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【理論】品揃えと価格論③ スーパーバイヤー養成所

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。

今回も引き続き、品揃えについてのお話です。
大型店舗やチェーン企業のバイヤーの皆様には当然のことながら、コンビニ店員や飲食店オーナーにも役立つ品揃えの基本的な考え方です。

👉前回はこちら

品揃えを考えるときのポイント1つ目は
「品質下限を決める」こと 
でした。
今回はここを深堀っていきます。


必要な品質は人によって違うし 
時と場合によっても違う

品質下限や基準と言っても、お店で品質は変えられないと思っている方も中にはいるようですが、飲食店などで考えると分かりやすいですね。500円でまあまあのラーメンと1,000円で結構うまいラーメンと、3,000円で感動するようなラーメンがあるとします。この味の違いが品質です。

昼食にそれなりものをさっと食べたい人に、3,000円のラーメンの品質は過剰ですし、福岡を訪ねた観光客には500円のラーメンでは品質が不足しているかもしれません。

同じラーメンでも価格と品質があり、当然比例関係にあります。もちろん法律で決まっているものは最低ラインとしてクリアし、その上で自社の、あるいは自店の品質下限を決めることが品揃えの第1歩です。

ここを割ると途端に「品質が悪い」と店の人気がなくなります。だからと言って、高めにすると「高い店」、無難に所に定めると「どこにでもある特徴のない店」になります。

先程は飲食店でしたので、今度は小売りで例えると、梅雨を前にデパートに傘を見に行く客と、なじみのホームセンターで傘を選ぶ客と、急な雨に降られてコンビニに駆け込む客は、それぞれ傘に求める品質は違います。

その客にとっての品質下限を割ると「いいものがない」ということになり、品質が過剰になると、その価格に目が行き「高い」ということになります。

客は店に着いたら自分の目的だけに沿って品選びをし、商品を買いますから、自分の購買動機と店の品質があっていないときに、「この店は品揃えが悪い」とい判断するのです。

的確な品質は、自店の顧客を見ないと決められません。
したがってそれ以上にシビアであるはずの「下限」値は顧客を熟知する必要があります。

こう考えると、価格と品質のバランスの重要性とともに、自分の顧客を知ることがさらに重要なものであることがわかります。

品質を上げれば当然売価も高くなりますが、その必要な品質は顧客を知らないと分からないのです。

顧客を知らないのに、品質を上げる必要があるのか、もう少し下げてもいいのか考えようとしても、それは店側の思い込みや業界からの刷り込みで決められることになります。

また、商品仕入れや自店の品揃えを考えるときに「より安く」「より良く」という思いが先に立ち、顧客のことどころか、価格と品質のバランスさえも頭から消えてしまうことがあります。

巷に溢れる 
自称プロと自称スーパーバイヤー

仕入れるときに大切なことは何も考えずに、自分の勘と感性で商品を選んでいる自称プロ、自称スーパーバイヤーたちを私は数多く見てきました。彼らが成功を収めるのはその勘が当たった一瞬だけです。

彼らは商品のプロであるはずなのに、商品を選ぶとき、買ってくるときには急に素人のように、安さや品質の高さなどに目をつられ、衝動買いをしてしまいます。

これはいいものだからみんな欲しがるはずだ、と。
こんなに安いければ飛ぶように売れるはずだ、と。

そしてそれが失敗だったとなると、次は衝動買いをしないようにと、「やっぱり○○円の品は駄目だ」とか言って「売価の下限」を決めてしまったりするのです。このとき顧客のことは頭によぎりもしていません。

駄目だったのであれば、材質が合っていなかったのか、形状がよくなかったのか、容量やサイズ感が違ったのか、顧客はどう思っているのか、検討すべき項目が沢山あるはずなのに思考を停止させて、「安かったから駄目だった」という結論をだしてしまうのです。

人によって違う 
品質の「下限」をどう決めるのか

売価を追及するためには、売価ではなく「品質の下限」を決めて、その第1関門をクリアした商品の中から最も良い商品を選ぶことです。

「品質の下限」は、価格やそのほかの条件がどんなに魅力的でも決して割ってはいけません。
それは自店の顧客の「品質の下限」だからです。

それを決めるのに最も注目すべきは、
業界や市場の動向でも、
商品や材質の高度な知識でもなく
自店の顧客です

本物のスーパーバイヤーの
「卵」「ひよこ」は必ずお店で生まれます。


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