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4/28/’24「熊谷悠一アワー」(渋谷のラジオ) No.316 プレイリスト



【Tracklist】

  1. Sam The Sham and The Pharaohs "Wooly Bully" (1965)『Nuggets (Original Artyfacts From The First Psychedelic Era 1965-1968)』(1998)

  2. Tamas Wells “'It Shakes the Living Daylights from You”『To Drink up the Sea』(2023)

  3. Candi Staton “How Can I Put Out the Flame (When You Keep the Fire Burning)” (1970)『Evidence: The Complete Fame Records Masters』(2011)

  4. Maggie Rose “Mad Love”『No One Gets Out Alive』(2024)

  5. Lucy Rose “Over When It's Over”『This Ain't the Way You Go Out』(2024)

  6. Niamh Bury “Discovery”『Yellow Roses』(2024)

  7. Bud Powell "Un Poco Loco"『The Amazing Bud Powell, Volume 1』(1955)

  8. Melissa Aldana “The Solitary Seeker”『Echoes of the Inner Prophet』(2024)

  9. Weather Report “Palladíum”『Heavy Weather』(1977)

エンディング曲
Weather Report “Harlequin”『Heavy Weather』(1977)





放送後記

僕からの新作紹介は4枚でした。毎週の番組なので、この辺りが限界。
1年で約50本の制作として、このペースで継続すれば年200枚の新作を取り上げることになる。多いようでいて、復刻版も含めるとあれだけたくさん出ている中でこの程度かぁとも思う。
ほんの一部分しか掬えないんですよね。だからこそ、大なり小なり音楽を紹介している人は手分けして幅広く探そうよと思うし、前々からそう呼びかけてもいるつもりです。狭い音楽村の村民同士、本来の目的は同じなはずだから仲良くやっていかないとね。

今週の新譜群を公式映像と合わせて簡単に振り返ります。オマケのつもりで続けているここも、ちゃんと書こうとすると結構な時間かかっちゃうのよね…。


Maggie Rose (マギー・ローズ)は古き良きソウルを現代に歌う人と言ってよいでしょう。前作『Have a Seat』(2021)で知って、すぐに気に入りその年のベスト10枚にも入れました。強靭な喉の持ち主で、聴きやすく印象に残る曲作りも上手い。今回の新作では弦楽器を取り入れた編曲が特徴だけど、大仰にならず力を込めすぎない歌にこそ良さが活きているような気もする。
ヴィデオ・クリップもそれぞれ雰囲気を捉えているけれど、ここでは生演奏で5曲撮っているシリーズがすごく良いので、番組でもかけた曲を選びました。歌が上手いという以上に、場数を踏んでいる感じが伝わってきます。
大胆な真紅のドレスに、靴、マニキュア、ほんのりギターまで赤で統一していて艶やか。
気風がいい歌い口も含めて、この人本当に好きだなぁ。日本でも一人でも多くの人に知ってほしい本物の才能。

Maggie Rose - Mad Love (Live From The Caverns)




たまたま名前が重なったLucy Rose (ルーシー・ローズ)はイギリスのシンガー・ソングライター。2020年1月、コロナ騒ぎ直前にビルボードライヴ東京で観ていて、少し久しぶりとなった新作。その間、お子さんを授かり、それに伴ってリハビリが必要なぐらい体調を崩していた時期もあったそう。
今作はプロデューサーにラッパーでもあるLogicという人を迎え、新機軸に挑戦。確かに打ち込みのリズムや加工した音が目立つけど、同時にこれまでの繊細な歌い回しも健在。
その儚げな歌声が聴ける曲のクリップをどうぞ。どことなく映画風な、映像的面白さもあります。

Lucy Rose - Whatever You Want



アイルランドからの新人Niamh Bury (ニーヴ・ブリー)。アイリッシュ音楽を世界に広めたチーフタンズも所属していたCladdagh Records(クラダ・レコーズ)から発表ということで、それだけ注目株なのだろう。伝統的なフォーク音楽に近いながらも1曲を除き全て自作。個人的にはこういう静かで素朴な音楽が今一番好み。ギターも歌も安定しており、丁寧に紡がれた曲も粒揃い。アルバムではチェロ、ピアノ、ハープ、ダブルベイスと抑制された演奏が寄り添うように支えている。
映像では何曲かさらにシンプルな生演奏を披露していて、中でもこちらが一番好きかな。

Niamh Bury - Who Am I To Tell Him? (Live At Casino Marino, Dublin)



最後4枚目はテナー・サックス奏者のMelissa Aldana (メリッサ・アルダナ)。チリ生まれで、すでに7枚ほどリーダー作を出している中堅どころ。前作から名門ブルーノートに所属。柔らかい音色で、音階を滑らせるような吹き方も特徴的。今作の編成はギター、ピアノ、ベイス、ドラムの計5人。聴きやすいジャズだなと思うし、表現力を増してきているようにも感じる。ジャズ、とりわけ現在進行形のものは毎週1枚は入れたいと考えている。
今年初頭に撮られたライヴがあるので、興味ある方はどうぞ。

Melissa Aldana - A Story (Live from musig im pflegidach)


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