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ペンドラゴンの騎士

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20世紀初頭英国。この国では国家治安や文明の発展に尽力する公的組織『ペンドラゴン十三騎士団』が存在していた。 これは、彼等の活躍や苦悩、そして水面下の激情を描く物語。 ・・・・… もっと読む
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記事一覧

第四話/獅子の心臓⑥【ペンドラゴンの騎士】

六章/暁  一九二〇年、九月。穏やかな潮風の吹くその日、テンビー=ペンドラゴン城の前には…

第四話/獅子の心臓⑤【ペンドラゴンの騎士】

五章/洛陽  何もかもが眩しかった。  ロンドンの街も、ペンドラゴン城も、アカデミーも。…

第四話/獅子の心臓④【ペンドラゴンの騎士】

四章/獣として生きる道 「はい。傷の手当ては終わり。シャワーは少し沁みると思うけど、数日…

第四話/獅子の心臓③【ペンドラゴンの騎士】

三章/手を取り、笑い  ウェールズの港町、テンビーは愛らしい小さな港町である。  ロンド…

第四話/獅子の心臓②【ペンドラゴンの騎士】

二章/暁のたてがみ  その夜、ウェールズのとある森に一人の青年が迷い込んだ。月明かりが雲…

第四話/獅子の心臓①【ペンドラゴンの騎士】

一章/太陽のひと  自由、という言葉を聞いた。  解放、という言葉を聞いた。  冒険、と…

第三話/修繕師グレシャムの復讐④【ペンドラゴンの騎士】

 四章/騎士の誇りを 「本当に、本当に好きにやらせてもらいますからっ!」 「……どうぞ?」  グレシャム工房に来てからしばらく経過した頃、突如パメラは家中の物置をひっくり返すと宣言した。ヘイデンは訳も分からず、言われるがままに手伝いをさせられている。 「ヘイデンさん、これと……それとコレ。使いますか?」  パメラは出自のよく分からない花瓶と、東欧風の皿を指さし尋ねる。 「いいや。数年見たことがなかったな。処分してもいいかも」 「じゃあ、売りに出して仕舞いますね。

第三話/修繕師グレシャムの復讐③【ペンドラゴンの騎士】

三章/復讐者グレシャム  実際に実務訓練が始まったのは、その翌日、パメラが工房にやってき…

第三話/修繕師グレシャムの復讐①【ペンドラゴンの騎士】

一章/実務訓練 「納得いきません、教官!」  それは、あるロンドンの昼下がり。  騎士見…

第二話/ブラッド・ルージュの誓い⑤【ペンドラゴンの騎士】

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第二話/ブラッド・ルージュの誓い④【ペンドラゴンの騎士】

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第二話/ブラッド・ルージュの誓い③【ペンドラゴンの騎士】

三章/異端の子ども  物心ついた時から、他とは違うと自覚があった。違和感と言うべきだろう…

二話/ブラッド・ルージュの誓い②【ペンドラゴンの騎士】

二章/風変わりな騎士  その出会いは、突然訪れた。 「待ちなさい。聞いているのですか、待…

二話/ブラッド・ルージュの誓い①【ペンドラゴンの騎士】

一章/裂斧の騎士 「いやだ、いやだ……死にたくない……!」  曇天。土の上に一人、兵士が残されていた。彼は魔力式銃を抱え、まだ若いその身を震わせている。軍服から見るに英国軍。彼は眼前に見える兵器と敵軍の数々を目の当たりにし、怯えていた。  このままでは鉛玉の餌食になるのは明白だ。だが体は動かない。勿論、引き金を引く力も無い。  敵方の銃口がこちらへと向く。ああ、もう駄目だ。と、青年兵が目を瞑った瞬間。 「お待たせだね。任せて」  一陣の風が、声が。脇を脇を過ぎ去っ