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SIDE TRACK(サイド トラック)

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トゥーヴァージンズ発の新たな連載メディアです。 本線(本来の道)とは別の“もうひとつの道”。 そんな脇道にふと入っていった先に、 まだ見ぬ言葉や文章、景色との新たな出会いがありま… もっと読む
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記事一覧

第13回 着想はどこから得るか

この4月からシナリオ作家協会が主催しているシナリオ講座というところで講師を始めました。以…

第13回 ムイシュキン

この文章は、筆者による世直しの提案である。私事で恐縮だが春から勤務地が変わり、著しく混雑…

25 でべそとボタン

子どものころ、でべそだった。 母は、わたしを病院に連れていった。 医者は、「成長につれて…

第12回 「ダメな人」を書くのはますます難しくなる

僕のシナリオにはよく「悪い人が出てこないよね」と言われます。これはまったく褒め言葉ではな…

24 存在と情報

存在とは、言い換えると情報のこと。 存在感があるとは、つまり情報量が多いことなのだろう。 …

第4回 「今年は服が来る」

先日渋谷に行って確信した。服は流行っている(これマジ)。 以前何かのテレビ番組で「今年は…

23 花火とケンカ

花火は、ケンカだ。 ケンカは、花火なのだ。 どちらも、内部情報の短時間での全暴露。 だから、人は見物する。 あの化学薬品とあの化学薬品を掛け合わせると、あの色になるのか。 つまりこの人の現恋人があの人の前恋人なのか。 一目一聴瞭然。 一年かけて、この花火大会のために仕込んだのだから。 自分の青春をかけて、恋愛をしたのだから。 コスパが高い。 見世物として、成り立つ。 花火大会では、失敗は禁物。 ケンカでは、ここでケリをつけねば一生の恥。 ゆえに、緊張感が半端ない。 そ

第12回 天使と尼僧

「『ブッダ』を繰り返し読んでいたせいで、輪廻転生の考えが染みついてしまって、だからクモを…

第11回 脚本家のギャラ事情

脚本家っていったいどのくらいのお金をもらっているのでしょうか。脚本家に限らずあの仕事って…

22 言葉と体験

「言葉にならない」という言い方がある。 「言葉にできない」という言い方がある。 しかしその…

第11回 主よ、人の望みの喜びよ

友人がなか卯の「天然うにいくら増し増し丼」を激賞していた。これまで、わたしから友人にセブ…

21 基準と心拍数

基準とは、心拍数のことなのだろう。 歩くピッチも、話す速度も、おにぎりを握るテンポも。 我…

【シネマコラム】 拝啓、スピルバーグ様 003 

003. アカデミー賞なんかこわくない 後編 Edit & Text by Shigemitsu Araki あともう数時間…

第3回 「睡眠は明日の自分を信じていないとできないから難しい」

最近どうも寝つきが悪い。目的地の入り口がわからずにその周辺をぐるぐると周っている感覚。そもそも、睡眠というのは明日の自分を信じていないとできないから難しい。まだ会ったことも話したこともない人に「明日」という貴重な一日を任せるのが不安なのである。今日の自分が良すぎると「今日の自分を手放したくない」と思い、今日の自分が終わっていると「明日の自分も終わっているのでは」と思う。少しでもいいから「明日の自分」の面接をできる時間があればいいのに、と思う。それによって余計に眠れなくなること