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ネット碁振り返り#3


対局

この対局は野狐囲碁におけるものであり、私の白番で相手は8段の方である。

内容

今回も白番でゆっくりと構えるスタイルからのスタートとなりました。黒は足早に三々入りを決めた後下辺のシマリにカタツキというなんとも現代碁らしい進行を選んだわけですが、22と白に挟まれた形はあまり良いとは言えそうにありませんね。少なくとも工夫がしたかったように見えます。

同じ下辺へのカタツキを打つにしても、上辺に先着し、白の左辺を少し限定するような工夫をすることでカタツキの効力をあげるような進行が面白かったように思えました。

黒は下辺のカタツキを重たく動き出したかと思えば左辺を荒らしにと、なんだかチグハグのように見えました。こんなに焦らず、せっかく下辺を動き出すのであればもっと堂々と動かしても良かったと思います。

外して白に飛ばした後であっても、ノビを決めた後にトビで堂々と打つか、

鼻からじっとノビた後に大ケイマで中央に進出するような進行で良かったと思いますし、そのような進行を想定していました。

左辺の黒の一団が大きくなってしまったことで下辺の黒を心配する余裕がなくなってしまったようです。こういう時でも白は焦ってはいけません。実利は対して無いように見えますが、焦らず一歩ずつ進むのみです。

それでも下辺が死んでは大変だと、黒は急いで下辺の生きを目指してきました。
しかしながら59からの仕掛けが痛恨となってしまいました。ここでは

1と伸びておいて、最後に5と逃げ出す他なかったと思います。ただこれだと苦しい(形勢不利)と判断しての実践の進行であったのでしょう。
しかしながら、何か見落としていたのか、勘違いしていたのか、丸取られとなってしまってははっきり白勝勢となってしまいました。

しかしながら、まだこの段階で投げる訳にもいかないので、黒はどんどん勝負勝負と迫ってきました。

黒75あたりから左辺の白を最大限いじめてもうひと勝負と言わんばかりの進行です。

形勢が良い白としてはワリウチでもしておけば良いのでは無いか?考えるかもしれませんがそう思う時が一番危ない。
むしろ相手の弱みや隙がまだあるなら一気に畳み掛ける方が何倍も良いです。
ワリウチなどの一見安牌のような手を打つと…

かえって黒からのいちかばちかの大勝負を誘発してしまいかねません。
その為、このような局面では上辺に触らないようにまずは上辺から一気に距離を取ることが重要です。

黒が89と高く受けているので隙があります。
そこを狙うように90と迫るのが良さそうです。

当然黒は反対側からハサミを打ってきますが、ここで用意してある急所の白92で黒は痺れてしまいます。右下に守りの手が必要な黒に手をかけさせた後に白は今度は右上に目を向けます。

白としてここでようやく、"右辺が丸取られ"でないなら何でも形勢良しという状況を得ることが出来ました。そのため半分捨て気味の白108で右上か右下のどちらかを囮にする進行を選ぶことができます。

白は黒に対応を迫りますが、黒としては引くも地獄、進むも地獄の状態となり最終的には右辺の黒がまたしても攻め合い負けの結果となってしまいました。

今回の碁は序盤で所謂黒が見損じからの潰れとなり、早い段階で白が勝勢を築きましたが、その後の白の打ちましがいかに重要であるかというのがポイントとなる碁だったかなと思います。

あとがき

ご希望の布石や知りたいポイントなどの要望でも出来る限り応えたいと思います。
ご意見やご要望などありました、コメントやXで連絡をくれると嬉しいです。ありがとうございました。

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