁ」そう言って一回切った
おいおいおいおい、話が重くなってるぞぉ...。素直に心配になった。考えられるのは、T.I君の彼女の家で寝ているかまたは何かに巻き込まれたか。前者であることを祈るばかりだ。しばらく外で待っているとT.I君の母親が出てきた。「やっぱり連絡つかんわぁ」まじかぁ。ここでまさかの欠員が出てしまうのかぁ。何かに巻き込まれているのなら心配だし、彼女の家で寝ているのならツッコミたくなった。とりあえず彼の存在が確認できることが最優先ではあるが。

今回はここまで、次回もお楽しみに
※お腹を下したやつ

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