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The Model型営業組織 vs Pods型営業組織について


BtoBセールスAIサービスを提供する株式会社アウトラウドの共同創業者 取締役COOのさとまつです。

今回は、BtoBスタートアップ、生成AIのSaaS型ビジネス、The Model型の営業組織をこれから強化する企業、果たして本当に良いのか?と改善検討している企業のCXO、マネージャーの方向けになります。


自己紹介

簡単に自己紹介いたします。
名前:松本悟志(SNSでは、さとまつ)
学歴:筑波大学->筑波大学院(博士前期課程)、生物化学工学を専攻
職歴:マクニカ(2年)-> Wrike(3年)
概要:インサイドセールス、エンタープライズAE(新規担当)、SMB+エンタープライズのアカウントマネージャー、パートナーセールスの全セールスプロセスを経験。主に通信・ハイテク業界、製造業のお客様を担当。マクニカではネットワーク機器製品の販売、Wrikeではプロジェクト管理、業務フロー改善、部門間コラボレーションの業務効率化をご支援していました。

詳細はこちらのインタビュー記事をご覧ください。

The Model型のメリットと限界

今となってはBtoB事業者の間では知らない人はいないであろう「The Model」という概念ですが、営業活動の各プロセスを1人で行うのではなく、各部門の専任担当者に分けて分業制を敷く営業スタイルとして、オラクル/セールスフォース・ドットコム/マルケトなど名だたる外資ITに在籍していた福田康隆氏が、著書「THE MODEL」の出版とともに日本に名が広まったものです。

The Modelのイメージ

The Model型のメリット

私は新卒で日系IT企業に入社し、その後の外資IT(Wrike)に転職した際にまさにThe Model型営業組織のメンバーとして働いておりました。その際、営業プロセスの標準化、仕組み化に感銘を受けました。特に以下の観点です。

1. アカウントセールス型と異なり、個人の役割・成果指標(KPI)・ルールが明確化されるため、担当視点でも取り組むべき事項がわかりやすい
2. 営業育成(セールスイネーブルメント)による役割(ロール)別のトレーニングの最適化がしやすい。
3. 型化しやすく、ツールに業務を乗せて仕組みとして回しやすい。
4. ジュニアクラスの育成、成熟度に応じてより高度な役割へ再配置し、継続的な組織形成がしやすい。

上記に加えてUSやEUであると、Prospects(見込み客)やCustomer(既存顧客)のオフィスとの地理的な距離もあるため、The Model型の概念を取り入れて、インサイドセールスとフィールドセールスを分けるというのは、売り手目線だと理にかなっているなと思います。(インサイドセールスで案件見極めし、商談温度が高い場合はトスアップ、低い場合はナーチャリングすることで、会社として営業コストを抑えられる)

The Model型の限界

一方で、このような素晴らしいメリットはありますが、US企業はThe Model型からPods型組織へ移行しています。推測ですが、以下が起因していると思われます。

・事業フェーズやマーケット起因によるリード数対象顧客数が少ない
人材の採用確保が難しい
・人材(営業)コストが高い

セールスフォース社のようなLTVが大きいプロダクト(比較していないためあくまで推測)かつ、ホリゾンタルで継続的に顧客獲得や既存顧客向けにExpansionできるような事業である場合は、対象顧客がSMB・エンタープライズ問わずThe Model型は強い効力を持っているかと思います。(エンプラの場合は新規のみ)

しかし、マーケットのマジョリティの獲得フェーズ事業ドメインが成熟している場合や、売上<利益 重視の経営スタイル、継続的な人材確保と社内育成が難しいとなる際に、限界が訪れているように見受けられます。

Pods型組織への移行と取り組み

そこで、US企業を中心に数年前からPods型営業組織への移行というのがされている状況です。全てのUS企業の状況はわからないですが、手探り状況ではあるが体制変更とツール運用の見直しがされている様子です。

Pods型組織のイメージ

直接お会いした方には外資ITでの取り組みや、(当時)メンバーとしての所感や考察など、共有できる範囲でお話はできるかと思いますので、個別でご連絡ください!笑 本noteとしての発信は、あくまで概要で留めておきます。

Pods型組織をざっくり説明すると、
1. 役割はそのまま
2. 対象アカウント(顧客企業やセグメント)単位でチーム=Podsを組成
3. 戦略的に対象アカウントごとに営業活動を行う
4. Podsごとにナレッジを蓄積していき、アカウント単位でセールスを行う
です。

これによるメリットとしては、顧客(アカウント)起点のセールス組織体制となるため、より戦略的・顧客起点の営業を実現しやすくすると考えられます。

たしかに、例えばトップTier(戦略アカウントやセグメント、年間取引が大きい)に関しては、The Model型のように売り手の都合で矢継ぎ早に売り手側の窓口が変わるよりも、あなたの会社・業界をよく知っていますよというPods(チーム)で対応してくれるメーカーのほうが、顧客購買体験的に良いですよね。

あとは、The Model型組織だとよく発生する「担当のKPI達成の個別最適化による、部門間摩擦」が緩和されて、KPI達成の全体最適に適した体制に近づくことができるのではと私は考えています。

少し脱線しますが、私が学生・大学院生のときの専攻(生物化学工学)の基礎中の基礎である「個別最適の和≠全体最適」という教えがあります。モノの生産プロセス設計を行う分野でもあり、「原料投入->加工処理->生産物(目的物)」のプロセス設計を行います。加工処理部分ではさらに細分化された複数の処理プロセス(例:Aプロセス、Bプロセス、Cプロセス)の組み合わせとなり、一見それぞれのプロセスごとに最適化(例:生産量や質)を行うことで、全体最適になるのではと思われるかと思います。しかし、よくあるのが蓋を開けてみると各プロセスごとで出た成果物が、次のプロセスにとってToo muchであったり、逆に後工程にとって扱いづらくなることが起こるのです。

The Model型組織においても同様なことが生じます。インバウンドリードを対応するSDR(sales development representative)、リストアップしアウトバウンドコールを行うBDR(business development representative)が自身のKPI達成のために温度感が低いリードを有効商談リードとみなし、数を捌き達成し、後工程のフィールドセールスにとって負荷になる。フィールドセールスが強引にクロージングして、カスタマーサクセスにあとはよろしく!と丸投げするケースなどなど。いづれも、それぞれの工程で自身のKPI達成の最大化を図った結果に生じる現象かと思います。

これらは社内のコミュニケーション課題ではなく、仕組み評価指標による課題のためマネージャークラスでないと解決できず、早く対処しないと現場から不満が続出します。

私は前職のときは、The Model型の組織体制のときでも個人的にこの課題に直面するケースがあまりなかったです。(組織課題としてはありました)
ポイントとしては、「商談準備の情報共有性」「顧客起点の提案」をセールスとして心がけ・実践していたためと考察しています。どんなに対応件数が多くなったりや突発的なタスクがあったとしてもです。

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