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奇跡と愛に満ちた一日だった #魅惑のテルグ映画 #スッバラージュ来日 をふりかえる。

 いつものコンテンツ紹介みたいな口調ではないし、内輪向け(インド映画ファン)のテキストになってしまうけれど、どうしても文章として吐き出しておいて、この日のことをいつでも思いだせる状態にしておきたい。そういうパッションで書きます。

 2019年11月9日の川口はクンタラであった―。映画『バーフバリ』シリーズにて、こと日本において多くのファンを獲得したクマラ・ヴァルマ。そんな愛すべきキャラクターを演じたスッバラージュ氏の再来日。前回から実に一年ぶりの来日が実現とあって、日本マヒシュマティ王国は歓喜に包まれた。

 そもそもこれ、とてもすごいことなんですよね。インドでも名の知れた俳優さんが、多忙なスケジュールの合間を縫って、出演映画のプロモーション等ではなく、日本のファンに会いたいという理由だけで来日してくれる。その気持ちだけでも嬉しいのに、その実現に向けて主催のインドエイガさん魅惑のテルグ映画さんが調整してくださって、そこに日本のファンの迸る愛やV8Japanチームの協力が相まって、運営とファンとスッバラージュ氏の相思相愛の関係が極に高まったからこそ、あの一日が尊く愛に満ちた一日になったわけで、その場に立ち会えたことを本当に幸せに感じます。

 再び日本のファンに会いに来てくれたスッバラージュ氏。何度も感謝の言葉を紡いでくれたり、日本に来てくださいますか?の質問に即答で「YES」と答えてくれたりと、日本という国とそこにいるファンのことを本当に大事に想っていることが滲み出ていて。インドエイガ主催のラオさんが語るには、一緒にお仕事をした監督やスタッフさんもスッブの人柄に惚れて「my subbu」と呼んでしまうらしく、心の中で「わかる」って叫んだ。超絶スターなのに親しみやすく、優しくて思いやりに満ちたその人柄は、クマラを演じるために生まれてきたのでは!?!?と思ってしまうほどに清らかで愛らしい。

 続く質問では「読書がすき」「ホラー映画は怖くて観れない」というアイドルみたいな個性が明らかになりつつ、最近読んだ本の話では「みなしご元禄津波」の話題に。1700年にワシントンで起こった地震の余波で発生した日本の津波のことが綴られた本書を読み、普段から日本に興味を抱き学んでくれていることを知って、またしてもこちらが驚き感謝することに。

 しかも舞台挨拶後には自らステージを降りて、ファンと直接触れ合う場面もあり、スッブを間近で拝むことも出来たし、座席によっては握手やハグもできた。スッブ自身のファンと触れ合いたい・離れたくないという気持ちが伝わってきて、その光景は涙無しでは見られなかった。

 個人的に忘れがたいのはコチラ。お隣に座られてた方のクマラぬいぐるみがお気に召されたスッブ、「For me??」とニッコリ笑顔で、あまりの出来事に放心し声も出せず、なんとか絞り出した「yes」でそのままスッブの元へ…。プレゼントはNGというアナウンスと目の前で起きた超現実的出来事との葛藤に悩むご本人さんと、その隣にいる自分がなぜか手汗が止まらなくなる異常事態に、握手をおねだりすることも話しかけることも出来ず、目の鼻の先にスッブという状況におののいた。いやいや、フレンドリーが過ぎる。こわい。スッブはめっちゃ近いし大きいし足が長いし、あといい匂いがした。ぶっちゃけ、画質がいいなとか素直に思ったりした。4Kスッブ肌きれいすぎるしお目目がキラキラしてる。少女漫画かな??

 その時点で魂抜けそうになったのだけれど、続く2部では上映前に舞台挨拶。なんとこのステージでは『バーフバリ』『マガディーラ』の字幕監修でおなじみ山田桂子先生がご登壇され、山田先生とスッブの生テルグ語でのトークが聴けるという神イベントが発生。はじめての演技経験は「小学生の時に授業さぼって芝居小屋に芝居しに行って怒られた」というエピソードにはあまりの可愛さにため息が出るし、「ラージャマウリ監督が『Mirchi』を鑑賞してスッブをオファーした」「『GeethaGovindam』の撮影終了の直後に着替えて鞄を持って日本に来た」という裏話には劇場全体がどよめいた。思い出していただきたいのですが、このイベントの入場料金ってたった4,000円なんですよ。いいんですか!?

 そんな舞台挨拶の後、『GeethaGovindam』がお気に入りであるスッブが我々と一緒に映画を観るという超絶展開に、悲鳴じみた歓声が止まらない。スッブと一緒に映画を観るって本国インドのファンでも中々成し遂げられない偉業でしょ。

 スッブの凄まじいファンサ精神はこれに留まらず、終映後のファンのお見送りをスッブ自らが行うことが上映前に発表されて、またしても悲鳴。劇場の後列から順に退出しお出迎えされていく中、残された前列組の緊張が高まりすぎたせいなのかバミリのテープがかわいいという謎すぎる萌えに発展したの最高でした。んで、ようやく呼ばれて劇場を出たらですね、仕切りも剥がしもない生身のスッブがいたんですよ。丸腰の。SPとかいないの。

 こちらのツイートで後ほど発覚したんですが、スッブ自らファンと直接触れ合うための丸腰だったらしく、一人一人のファンと握手してハグして言葉を交わしているスッブが拝めました。で、自分の番が近づいてくるわけですよ。死刑台のエレベーターか??????いや嬉しいけどさ、なんも考えてねぇし手は震えるし無理では??「推しと5秒間くらい好きに話したり触れていいよ」って事前の準備無しでできるオタおるか???????

 でね、スタッフの方から「どうぞ」って言われてからの記憶があやふやで、起こったことが現実か錯覚かさえ未だにハッキリしてないので、ここから読み飛ばしていいんですけど、まず握手して拙い英語で「日本のファンはあなたを心から愛してます(言えてない)(噛んだ)(死にたい)」って言ったらね、スッブが抱き寄せてくれて。191cmの長身モデル体系が182cmの男の頭を抱き寄せてくれてね。これまでの人生で「」になったことないから動揺するじゃん?んでスッブも「me too」って言うの。実質プロポーズ。スッブのためなら毎朝味噌汁作れる。そして一回離れたんだけど名残惜しいっていうか嬉しくなって今度はこっちからハグしちゃいましてね。へへ。

 推しの力はすごい。成人男性をいきなり無力化できてしまうし、一瞬で世界をバラ色に変えてしまう。ファンのことを一人一人大事にしてくれるスッブは、やはり天使のようなお方だった。

 日本は激動の時代だ。経済格差は広がり女性が暮らしやすい社会とも言えず、災害は絶えないし、開会が迫るオリンピックは不安ばかりだ。でも、スッブはこの国の四季や伝統、食べ物や風景、そして人を愛してくれている。こんなに光栄なことってあるだろうか。映画『バーフバリ』が繋いでくれた絆が巡り巡って、あの奇跡のような一日を実現させた。スッブに愛されるこの国にいられて誇らしいと思えるし、嬉しいじゃないか。ずっとずっと日本のことを好きでいて欲しいし、忘れないでいてほしい。そんな想いが積もり積もって、涙となって溢れ出てくる。

 一体どれだけの人に感謝を述べたいいのだろう。インドエイガさん、魅惑のテルグ映画さん、V8さん、スキップシティさん、あの日集まったファンの皆さん、そしてスッブ。一生忘れられない思い出になったし、またスッブに会いたいという気持ちが、明日への活力になっていく。本当に本当に、素敵な一日でした。ここまでの拙文の締めとして、深く感謝申し上げます。


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