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【看護師】救命救急ナースのリアルな1日


こんにちは、Sanaです。

先日は看護師国家試験の合格発表日でしたね。
不適切問題が多く合格率も低い中、合格された方本当におめでとうございます。


今回は、就職活動の段階ではあまり詳しく知ることができない救命救急センターでのリアルな1日をまとめてみました。

春から救急科、またはいずれ救命に行きたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。


救命救急センターってどんなところ?


私が働いていた救命救急センターでは、主に3種類の患者さんがいました。

・救急科の患者
・他科の院内急変患者
・オペ後の患者

つまり、ほぼ全科です。新生児〜老年期まで全ての患者をみる可能性があります。

それだけ幅広い知識が必要ですが、逆に言えばここを経験しておけばどこに行っても大丈夫という大きな自信になります。

基本的に受け持ちは看護師1人に対して2人です。たった2人?と思うかもしれませんが、1人あたりのやることが多いかつ気をつけるべき観察項目が多いので結構ハードワークです。

1人が急変してしまったとしてもカバーに入れる看護師がいるとは限りません。急変が珍しいことではないので、他の人に頼らずに2人の命を守らなければならない部署なのです。急変は日勤夜勤問わず、結構な頻度で起こります。


8:00  出勤、情報収集


スクラブに着替えて病棟に向かい、今日の担当の情報収集をします。

私の情報収集で作るメモは、こんな感じでした。



カルテ内の記録、検査データ、画像を確認し、全体像と現在の治療段階を見ます。

呼吸器やCHDFなどの機械や、点滴の内容やモードもしっかり把握し「なぜ今この治療なのだろう」「この患者は次どこに向かえば良いのだろう」この視点で患者を理解しておくことが大切です。

メモに全ての経過や主要検査データを細かく書く方もいますが、私は書いても見返さないので必要な部分だけサラッとまとめる派です。

代わりに、勤務中気になることがあれば必ずカルテを見返すことを徹底していました。朝の段階では値を見てなんとなく「このまま上がればこの治療は変わりそうだな」とイメージしておけばOK。


ただし…

まだ先輩がついている段階では早めに出勤して細かーーくメモするが吉です。色々聞かれる時に「そんなことも把握してなかったの?」と詰められないよう万全の対策をしておきましょう。

現実をお伝えすると、救命のベテランの先輩は特に新人に厳しい人が多いです。体育会系なので、この時代ですがかなり厳しく指導されることも沢山ありました。

しかし、ただ意地悪してくるような中身ペラペラなお局とは違います。救命の先輩方は救命にいることに誇りを持っており、知識も技術も患者さんに対する想いも尊敬できることばかりだったので、ムカつくことはあっても心から嫌に思ったことはありませんでした。



9:00  申し送り、バイタル


全体の申し送り後、各エリアで夜勤者から申し送りを受けます。

カバーできることは日勤でカバーしますが、夜勤の責任範囲内のことは「ここまでお願いできますか?ここからもらいますね」と相互確認しながら漏れのないように引き継ぎます。

患者のバイタルや身の回りを確認したら、同じエリアの看護師と病状、考えられる処置や検査、やりたい看護ケアなどさっと打ち合わせをし早速業務を開始します。

怖い先輩とペアの時は積極的に「この時間そっち入りますね!」と手伝うよアピールを忘れずに(笑)


10:00  清潔ケア


新しい指示が飛び交う中、清潔ケアを進めていくので午前中はかなり忙しいのです。これは一般病棟でも同じですよね。

病院のルールにもよりますが、どんなに沢山の点滴や機械が繋がれていても毎日清潔ケアは行います。その代わり、安全のため必ず2人以上で行います。患者によっては8人程度必要なことも。そのため近くの看護師にスケジュールを事前に伝えておくことがとても大切になってきます。

動かすと血圧が一気に下がる状態の重症患者さんもいるので、そういった場合は安全と安楽の優勢順位を考え、最低限で看護ケアを提供します。

清潔ケア中も医師の朝のラウンドがあるのでどんどん指示や処置が入ります。他の看護師の手を借りたりしながら同時進行で進めていきます。

「今からCT行くよ〜」「今ドレーン抜いちゃっていい?」そんなことも日常茶飯事です。


12:00  血液ガス測定、食事


ほとんどの患者さんに動脈ラインが入っており、そこから針を刺さず採血が可能です。

血液ガス分析装置の例

JACLaSホームページより画像引用



このような機械ですぐに血液ガスを測定出来るので、結果を見て異常がないかを確認します。

異常値だからなんでも報告するのではなく、呼吸器設定変更時間や点滴内容などを考慮してそれでも報告すべきであれば報告します。

正常か異常か判断するために、電解質やpHの仕組みをしっかり理解しておく必要があります。

食事は経口、胃管、腸管、胃ろう、さまざまなタイプの食事をセッティングします。重症な分いろんな種類の食事ルートがありますがこちらはすぐ慣れるので大丈夫です。


13:00〜15:00  看護ケア、面会など


午後も医師処置や検査の移動などが続きます。

忙しい中でも隙間時間を使って看護ケアをします。重症だから何も出来ないではなく、できる限りのケアを行い少しでも患者さんに安楽に過ごしてもらえるように努めます。

時間がある日はご家族も一緒に足浴や手浴などのケアに入っていただいたり。

ご家族のケアも救急ナースの大切な役割です。

病状がどうであれ「家族がICUに入った」という事実だけで精神的苦痛は計り知れません。面会にも様々な制限があります。その限られた時間で少しでも負担を減らせるように、家に帰ってからの不安が少しでも減るように介入します。


16:00 夜勤者へ申し送り


自分の勤務内で出た指示は全て完了させ、綺麗にし整え、不必要なものを全て片付け必要なものを補充したらやっと申し送りができます。

最後に自分のメモを見返して抜けている業務がないか確認します。

申し送りする先が同期や仲のいい先輩だと、終わってないことがあると「これはやっとくからいいよ〜」と言ってくれたりするので最高です。逆に自分がもらう時は、出来そうなことはカバーします。部署全体で業務が多い分、助け合いがとても大事です。

申し送りが終了したら責任は夜勤者へ移るので、やっとベッドサイドを離れることができます。あとは看護記録を書いて終了。



こんな感じの1日です。


定時で帰宅できるのが救命ナースのいいところですが、重症ユニットなのでもちろんイレギュラーもあります。

・引き継ぎ時から具合悪くCT→日勤でオペ出し
・抜管したら呼吸増悪→再挿管
・CPA→病室で緊急オペ始まる

こうなると帰宅できないこともしばしば。消灯後まで記録や片付けをすることもあります。

とはいってもそれが私たちの仕事なので、誰も嫌々やったりはしません。急変時は皆かなり必死です。協力しながら責任を持って最後までやり遂げる、私は救命のそんな雰囲気が大好きです。

一般病棟とはかなり異なる雰囲気なので最初は混乱すると思いますが、私はいい意味でも悪い意味でも自分の知識や技術が直接患者の病状に影響するのが救急看護だと思っています。

新人ベテラン関係なく、私たち看護師一人ひとりの責任が大きい部署なのです。


大変なことばかりを語ってしまいましたが、大変な分大きなやりがいがあります。

受け持っていた重症患者さんが半年後、病院内のコンビニで買い物をしていたのを見た時、心肺停止で搬送されてきた少年がお礼の手紙を届けにきてくれた時、思わず涙が出ました。

救えなかった患者さんの奥様は今でも時々「頑張っていますか?」と連絡をくれます。

かけがえのない沢山の経験をし、看護師としても人間としてもたくさん成長できる部署です。少しでも興味がある方は是非、新卒からでも希望してみてください。


今後もおすすめの参考書や資格など、引き続き書いていくので見てくださると嬉しいです。


ご質問やご相談がありましたら、質問箱もしくはXアカウント@u3k7sまでお待ちしております。




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