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テロリストに名など不要、主張も不要、使嗾した輩だけをきちんと詳らかに。

スロバキアのフィツォ首相(59)が15日、中部ハンドロバで銃撃され、重傷を負った。一時は深刻な容体とされたが、政府高官によると、搬送先の病院で治療を受けて生命の危機は脱した。
政治的な暴力事件が稀なスロバキアで首相暗殺未遂事件が発生したことに衝撃が広がっている。

出典:「スロバキア首相銃撃で負傷、生命の危機脱する 「政治的動機」と内相」
(『REUTERS(ロイター)』2024年5月16日)

まずは命を取り留められた事に一安心、岸田総理もきちんと言及されていて、安倍さんをあんな形で失ってしまった日本人の一人としても、こういった世界の在り様を決して許容してはいけないでしょう(岸田さんご自身も暗殺未遂にあってますし)。

このような民主主義に対する暴力行為を断固として非難し、スロバキア政府とその国民に対し、強い連帯の意を表します。

出典:「岸田文雄総理、「X(旧:Twitter)」2024年5月16日ポストより」

なお昨夜は初報をX(旧:Twitter)のタイムラインで確認した後、そのまま追いかけながら同時期の地上波オールドメディアもちらほら見てたのですが、、速報ベースでは流れていたのかもしれませんが、paypay不具合とか水原氏の裁判とか、どうにも緊急性の低そうなネタで彩られてました、自ら存在意義を放棄しているようにしか、、まぁ、最早どうでもいいか。

フィツォ氏は昨年、4期目の首相就任を果たした。30年にわたるキャリアの中で、親欧州派の主流派とEUや米国の政策に反対する国家主義的な立場の間を行き来してきた。近年はハンガリーのオルバン首相に同調し、ロシアの侵攻を受けているウクライナに対する西側諸国の支援への批判を強め、ウクライナの将来的なNATO加盟に反対を表明していた。

出典:「スロバキア首相銃撃で負傷、生命の危機脱する 「政治的動機」と内相」
(『REUTERS(ロイター)』2024年5月16日)

フィツォ氏は昨年9月の総選挙で第1党となった中道左派スメルの党首で、同年10月に3度目の首相就任を果たした。親ロシア派で、ウクライナへの軍事支援の継続にも否定的な立場を取っている。

出典:「銃撃で重体のスロバキア首相、予断許さない状況続く 国際社会からも非難の声相次ぐ」
(『産経新聞』2024年5月16日)

まぁ、それはそれとして少し気になったのが、フィツォさんのスタンスについての報道内容でしょうか。親ロシアとまではいかないまでも、ロシア寄りのスタンスとの伝え方が多く見られますが、、

スロバキアのロベルト・フィツォ首相は、ロシアのウクライナ軍事侵攻は「明白な国際法違反」として、ウクライナへの支援と連帯の必要性を強調した。また「ウクライナの領土の一体性、主権を尊重し、ウクライナにとって公正な平和的解決策が見いだせることを望む」と述べた。軍事支援に関しては「スロバキアは商業ベースで協力する用意がある」として、政府レベルでの軍事支援は停止するが、民間レベルでは支援を継続する意向を明らかにした。

フィツォ首相はまた、ウクライナのEU加盟に全面的に支援すると約束した。ウクライナのデニス・シュミハリ首相は感謝の意を表明した。

出典:「スロバキアとウクライナの政府合同会議を開催、復興へスロバキア企業参与にも言及」
(「ビジネス短信 - ジェトロの海外ニュース」2024年04月18日)

一方では、ウクライナとの外交上の機微もあるとは思いますが、バランシングを図ってるなぁとの様相も見てとれて、いわゆる八方美人外交を展開している、といったところでしょうか。これは地域特性もあるので、今の時点での是非は判断できないかな、と個人的には。

フィツォ氏は昨年10月、ウクライナに対する軍事支援の停止を表明した。今年1月には、戦争終結にはウクライナによるロシアへの領土割譲が必要だとも発言していた。4月の発言は「ロシア寄りからの修正」とも受け取れるが、スロバキアの隣国チェコに在住する細田尚志チェコ国防大学インテリジェンス研究所助教は「フィツォ氏は態度を変えていません」と語る。

細田氏によれば、フォツォ氏は「ポピュリスト」だという。常に、スロバキア世論の支持獲得や与党の利益を最大化することを考え、実践している。外交政策は、どの国・地域に対しても良い顔をする全方位外交を基本とし、「誰に対してもリップサービスをしている」(同氏)という。

出典:「スロバキアにみる、ポピュリストが跋扈する時代」
(「Forbes JAPAN」2024年4月23日)

こちらについては、牧野さんという方の記事を興味深く拝読しました。牧野さんの肩書には朝日新聞外交専門記者とあるので、ある程度のフィルタで濾してから読み解く必要があるとは思いますが、大枠では細田尚志さんという研究者の見解の紹介しているからか、丁寧でバランスの取れた分析内容になっていると感じました。

確かに、フィツォ氏は、「軍事的な手段は問題解決にならない」と訴えてきた。昨年10月の国民議会選挙でもウクライナに対する武器援助停止を公約に掲げ、勝利した。ウクライナへの武器無償支援の停止は、公約を実現したものだと言えるが、「すでに、スロバキアとして武器供与が可能な装備はすべて渡してしまったため、無償武器供与という選択肢がないのも実情」(細田氏)だ。フィツォ氏らは、武器をウクライナに売却する可能性は否定していないという。

フィツォ氏は、ウクライナとのエネルギー・鉄道インフラ連結強化や地雷除去、医療支援なども提案している。細田氏によると、フィツォ氏はウクライナを完全に敵視している親ロ派とは呼べず、外交政策として親ロシア・反ウクライナを明確にしているハンガリーとも大きく異なる。

戦争の解決手段を巡って、「ウクライナへの支援継続」を唱えるチェコポーランドと、「ロシアとの外交交渉」を訴えるスロバキアハンガリーに割れたが、「ウクライナにおけるロシアの行動は国際法違反」という認識では一致した。

フィツォ氏は4月、ウクライナのシュミハリ首相と会談した際にも「ウクライナにおけるロシアの行動は国際法違反」だとし、「ウクライナの領土一体性支持」という認識を示した。

EUに良い顔をするために、ウクライナのEU加盟は妨害しない。一方、ロシアに良い顔をするためにウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟については「第三次世界大戦につながるため、(NATO加盟の)提案があった場合はスロバキア議会内で批准拒否を訴える」と語っている。

細田氏は「結局、フィツォ氏は、スロバキア内政が優先であって、スロバキアとしてどのように欧州情勢に関与・貢献していくかという俯瞰的な戦略視点を持っていません。こんな安易な姿勢は、スロバキアの欧州や国際社会での評判を貶める危険性をはらんでいます」と語る。

フィツォ氏のポピュリズム外交が極端な親ロシア融和傾向を帯び、NATOやEUの結束の障害になる可能性もあります。目先の視点に基づくポピュリズムのつけにより、将来的に高い代償コストを払わざるを得なくなるでしょう

出典:「スロバキアにみる、ポピュリストが跋扈する時代」
(「Forbes JAPAN」2024年4月23日)

この辺りを俯瞰するとやはり、次のゼレンスキー大統領の見立ての重みがよりいっそうに増してくるなぁ、とあらためて。

ゼレンスキー氏が指摘する通り、ウクライナがロシアに敗北すれば、ロシアはソ連時代に影響下に置いていたエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国、さらにポーランドに侵攻するリスクが高まるからだ。

出典:「「次はバルト三国・ポーランド」露の侵攻阻止へウクライナの勝利は不可欠」
(『産経新聞』2024年5月4日)

さすがに今回のフィツォ首相の暗殺未遂事件、ロシアがスロバキアに対して「親ロシア化しろとの覚悟を決めさせるため」に、関ヶ原で小早川陣に家康が銃撃をぶち込んだようなテイストの行動ではないと思いたい所ですが、、さて、、そういや最近では鉄砲云々は創作とも言われてるのでしたっけ、、閑話休題。

最後に一つ、今回の暗殺未遂の実行犯について、上記の記事の中でも引用されているジャーナリストの「Szabolcs Panyi」さんのポストでも名前入りで言及されています。で、Szabolcs Panyiさん、東野篤子先生もフォローされている方なのですね、、少し、note の方での投稿などが出てくるかも気にしておこうかな、なんて。

so just to make clear: the connection below is factual. But does it also mean that the Russians must have been behind Cintula's assassination attempt? No, it doesn't. We don't know such details yet.
- 明確にしておきますが、以下の関係は事実です。しかし、それは、シントゥラ暗殺計画の背後にロシア人がいたに違いないということも意味するのだろうか?いいえ、そうではありません。そのような詳細はまだ分かりません。(Google翻訳)

出典:「Szabolcs Panyiさん、「X(旧:Twitter)」2024年5月16日ポストより」

個人的にはこのスタンスは信頼できると見ています。オシントベースになるでしょうけど、引き続き公開情報を収集しておきたいところ、なんて思いながら、、情報収集、整理、意識していかないと、、大事です。

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