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ワンポイント教室 #9


対局

この碁は野狐囲碁におけるネット対局で私の白番である。また相手は2段の方である。

内容

今回のポイントは終始この左下の黒のミスに尽きる話である。この黒19のツギであるが、これは部分的に定石外れである。置碁などでも良く現れる隅の定石の一つであるが、低段者や級位者に限ってほぼ必ずこのツギを選ぶ傾向にあるように思う。"大したことないでしょう?"と思っている人もいるかもしれないが、それは大間違いである。この碁はそれを説明するいい機会になりそうである。

結論だけ言うと、隅のツギが正解なわけだが…
こちらをツガないと、白はいつでも生きる手が残っていると言うことになる。そうすると、黒は過度に左下の白を攻めるようなことが出来ないため、全局的に問題が発生するのである。

まず第一に、何故か(皮肉)白は左下の一団が強い石になってしまったため、右下の実利を稼ぐことで地合いのバランスをいきなり崩しにいくことが可能となる。さらに…

34とカタツキを一本きめることで、黒模様の牽制をすることが出来る。

加えて左下において白は強気にでることができるので、オシからの模様拡大に対し黒は反発出来ない。白50の手をもってして白は既に勝勢である!

黒は焦ってキリからことを起こそうと企てるも…

生きを図るにはあまりにも狭そうである…

なんとか捨て身のコウに持ち込んだとしてもコウ材がないのである。

白としてはとってしまえば、勝ちであることから、余裕がかなりある。

左下がちょうど良い囮になってしまい、黒は本体がとられてしまってはどうしようもない。

右辺の黒模様を再度制限してチェックメイトである。このように一つの隅の定石一つとっても正しく打つことが如何に重要であるかを理解していただけたと思う。

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