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プロダクト戦略と放送業界の変革にインパクトをもたらす、TVerの「データ活用」の価値とは/データエンジニア・データサイエンティスト対談

企業のDXが進む現在、あらゆるビジネスの現場で「データ活用」の重要度はどんどん増しています。その中で、データエンジニアやデータサイエンティストなど、エンジニア職の中でも比較的新しく登場したポジションの注目度も高まっています。

株式会社TVerでも、エンジニアリング組織の構築と並行してデータの利活用を強化中です。

そこで今回は、社内でデータ活用・分析の業務を担当するデータエンジニアの黒瀬、データサイエンティストの高橋にインタビュー。なぜデータの管理・分析に関わる業務を担当するようになったのか、社内でどのような立ち位置を担っているのか、TVerでの仕事に感じるおもしろさなど、詳しく聞きました。

■プロフィール
サービスプロダクト本部:黒瀬 祐平(写真左)
新卒でSIerへ入社後、自動運転システムを開発するスタートアップ企業にてインフラエンジニアを経験。2020年3月に株式会社YourCast(現:株式会社TVer Technologies)へ入社し、放送に関わる視聴データを収集するシステムの構築・運用を担当。担当事業の株式会社TVerへの吸収を経て、2021年4月より現職。

サービスプロダクト本部:高橋 昂也(写真右)
1社目では化学品メーカーにて研究職として発泡樹脂の製造に携わり、製品改良のための実験を行う。業務効率の向上を目指して独学でデータ分析に触れたことがきっかけで、データサイエンティストへと転身。データ分析受託とコンサルティングを行う企業で経験を積んだ後、2022年7月にTVerへ入社。


「手触り感」を持ってプロダクトの成長に寄与できる、TVerの事業に惹かれた

——まずは、お二人の自己紹介をお願いします。

黒瀬:私はTVerでデータエンジニアとして、サービスの運営や改善に必要なデータを集め、データを分析しやすい形に加工できる仕組みの構築・運用をメインに担当しています。新卒でSIerに入社して以来、ずっとエンジニアの仕事を経験してきました。

2020年3月にTVerのエンジニアリング組織の前身となる株式会社YourCast(現:株式会社TVer Technologies)へ入社したことが、TVer参画のきっかけです。

当時は、テレビの放送に関わる視聴データを収集するシステムの構築・運用を手がけていました。担当事業のTVerへの事業移転によって2021年4月よりTVerに所属となり、現在に至ります。

高橋:私はデータサイエンティストとして、プロダクト戦略や各タスクの施策における効果測定、全社KPIの管理をサポートしています。

以前は化学品メーカーの研究職という、現在とはまったく異なる職種に就いていました。発泡樹脂の製造に携わり、製品改良のための実験を日々行っていたんです。

日頃の実験には危険が伴うため、リスクを防ぎつつも効率的な改良提案ができないかと考え、思いついたのがデータの利活用でした。一から独学でデータ分析を始め、非常におもしろく感じたことから、データサイエンティストを志望するようになりました。

その後はデータ分析とコンサルティングを行う企業へと転職し、4年ほど経験を積んだ後、2022年7月にTVerへ入社しています。

——黒瀬さんは開発業務を長く経験してきた中で、なぜ放送業界へのチャレンジを決めたのでしょうか?

黒瀬:視聴者や放送局、さまざまなステークホルダーに密接に関わる「テレビの視聴データ」を扱える点に魅力を感じたからです。

YourCastに転職する前、今後のキャリアを見据えて、エンジニアリングだけを追求するのではなく、市場の動きやビジネス戦略を汲んだ開発業務に携わりたいと考えていました。

前職での自動運転システムの開発業務は、将来的な実装に向けた技術検証を行うフェーズにありました。社会的意義の高い仕事だと感じていたものの、私自身は今ユーザーに必要としてもらえるプロダクト開発への関心がより強かったのです。

そこで、ビジネスの意思決定につながる情報を提供できるデータエンジニアの仕事に興味を持ちました。

——前職でデータサイエンティストとしての経験を積んでいた高橋さんが、次のステージにTVerを選んだ理由もお聞きしたいです。

高橋:自分の好きなドメインのサービスに関われることが、入社の大きな決め手です。

前職では大手通信キャリアの顧客情報を扱っていましたが、自分自身がユーザーではないサービスに対して、手触り感がいまいち持てずにいました。その点、テレビは昔からずっと見ていた大好きなコンテンツだったため、データの価値を実感値を持って理解し、活用できると思ったんです。

放送業界での転職を考えていたタイミングで、TVerからスカウトメッセージをもらえたのは幸運でしたね。

プロダクトを伸ばす効果的な施策を打つために「データの利活用ができる組織」を目指して

——データエンジニアとデータサイエンティストとして、TVer社内でどのような動きをしているのでしょうか?

黒瀬:他タスクからの「このようなデータが欲しいのですが、対応できますか?」「データがうまく出せないので原因を調査してほしい」といった、さまざまな要望や依頼に応える役割を担っています。

また、地上波の視聴データも扱っているため、在京在阪キー局各社とも直接やり取りを行っています。

高橋:TVer社内では、ビジネスサイドを担うタスクやサービスプロダクト本部に所属する開発メンバーと関わる場面が多いです。

例えばコンテンツ編成タスクに対しては、TVerの画面上で各コンテンツをどのように配置するか、期間限定で配信した特集企画がどのくらい再生されたか、などのデータを提供しています。数字を次の施策や企画の立案に役立ててもらうことが大きな狙いです。

——他タスクとの協働で心がけている点、工夫している点はありますか?

高橋:データ分析の依頼を受ける際、データを活用する意図と目的を必ずヒアリングするようにしています。依頼内容によっては「どのようなデータを出すべきか」から一緒に考える場面も少なくありません。

例えば、TVerのマイページ上から目当ての番組にすぐアクセスできる「お気に入り」機能に関するユーザー行動を分析する場合、「ユーザー1人あたりがどのくらい『お気に入り』登録をしているか」「ユーザーがどのタイミングで『お気に入り』登録をしているか」など、さまざまな切り口での分析が想定されます。

つまり、何を調べたいかによって、見に行くログが異なるんです。また、意図や目的によっては、データの抽出方法を変えたほうが本当に必要な情報にたどり着きやすいかもしれません。

ゆえにデータサイエンティストは、目的を叶えるためにどのようなデータをどのように抽出できるかを、正確に理解しておくことも重要だと考えています。

黒瀬:そういえば、高橋さんは以前「黒瀬さんが管理しているデータ基盤の運用と修正を手伝わせてほしい」と声をかけてくれたことがありましたよね。

高橋:データ分析を行う立場として、扱うデータがどこから来たものなのかをきちんと理解したくて相談しました。その経験が、現在の他タスクとの協働にも活きています。

TVerではあらゆる立場のメンバーが、常に「TVerをより多くの人に知ってもらい、楽しんでもらうためにどうすればよいか」という問いに向き合っています。

確度の高い仮説を立てるためにも、定量的なデータは必要不可欠です。しかし社内では、まだまだデータの利活用を十分にできている状態とは言えません。

社内で「データを参照する」文化を醸成するために、どのようなデータを出せばよいかわからなくても、皆さんから気軽に相談してもらえるような存在になりたいと思っています。加えて、あらゆるデータを目にしている自分から積極的に提案を行い、これまで以上に貢献できる範囲を広げていきたいですね。

データ活用の観点から、言葉通り「何にでも挑戦できる」環境がTVerにはある

——それぞれが感じる「TVerで働く魅力」について聞かせてください。

黒瀬:放送業界の動向や放送局各社の考えを汲みながら、広告会社やユーザーも含めた全方位に価値を提供する事業は、難易度が高いからこそおもしろいです。

TVerでは、放送業界のど真ん中というか、最先端のポジションで仕事をさせてもらっているなと感じます。影響力の大きな仕事に取り組むことで、自分自身のキャリアの幅や可能性も確実に広がりました。

高橋:私は純粋にテレビ番組が好きなので、TVer上だけでなく地上波の視聴データにも触れられることがやりがいにつながっています。「視聴者の好みや世の中のトレンドを最前線で知れる。なんて楽しい仕事なんだろう」と。

黒瀬:70年以上の歴史を持つ伝統的な「テレビ」という媒体と、現在の技術を駆使したインターネット上のプラットフォーム、双方のデータを活用している点が私たちの仕事の大きな特徴です。

これらのデータを活用して目指すのは、テレビ上のコンテンツをより多くの人に届けられるような視聴者体験のアップデートです。データを通じて、あらゆる施策や方針の意思決定に影響をもたらす責任の大きなポジションを担っていると言えます。

——TVerの仕事は、業界全体を巻き込むような影響力の大きさを感じられるんですね。

黒瀬:加えて、働く環境としてもTVerは魅力的だと感じます。放送局からの出向者を含めて、TVerで働くのは尊敬できるメンバーばかりです。常に彼らに刺激を受けながら「ぼんやりと過ごしているわけにはいかない」と、良い意味での緊張感を持って仕事に取り組めています。

加えて、自分のロールを超えて、やりたいことにどんどん挑戦できる風土もあります。「自分のスキルアップや今後のキャリアにつなげたい」という意識からだけでなく「サービスをさらに成長させたい」という向上心を持ち、手を挙げられるのが楽しいですね。

高橋:たしかに「こういうことをやってみたい」と発信したり、自主的に集計したデータを見せたりすると、周りの人たちはみんな「それいいね、おもしろいね!」と歓迎してくれます。自分の考えを否定せずに真正面から受け止めてもらえる環境は、本当にありがたいです。データサイエンティストとして、これほどモチベーションにつながることはありません。

前職では分業体制が明確だったため、業務面の効率は良いと感じる一方で、自分が担当する仕事にどのような意味があるのか、いまいち実感を持ちづらかったのが正直なところです。その点TVerでは、役割分担が良い意味で曖昧かつ、ステークホルダーやユーザーに近い距離感で仕事に取り組めていると感じます。

黒瀬:TVerでは、放送業界をインターネットという仕組みの上で盛り上げていける、唯一無二な立ち位置で事業に携われます。自分の挑戦する範囲を広げ、キャリアにおいてできることを増やしたいと考える人にとってはぴったりな環境に間違いありません。

私たちも、業界全体を巻き込む壮大なチャレンジに、データ活用の面で今後も貢献していけたらと思っています。


株式会社TVerでは、一緒に働く仲間を募集しています。興味のある方は、こちらからエントリーください。

TVer Tech Blogもぜひご覧ください。

取材協力:CASTER BIZ recruiting

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