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運命を変えるために人生はつづいていく

心がガサガサと音を立てて自分のことが大嫌いになりそうなとき、お守りのように聴く曲がある。

2019年に上演されたミュージカル「ロカビリー⭐︎ジャック」の劇中歌で、恋に落ちた主人公ジャックとルーシーが歌う一曲。
海宝さんもジャックを支えるマネージャー、ビルとして出演。

1950年代に誕生し、エルヴィス・プレスリーら人気シンガーが牽引し一世を風靡したロカビリー音楽――。
ロカビリーに魅せられた売れない歌手ジャックは、スターになるために悪魔と契約を交わす。それは“愛”を歌えないジャックにシンガーとしての成功を約束する代わりに、彼の中に“愛”が生まれ大きく育った時、命とともにそれをもらう…という契約だった。 
一年後、成功の階段を駆け上がるジャックの前に、一人の女性シンガーが現れ、二人は一瞬で恋に落ちる。悪魔がささやく「こりゃ意外と早く“愛”を味わえそうだ…」。

昨年の自粛期間が長引く中、森亮平さんとのリモートセッションで公開してくれたこの曲。

森さんの柔らかい伴奏に斉藤和義さんの詞と海宝さんの優しい歌声が乗せられ、言葉のひとつひとつがゆっくりと心に響いていく。

Aメロではルーシーの心情もジャックの後悔も痛いほど胸に突き刺さり、そうだよねと私の気持ちに寄り添ってくれる。
Bメロからサビにいくにつれ、恋に落ちた2人が顔を上げ笑い合う姿に勇気をもらえる。

「運命を変えるために人生は続いていく」

ラストにかけて2度繰り返されるこのフレーズ。森さんのピアノと海宝さんの歌声に包まれ心のささくれが治っていくそんな気がして涙が出てしまう。

言葉のひとつひとつを丁寧に紡ぎ、丁寧に音に乗せ私達に正面から届けてくれる。
嘘が何もない歌声。

こんなに歌声を聴いていたいと思うのは人生で初めてで、たとえ会場の席が遠くても声が聞けるだけで、と思っている自分にも驚いている。

こんなに心震える歌声に、その人に出逢えたということ。人生が続いていて良かったと心から思える。

この先もどんな運命が訪れるのか分からないけれど、こんな素敵な出逢いもあるんだと、もう少し進み続けてみようと思う。

この道を選び、歌い続けてくれてありがとうございます。

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