2015 best albums


これもツイッタ履歴から発掘できたので、ここにも写しておきます

2015/12/11
【勝手にベスト・アルバム2015】聴けていないどころか、知ることすらない作品もたくさんある。そんな中、たまたま出会えたものから10枚。今年はストリーミング配信も本格化して刺激を受けたが、逆説的にアナログ盤の楽しさもより感じるように。ABC順、前半の5枚を紹介(残り5枚は明日に)。

Olivia Chaney『The Longest River』高い演奏/作曲能力を持ち、凛とした歌で独自の世界を描ける才媛。Nonesuchからのデビュー作で、プロデュースはSam Leeの近作にも関わるLeo Abrahams。

Ghazalaw『Ghazalaw』今年最大の発見の一つ、ギャザロウ。英国ウェールズのフォーク音楽と、インド音楽との融合。ハープとタブラ、女声と男声も不思議なほど自然に混ざり合う。ゆったりとしていて余裕があり、曲も良くて聴きやすい。

Tigran Hamasyan『Luys i Luso』アルメニアに伝わる5~20世紀の宗教歌を、ピアノと合唱隊に編曲。彼の静かな演奏に魅力を感じていたので、待ち望んだ一枚と言える。自らの原点、歴史と真摯に向き合う姿勢に心打たれる。

Jason Isbell『Something more than free』好きだった前作に勝るとも劣らない楽曲を揃えてきた。青春期も終わりいくつかの失敗と挫折を経た先の物語につい共感してしまう。アクースティックな音作りもまた良い。

Eilen Jewel『Sundown Over Ghost Town』実力者による充実作。ぐっとカントリー寄りになって良い意味で円熟みを増した。肩の力が抜けた歌と、簡潔で落ち着いた曲。バンドの演奏も目立たないが要所を押さえている。


2015/12/12
【勝手にベスト・アルバム2015】後半の5枚を紹介。ふと気づけば、着実に歩んできた中堅どころを多く選んでいた。そしてあまり共感されないかもしれないが、米英のフォーク音楽は今が黄金時代かと思うほど聴く曲すべてが良く、戸惑うぐらいだった。

The Milk Carton Kids『Monterey』生ギターと声のみの2人組、古き良き様式。練られた楽曲には寂寥感もある。歌・演奏ともに質は非常に高い。曲間も短くし次々と連なっていくようで、一発録りと思われる録音も生々しい。

Tiganá Santana『Tempo & Magma』独自チューニングの5弦ギターと、かすれたような高い歌声で唯一無二の響き。ブラジルはバイーア州出身、今作はセネガルで録音。内省的な曲に豊かなリズムが合わさり、良いとこ取りに。

Joan Shelly『Over & Even』この人も今年知った自作自演の歌手。どこか翳りのある声だが同時に暖かみを感じさせる曲調。本人ともう1人のギターを中心に、最小限の親密な音。自分の表現を掴んだ確信のようなものが聴き取れる。

Spiro『Welcome Joy & Welcome Sorrow』英国ブリストルの4人組。弦楽器を主としたインストゥルメンタルは反復が特徴的で、クラシック音楽にも近い。もう20年以上の活動、Real Worldが後押ししている。

António Zambujo『Rua Da Emenda』ポルトガルの男声歌手で、欧州では相当の人気があるようだ。その柔らかな歌い回しがまず耳を惹く。弦/管楽器の編曲も多彩で、とても洗練された印象。今回の中では最も色彩豊かな一枚。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?