矢口 季男(天風哲学を経営に活かす)

主に小規模企業を対象に経営コンサルタントを行っています。約37年間、2万人以上の社長さ…

矢口 季男(天風哲学を経営に活かす)

主に小規模企業を対象に経営コンサルタントを行っています。約37年間、2万人以上の社長さんと向かい合ってきました。 これらの経験から学んだことと天風哲学を学んだこと、この両方との関連性にはかなり多くの共通点があることを感じました。

最近の記事

天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 23

自然現象から経営を学ぶ(23) 今回は、今までの堅い話から目をそらし、以前に読んだ「眼からウロコが落ちる本」(笠巻勝利著)から引用(①、②、③の「 」内の文章)し、経営に関連づけて感想を述べてみたい。   ①ゆでガエルの話  「カエルを使っての実験、まずカエルを水に入った洗面器に入れ、下から徐々に熱してやると、しだいに水温が上がり、熱くなったのを気がつく頃には外に出るタイミングを失って、ゆでられて死んでいく。ところが、熱いお湯の状態でカエルを放り込むと、カエルは必死になって容

    • 天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 22

      すべての結果(現実)は自ら生み出したもの(22) もし、現在の会社経営が窮境状態にあると認識している社長がいるならば、その原因のすべてが自分(社長)にあるということに気がつかねばならない。 成績の上がらない会社や経営が厳しい状態のある社長の言葉や態度に共通するものがある。それは現在の「窮境の原因は私(社長)以外のところある」と考えている。 例えば、窮境状態の直接の原因は、社外などの外部環境、例えば景気のせい、競合相手のせい、政治のせいである。また、企業内においては営業部長、製

      • 天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 21

        経営の良し悪しは気持ちの持ち方次第(21) 今の状況や状態は自ら招いた結果であると自覚しなければならない。その状況等の直接の原因が自分以外の外部環境にあったとしても、その原因やきっかけは自らの考え方や判断で導いたことは否定できない。 例えば、その状況が悪い結果であれ、良い結果であれ、すべては自らの気持ちが多少なりとも関わってきたことは否めなく、そのような心の裁量が自分自身のどこかにあったことから起きている。 それが悪い結果であれば、それを受け入れた自分の気持ちや心構えが消極

        • 天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 20

          将来に夢を持つ社長ほどその実現は早い(20) 私の経験で恐縮であるが、今から約40数年前にミニスーパーを経営していた当時、経営コンサルタントになりたいという強い願望を抱いた時がある。業界の人たちとの会話、あるいは新聞記事や雑誌の話題、本屋の陳列台でコンサルタントに関する本の前に立っている姿など…、自分に関心ある事柄には意識せず積極的に近づいていたことを振り返って思う。   要は自分の興味深い事柄、自分の希望、願望などには、自ら必然的にしかも積極的に近づいていたものだとつくづく

        天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 23

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 19

          社長の経営におけるける意思決定は重要(19) 「経営が行き詰る」、「経営悪化に陥る」という事象は、売上高や利益が少ない、あるいは経費や返済金が多い・・・など資金繰り悪化が要因となっている。特に売上高と経費とのアンバランスから必要利益が得られないなどによる。   では、売上高の多寡に影響する原因はどこにあるのか。例えば商店であれば、商品、品ぞろえ、価格、接客、立地、競合、売り方などが要因として挙げられる。この要因のどれかに致命的な原因がある場合と、いくつも要因が重なり合って起き

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 19

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 18

          プラス思考で積極的であること(18) 私の経験から言うと、「ちょっと無茶かな」と思うほど積極的に行動している社長の方が経営はうまく行っている。また「石橋を叩いても渡らない」など慎重かつ消極的な社長は頭の中に考え方や案が浮かんでいても、いつまで経っても行動に移さないで足踏み状態でいる。しかも挙句の果てに、他人がうまく行ったと聞くとあれは自分が考えていたものだ…と後悔している。   天風氏は「肉体は心から神経系統を伝わって影響する、常に積極的であらねばならない」と、そして日本電産

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 18

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 17

          後継者問題と自主的廃業のすすめ(17) 今、経営上における大きな問題点の一つに「後継者不足」がある。中小企業における社長の平均年齢は60歳後半で70,80歳の社長も多くなってきた。跡を継ぐ後継者が不在なので黒字でも廃業せざるを得ないという議論がある。   以前に商店街における跡継ぎ問題が話題になった時期があった。跡継ぎがいないため空き店舗となり商店街の衰退につながるという内容であった。 当時私は商店街活性化の専門家として県内の中心市街地の活性化に取り組んだことがあった。この時

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 17

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 16

          第16回目 まず心構えや考え方を確立する、その後に知識やスキルがある 経営者がしっかりと身につけておかねばならないのは、まずは理念、心がまえ、そして道徳や常識などであり、人としてあるべき姿(人間性)の基礎的なものである。 経営戦略手法など経営に関するハウツーを学ぶことも重要であるが、社会や経済の発展や貢献に寄与することが基本である。そのために社会における人間関係の原則を学び理解しなければならない。 これらの原則を理解したうえで、経営に必要な知識や技術などのノウハウを身につけ

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 16

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿14-2

          社長の備えるべき要件(14-2)  (※ 中小企業の社長が備えるべき人格とスキル、そして行動力)   上図をみていただきたい。自転車を動かすためには運転する人が必要で、その運転者がどこに行くかの方向を決め、ペダルを踏み動かす。そして動き出せば転ばないように前輪と後輪のバランスをとる。 これではじめて安定感が生まれ、順調に目的に向かうことができる。しかし、無風で晴れの日ばかりではない。雨に日も風の日もあり、道路がデコボコの場所もあり、パンクすることもあり、重い荷物を積むときも

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿14-2

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿14-1

          社長の備えるべき要件(14-1) まず、はじめに社長の仕事と役割や責任について考えていきたい。社長は会社全体を管理し会社経営を永遠に持続させることに責任を持っている。持続させるということは従業員を雇用し続けなければならず、そのためには顧客あるいは社会から支持され、「なくてはならない」、「お役に立つ」という存在意義や価値を持つことが必要となる。 ということは、「社会貢献」、「顧客満足」、「従業員満足」、「取引先への貢献」、「地域貢献」などを前提とし、さらに「安定した資金繰り」が

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿14-1

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 15

          業績悪化の原因は何か!(15) 右肩上がりの時代は供給に比べ需要が旺盛であり。多少の経営管理や手腕が悪くとも比較的業績アップにつながる傾向にあった。しかし、最近の経営をみると、業績の良い会社と悪い会社とに二極化し、その差が広がっている。 創業間もないとか老舗とかは関係なく、時代の変化に適応でききない企業は淘汰の波に飲み込まれているのが現実である。 その原因は何だろうか。第一に考えられるのは経営者の考え方や経営に取り組む姿勢などが大きな要素となっている。第二にマーケィテングや

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 15

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿13-2

          企業の存在意義を考える(13-2) 私が相談に乗った多くの会社は小規模であり、自ら創業したものもあるが、多くは2代目、3代目である。生まれた時から社長になることを運命づけられた人たちも多かった。だからではあるまいが、会社は自分のもので自社以外はあまり気にしないという自己中心の社長も少なくなかった。   先代の時代は右肩上がりで需要が旺盛、「いけいけどんどん」の時代を経験している方も多く、その流れや社風をそのまま引き継いでいる会社もかなりあった。後継者となった今の社長は先代のや

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿13-2

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿13-1

          企業の存在意義を考える(13-1) 株式会社の原則の一つに「所有と経営の分離」があるが、このことは会社の所有者と経営者(代表者)が一体でなく分離していることをいう。株式会社の仕組みは、会社の規模が大きくなればなるほど多くの人たちから資金を集めて経営することができる。   上場会社などでは資金の調達が不特定多数から集めることができるという利点があるが、反面、高い配当を出し続けなければならない。また、経営能力に優れた経営者を外部から招聘できるというメリットもある。 大手企業になれ

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿13-1

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 12

          今の業績は過去経営の証である(12) 現在おかれている自社の経営状態は、過去から現在まで経営に対し取り組んできた業績結果の証といえる。5年前、3年前の経営に対する考え方や経営に対する意気込みが時間とともに今日を創ったものであり、今の業績に現れたものである。 もし、5年前、10年前と比べて業績が落ち込んでいるならば、その間の努力が足らなかったのか、あるいは間違った考え方や行動だったのか、または景気や社会情勢など外的要因によって影響されてきたからなどであろう。 このような会社が

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 12

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 11

          心ひとつの置きどころ 11 毎日、夜寝るときに必ず部屋のガラス戸の鍵をかけ、朝起きてウォーキング時に鍵を開けるのが習慣である。今日は朝起きて「ふっと」と思ったことがある。それは鍵が開いていたのだ。てっきり閉めて寝たつもりが開いていたのだ。 もし、空いていることがわかって寝ようとしても心配が先に立って熟睡はできなかったと思う。知らなかったから心配せずに熟睡できたのである。このことは心の働き、すなわち自分の意識が心配を感じたり、あるいは感じさせないという思いや行動を起こす原因と

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 11

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 9-2

          経営は単純に考えるべき(9-2) 今年に入り、同じような(9-1の内容と)相談が続いており、その内容は「儲からない」という企業からの相談である。ある建設業からの相談であるが、この会社は前社長(現社長は前社長の妻)の死去後社長となり9年が経っている。決算書をみると6期連続赤字、金融機関からの借入も増加し、今はニューマネーも難しくなり社長本人の個人資金を会社に入れている。   一般住宅などの新改築工事を主体としているが、受注後はほぼ100%外注に頼っている。したがって、赤字の原因

          天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 9-2