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天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 6-2

社長、その考え方で大丈夫ですか(6-2)
 次に小規模企業の社長の役割や責任について考えていきたい。下図は先ほどのピラミッド図の全く正反対の逆ピラミット図であり、小規模企業における社長の責任の重さを表している。すなわち社長が企業全体を支えている。従業員が少ないため組織化の必要性はなく、むしろ社長の意思決定力が会社の存亡を決定づける。
 
小規模企業や創業間もない一部の企業などはいつ倒れてもおかしくない状態にあり、またその支えとなっているのは社長一人である。したがって、社長の意思決定に間違いが生ずればただちに逆ピラミッドは倒れてしまう。
 
 企業は、顧客には商品やサービスを通じて満足を提供し、社員とその家族には幸せを、取引先とは良好な関係を築いて繁栄を与え、そして、これらを全体が社会全般の発展などに寄与する役割を担っているのである。ゆえに社長の責任は重く、自らの使命や役割を常に認識して社長業に携わっていく必要がある。

 社長は以上のような責任や役割を負うと同時に夢や将来ビジョンも持つべきである。重い責任を持つ反面、大きな夢や希望をもって突き進んでいくことも必要である。

 厳しいからこそ夢の実現という大きな課題に挑戦できるのである。これはトップの位置にある社長がまずもって得られる最大の特権である。
  どんな企業でも現在のおかれている状態は、良くも悪くも必然的に起きたものと認識すべきである。

 社長自らの考え方、心持ち、行動などが現実を導いた結果であり、時には外部要因(景気や災害など)が直接の引き金になったとしても、社長の心構えができていれば、その直接的な原因を受け入れなかったはずである。
  会社の経営が厳しくなると、すべて私(社長)以外に原因があると考えている経営者が意外と多い。そのような考え方では、社長以外の外部要因が変わらなければ良くならないことになる。 

 だから、社長自らが将来に明るい希望と夢を描けば、必ずその想いが実現するようにできているのである。従業員は社長の背中を見て行動や判断をしている。夢や大きな目標に向かっている姿を従業員がみれば、従業員もまた社長同様に夢に向かって進もうとする意欲がわき出てくるものなのである。

  前図は、社長のすべての言動は社長の哲学が基盤となって現れるのであり、天風哲学のいう「心ひとつ置きどころ」で決まるのである。
 したがって、経営を行う以前に社長自ら人間としてどうあるべきかの哲学が重要なのである。 

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