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Twitterに私の居場所はなくなった


誰かのまとまった表現を読むのが好きだ。
そんなわけで、もっぱら最近は誰かのnoteやらブログやらに引きこもっている私である。


5年くらい前、ある2次元のキャラクターが好きで好きで仕方なくて、新商品が出ては値段も見ずに購入し、そのキャラが出演している2.5次元の舞台はツテを頼ってチケットを購入し、何度も通ったりしていた。

当時は、Twitterをフル活用していた。

二次創作をしていたので、更新しては発信し、感想をもらっては喜び、そのキャラの考察をリプライ上で熱く語ったりしていた。お金も時間も湯水のように使ったけれど、あんなに夢中になれることってもうないだろうなと断言できるくらい、たのしくて、きらきらしていて、夢みたいな時間だった。

ただ夢はいつか醒めるもので、グッズのほとんどをフリマアプリに出し、今は一切の情報も追いかけていない。Twitterのアカウントは、長年お世話になったフォロワーさんにさよならを言い、消した。

1年ほど前、第一子を妊娠した時に、新しくTwitterアカウントをつくった。

初めての妊娠・出産だから、情報を集めてみようかなと気軽な気持ちだった。ただその頃からTwitterが何やら変になった。5年前は、フォローしている人のツイートが新着順に並んでいた。だが今は、フォローしていない人が「おすすめ」のツイートとして、時間もランダムで表示されている。

この「おすすめ」が厄介だった。
妊娠・出産アカウントだから、子育てについてのツイートが流れてくるのはわかる。ただどれも、心にひっかき傷を残すようなツイートばかりなのだ。「ワンオペ育児が辛い」「0歳を育てているのに、主人は飲み会ばかり」「子どもへの犯罪被害」……。

そういうツイートが悪いわけではない。だが140字に詰められた、悪意のかたまりのような、ネガティブなオーラをまとった文字の集合体は、私の心をじわりじわりと蝕んだ。いつしか私はnoteの更新をお知らせする時にしか、Twitterを開かなくなった。

ある日、いつものようにTwitterを開き、noteの更新をお知らせするツイートをした。
ふとトレンドを見ると、推し球団の関連単語がトレンドに入っていた。「ん?何かあったのかな?」と思い、気軽な気持ちで開いた。そしたら地獄が広がっていた。

よく分からない文章と、推し球団とは関連がない大量のハッシュタグと、猫の動画で構成されているツイートだった。一瞬でスパムだなと判断できたので、ブロックした。下にスクロールしたらまた同じツイートが並んでいた。またブロック。スクロール。ブロック。スクロール。ブロック……。

10回くらい繰り返して、さすがにおかしいと気づいた。あまりにも数が多すぎる。

トレンドに関する正しいツイートも見つけられたが、スパムに埋もれている状況だった。首をひねり、他のトレンドを見に行く。文章や動画は違えど、スパムの巣窟だった。

絶句した。いつの間にこんな地獄が出来上がっていたんだ。

調べるとTwitterで収益化ができるようになった影響らしい。
さらに調べると、収益化アカウントを運用するために、条件があることが分かった。自分のツイートのインプレッション(表示回数)を稼がないといけないらしい。

収益化がはじまった途端、トレンドの単語を使い、質の低い(私から見たら”品質”という概念さえない)ツイートをする人が大量に増えた。インプレッションを稼ぐため、インフルエンサーに手当たり次第にリプライする現象も起きているらしい。スパムアカウントが猛威を振るっているところを見ると、Twitter社のフィルターは明らかに間に合っていない(もしくは対策自体してないのか)。

私はTwitterをそっと閉じた。

もう5年前の楽しかったTwitterの姿は見る影もなくなってしまった。自分の稼ぎのために、注目のために、質の高い情報発信など微塵も考えていないアカウントが大暴れする地獄と化してしまった。

Twitterに私の居場所はなくなったと悟った。あ、今はXか。もうどちらでもいいけど。

手軽に何でも発信できて、みんなでワイワイできる感じや、いろんなトレンドを巡って、「そんなものがあるんだ」と知る、あのワクワク感が好きだったのになぁ。


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