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年の瀬の寿司 第3話

 本記事はこちらの記事の続きとなっております。こちらを読んでから本記事を読まれることをおすすめいたします。

それではどうぞ!

第2章

油断からのまさか

 時は経ち12月の上旬(この日を12月α日とする)。当日まで後3週間ほどになった。私はそろそろ場所の予約をしようと考えた。寿司を握るには調理のできる場所を確保しなければならない。ここでもしかすると「場所の予約をするには遅いのでは?」と思われるかもしれないけどが、その通りだ。この遅さがピンチを招くことを当時の私は知る由もない。
 ピンチを招く要因として私がおさえようとしていた場所が関係してくる。そこは公民館だ。私は企画が立ち上がったその時から公民館でやろうと考えていた。なぜなら公民館は誰もが知っているし、調理場もある。そして公民館はその地元の人のための施設。このプロジェクトにぴったりではないか!ちょうどいい場所だと考えたからだ
 ちなみに私の自治体の公民館は前月の中旬頃から予約ができるシステムだったので遅いといってもそんなにではあると勝手に思っている。
 12月(α+1)日、私は公民館の受付に電話をかけた。電話には知らないお婆が出た。そして私はそこの料理教室を使いたい旨を伝える。そしてお婆は私に利用が初めてかと聞く。私は初めてと頷いた。そうすると、お婆が初めての方は違う窓口があるのでそちらに電話をかけてくれという旨のことを言ってきた。私は素直にそれに従い、その違う窓口に問い合わせた。電話に出たのはお姉さんだった。そして先ほどお婆に伝えたことを概ね伝えた。ここでお姉さんがあることを言った。「それは個人利用ですか?それとも何かの団体での教育活動ですか?」「まぁ、団体ではありますが個人利用に近いものではありますかねぇ。」と私は答える。続けてお姉さんは言う。「そうなるとちょっとご利用は難しいかもしれませんねぇ。」えっ?、どういうこと?私の頭の中は???でいっぱいになった。お姉さんはさらに続ける。「公民館なので法律で社会教育機関と定義されておりまして、私的な利用はご遠慮いただいております。」ピーンチ!!どうやらこれは企画頓挫の可能性だと思い、ものすごい焦燥感に溢れた。さらに公民館についての詳しい説明をしてもらった。

公民館とは

 実際にどのような説明を受けたのか。それを伝えるにはまず公民館の定義から迫る必要がある。
 公民館は社会教育法の第5章(第二十条〜第四十二条)にて詳細にその取り扱いなどが記されている。今回は第二十条だけを抜粋する。

第二十条 公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もつて住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

社会教育法 第5章 公民館

どうだろう。まず“市町村その他一定区域内の住民”の部分だが、ここに関しては当てはまる。だがそれ以外が当てはまるかと言われれば、Noだ。Project.Hが教養の向上をもたらすだろうか?健康の増進に努めるだろうか?生活文化の振興をもたらすだろうか?いやいずれもそんなことはありえない。社会福祉の増進など論外だ。この目的としない限り公民館の使用はまず無理だ。さらにまだ企画の足枷となる条件はある。

今回はここまで次回もお楽しみに!
※ささみが余ってて作ってみたら美味かったやつ

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