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Beast Of The Opera

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記事一覧

終章【BeastOfTheOpera】

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Ⅸ章/下【BeastOfTheOpera】

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Ⅸ章/上【BeastOfTheOpera】

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Ⅷ章【BeastOfTheOpera】

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Ⅶ章【BeastOfTheOpera】

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Ⅵ章/下【BeastOfTheOpera】

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Ⅵ章/上【BeastOfTheOpera】

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Ⅴ章/下【BeastOfTheOpera】

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Ⅴ章/上【BeastOfTheOpera】

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Ⅳ章/下【BeastOfTheOpera】

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Ⅳ章/上【BeastOfTheOpera】

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Ⅲ章/下【BeastOfTheOpera】

 庭園から逃げるように帰ったエステルは、ボックス席のソファで縮こまる。劇場は第二部へ向けての準備中だ。観客達も今か今かと再会を待ち望んでいる。ペトロニーユも、軽食を摘まみながら緞帳が上がるのを待っていた。  左手首に残る感触に、身震いしながら受け取った毛布を握りしめる。  先日地下道に迷い込んだ青年・セザールと再会した。まさか、彼が夢と勘違いしているとはいえ、自分の事を覚えていたとは。天使と呼ばれ、名前を尋ねられた。あの時の真っ直ぐな視線が、今でもどこからか注がれて居るい

Ⅲ章/上【BeastOfTheOpera】

 記念公演当日。オペラ座周辺は、着飾った観衆達でごった返していた。かつての王家の邸宅を彷彿とさせる賑やかさとは裏腹に、地下は身が凍るほどの静寂を漂わせていた。ただ、一つの部屋を除いては。 「エステル。ああ、エステル。素晴らしい。私の見立ては間違いなかった!」  正装を纏ったペトロニーユは、飾ったエステルをこれでもかと賛美する。褒められた本人は「やめて頂戴」と赤い顔を背けた。  香油を含ませた結い上げた髪、夜空を映したかのような絹のドレス。薄く乗った化粧に、胸元に添えられ

Ⅱ章/下【BeastOfTheOpera 】

 街灯の点る石畳の上に、二人分の影が落ちる。辺りは薄暗く、彼ら以外に人の気配はない。懐中時計の時刻は丁度、深夜零時を回った。  確かに、怪談話の類いは怖いと感じた事はない。だが、実際に夜闇を歩くのは別だ。痺れるような緊張が、全身の神経を震わせる。 「うう、寒いな。真冬の外は応える」  片方の人影、セザールは少し前を歩くロジェに問う。 「何か見える?」 「何も、誰も。本当に僕たち二人だけだ……そうだ。ロジェ、持ってきたものを見せてくれないか?」 「ああ。少し待ってい