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【詩の森】587 僕と君の本棚

僕と君の本棚
 
僕と君の本棚に
同じ本が一冊もなくても
僕らは分かり合うことが
できるだろうか
たくさんの情報の中から
君が知ったことと
僕が知ったことは
きっと同じではないはずだ
 
僕らは知っている知識で
世界を見ている
君と僕に見えている世界が
全く違うとしたら
僕は考えるだけでも
ぞっとしてしまうのだ
膨大な情報の海原に
僕らの小舟が浮かんでいる
 
僕と君の本棚に
同じ本が一冊もなくても
僕らは分かり合うことが
できるだろうか
僕らの知っていることが
そんなにも違ってしまったら
僕らは話し合うきっかけすら
失うかもしれない
 
考え方が違うというだけで
レッテルを貼る人は
既に話し合うことを
拒んでいるのだろう
重要法案が
軒並み強行採決されるこの国―――
問答無用の社会に果たして
未来はあるのだろうか
 
2024.1.19
 

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