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猫に慣れない

30年くらい、猫と暮らしている。一人暮らし期間を抜いても四捨五入するとそのくらい。
私の3歳の写真にはすでに黒猫が写っている。大人しい猫で、毛がツヤツヤしていたことを覚えている。以前占い師に「守護霊5人と猫2匹が貴方を見守ってる」と言われたがそのうちの1匹だそうだ。そうであるなら嬉しい。

我が実家には納屋があった。祖父が仕事で使っていたらしい大きなミシンが放置され、戸板の建て付けは悪く、人の出入りも手入れもなかった。子供時分の私は秘密基地にしようと画策したが、あまりに埃っぽかったので断念した。
その納屋が野良猫達の常宿になっていて、子猫がわんさか産まれた。時期になると納屋からミーミー聞こえる。納屋生まれの子猫達を自宅に引き取ったり近隣住民友人知人に譲ったりした。

だもんで、ずっと猫と暮らしている。家に猫が居ない時などなかった。

なのに、猫が家にいる事に全然慣れない。

我が家の白に黒ブチ猫、おキャット様は仕事帰りの人間を出迎えてくれる。帰宅直後、上り框で背中を擦り付けるようにコロコロしているおキャット様と目が合う。目が合うとコロコロを止める。
よくツイッタランドに玄関で寝ているおキャット様の写真を載せているが、大概は寝ていなくて目を瞑っているだけであり、写真を撮る構えをすると寝たふりをしてくれるのだ。優秀すぎる。そしていつもいつも思う。

なんかっ、毛むくじゃらのむりむりした存在が、人間と一緒に暮らしているっ。

共通言語を持たない、毛の生えていない肌が露出した存在と暮らしてるおキャット様の懐の深さよ。
お出迎えしてくれるのお??かわいいい、と正しく猫撫で声で人間の顔を近づけられるおキャット様、嫌そうにするが決してどかない。懐がでかい。

食卓につけば膝にのってくるおキャット様。
8畳の部屋で、わざわざっ、人間の、膝の上に?冬ならいざ知らず年がら年中??

毎日同じ事で静かに感銘を受けているのだけど、明日も同じ事で心を打たれる気がする。
マンネリできないこの感動を有難うマイラブ。


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