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日本代表≠Jリーグ

普段、日本代表の試合をスタジアムで見ている人は「知ってる」という話なので読む必要ないです。これは初めて日本代表の試合を見に行ったサッカーオタクの感想です。

今までスタジアムでの観戦はJリーグだと約900試合、年代別代表の試合(※1)、そしてA代表(※2)は見に行ったものの、「国内開催で海外組もフル招集するA代表の試合」は人生初のスタジアム観戦だったのでその感想および衝撃について備忘録として残す。
※1 韓国でのU-20W杯、旧国立でのU-23アテネ五輪代表親善試合
※2 韓国での東アジア選手権、国内組オンリーのE-1選手権

きっかけは友人マサキ(※3)からの連絡で、
「西田さん(※4)からウルグアイ戦のチケットきたから一緒に行こうぜ」という流れから人生初のフルメンバー日本代表戦観戦となった。
※3 アルゼンチンに10回程遠征してサン・ロレンソを応援している狂った奴
※4 アルゼンチンに何年か住んでボカ・ジュニアーズを応援してた狂った人

で、初めて日本代表戦の雰囲気味わったんだけどめっちゃ衝撃受けた。

・客層ムチャクチャ若い。若い女の子が多い

(子供や男はJリーグも多いが、若い女の子はそこまで多くない)

・俺らみたいなオッサン層が少数派

(Jリーグだと俺のようなキモい観戦オタクや、戦術オタクや、ストレスの捌け口で来ているようなしょーもない感じの人も多いけど、代表戦は圧倒的に明るい人が多い。陽と陰の対比が凄い)

・スタジアム内外で自撮りする人めっちゃいる

(Jリーグだとアウェー遠征時くらいか?そもそもおっさんは自撮りしない。撮った写真を上げるSNS先がないし、絵面として誰も得をしないし、通信リソースの無駄遣いになることを自覚している

・海外のユニフォーム着ている人結構見る

(ブライトン三笘ユニ多数、バルベルデのレアルマドリードユニもちょくちょくいた。Jリーグだと基本は試合当該クラブのユニかゴール裏団体のオリジナルシャツ。関係ないクラブのユニは少数派)

・そもそもユニフォーム着ている率が高い

(Jリーグだとゴール裏はともかくバックスタンドだと普段着が多い)

・歓声が凄い
・チャンスシーンどころか三笘がボール持った瞬間に歓声が凄い
・若い女の子多いせいか歓声のキーが高い。だから凄く響く
・試合中もスマホで写真撮る人ムチャクチャ多い

(Jリーグだと応援カルチャー的にゴール裏で写真撮りまくる人を叩く層がいるが、代表戦だと存在しないので何も気にせず撮る。というかそういうウルトラス層と交わることがない)

・相手のゴールでも拍手

(確かにバルベルデのゴール凄かったけど、これJリーグだとまずありえない光景。自分がかつてニ度体験したのは、2008年FC東京1-5清水で戸田光洋のダメ押しゴールで東京ゴール裏から拍手、2007年FC東京0-7川崎でとどめの7点目ジュニーニョに東京ゴール裏から拍手)

今回、現地行ってみて一番衝撃受けたのは客層、二番は歓声(雰囲気)。
ちなみに全体通して全く悪い印象は受けず、ただただポジティブに捉えたし、Jリーグと日本代表は同じサッカーだけど全く別のものなんだな、と再認識をした形。

「日常とお祭り」という違いを明確に感じた。

日常のJリーグは毎週毎週試合があるので代表戦のように激しく一喜一憂したり「初めて来た」「数年ぶりに来た」「チケット争奪戦に勝って、手に入った」「観に行けるのが嬉しい」という感覚はほとんどないのでどこか淡々と長いリーグ戦を戦っていく状況。
このウルグアイ戦は特にアジア最終予選でもなく単なる親善試合なので余計にお祭り感、フワッとした盛り上がり感が出てたんだろうなと認識。

そしてタイトルで「日本代表=Jリーグ」ではなく、「日本代表≠Jリーグ」と書いた理由なんだが、スタジアムで6万人超えの中で「これだけ若い客層で平日開催にも関わらずチケット完売で盛り上がっているんだから、サッカーのポテンシャルは相当あるよな」というポジティブな考えをし、からの、「だけどここからJリーグに流れていくかというと別物だよな」というネガティブな考えに至る。

ライトなサッカーファンが地元のJリーグクラブを見に来る際のハードルとして、

・知ってる選手がいない

(日本代表選手は基本、海外クラブ所属。五輪代表でも海外組が大半)

・客層が俺みたいなオタク層や年齢層高めが多い

(ライト層の雰囲気・年齢に近い人がスタジアムにいないので空気が違う)

・ブーイングぶちかますどころか暴れるやべぇ輩が存在する

(観戦歴長い層は、オッ!やってるやってる、とか、いつものことと風物詩と捉えるが初めて来たライト層は引く。親善試合の代表戦だとそうそうない)

・スタジアムのアクセスが悪い

(国立競技場より良い場所の5万人超えスタジアムなんてほぼない)

・試合の意味を理解しにくい

(この試合落としたら優勝争い脱落か、ACL圏内はどうだ、降格ライバルに競り勝てるか、という周辺情報をライト層が把握するのは難しい。親善試合の代表戦だと、ただ盛り上がるだけで良いから楽

上記に挙げた理由から、サッカーファンからJリーグへと流れるポテンシャルは相当あるんだけど、現実的にはかなり厳しい、別物と言わざるを得ないだろうな~という感覚。
それでも数%はJリーグに流れてくれるはずなので、日本代表の人気が高いに越したことはないし、W杯でGLを突破しベスト16まで進んだのは長い目で見たら確実にJリーグに還元はあるので今後も代表は頑張ってほしい。
こういう代表の親善試合だけじゃなく、パリSGの日本ツアーなんか試合完売どころか有料の公開練習ですら数万人押し寄せるんだから、日本におけるサッカー好きのポテンシャルは相当あるのは間違いない。ただ、Jリーグに繋がるかは極一部だし、長い時間が必要。

あと、このJリーグと全く違う代表戦の雰囲気に対して「マジでヌルいわ」とか「昔のドーハを思い出せ!」とか老害しぐさにならなかったのは、そもそも自分が日本代表を熱心に応援し続けてきたウルトラス系ではなかったことと、まだ頭が固くなっていなかったためだと実感。これはこれ、と認める感覚が残ってて純粋に楽しめて良かった。ここでイラついて若者にブチ切れてたら、老害に片足突っ込んでた。

最後に、ここまで小難しく書いたけどそもそもの試合の楽しさとして、日本代表戦はJリーグより個々のレベルが確実に高いのでそこは見てて本当に面白い。三笘とか伊東純也とかJリーグで当たり前に見ることができていたけど、Jリーグに戻ってきてスタジアムで見ることは今後数年無理なわけで、しかも所属クラブで活躍していること踏まえても「上手いな~さすがだな~」と一サッカーファンとして純粋に見てて楽しめた。
彼らを見るためにプレミアやリーグアン見に行く手間と金を考えたら、代表戦でサクッとスタジアム観戦できる手軽さかつ貴重な機会。

5年に一回くらいは代表戦見に行ってもいいかな、と感じた。
会場の雰囲気含め、面白かったです。

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