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感情がなくなった日の話。

もう15年も前の話になる。前の会社に勤めていた時のこと。私は、感情をなくしていた。

今の会社に転職して、少しずつ感情を取り戻したいった。

理由は、働きすぎによる過労だった。

新卒で入社したサービス業の会社。会社の規模は中くらいで、あまり大きくはなかった。

毎日残業が5時間から6時間あった。月の残業時間は、120時間を超えていた。休みは、月に7日で、年間休日が84日しかなかった。それも、午後から休みで、次の日の午前中まで休み、という半休が2回で1日休みとされていた。

初めて入社した会社だったから、社会なんてそんなもんなんだと思い込んでいた。若かったし、体力もあったから、大丈夫だったはずだった。

自分の感情を押し殺して、がむしゃらに働いた20代の若い自分。実は、たった2年間だった。

たぶん、この頃に、私は感情をなくしてしまった。鬱状態にも近かったのかもしれない。何も感情を感じなくなっていた。自分はロボットなんだと心の中で言い聞かせていた。そうでないと、働いていられなかった。

残業代は月に3万円が上限と決まっていた。時給に換算した時、100円だったことに気づいた時に、辞めようと決意した。

辞めようとしていた矢先、体調を崩した。重度の貧血で仕事どころか普段の生活もままならなくなっていた。療養期間は半年間にもなった。

あの頃に比べれば、今は天国だ。

年間休日125日。フレックス制度もある。月の残業時間は、数時間から30時間程度。完全週休2日制のうえに、組合の休みもある。

初めて今の会社に入社した日は、ビックリしすぎた。あまりのカルチャーショックで、半休かと思ったくらい。スキップして帰ったことを覚えている。

ふと、あの頃の記憶を思い出したので、忘れる前に記録しておこうと思った。

今でも悲しいことがあると、ふと自分の感情を押し殺しそうになることがある。若い頃の癖なんだと思う。自分をもっと大切にしたい。

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