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【理論】品揃えと価格論④ 戻るべき原点はどこか

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。

今回のお話は、「原点に戻る」ときの品揃えと「好き放題に要求してくる客」に対して私たちがすべき対応です。

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品質の下限はどこにある?

品質下限を決めるとき、様々にある品質の中から、どの辺りを選べばいいのかという段階でまた多くの勘違いをしがちです。

品揃えは、顧客が欲しいものを並べることですから、
その品質は、顧客の要望や用途にあってなければなりません。

決して自分の感性や希望、商品や業界の知識で決めてはいけませんし、顧客を置き去りにした会社の方針で決めるわけではありません。

業績不振に陥った会社や、迷走を繰り返してきた会社が、抜本的な改革と称するお馴染みのワードとして「原点に戻る」、「初心に帰る」といったものがあります。

「小さな衣料品店として人気を博した時に立ち返り…」
「業界の最先端を走った創業精神を取り戻し…」
そのお題目は結構ですが、その向こうに顧客の姿を思い浮かべていなければその改革はまたもや失敗します。

品揃えにおける会社の方針は
自分たちの思いだけでは決められないのです。

戻るべき「原点」は、あなたが見ていた顧客であり、
帰るべき「初心」は、あなたが顧客を見ていた思いです。

好き放題に要求してくる客

その顧客の使用シーンにピッタリかつ安心の商品を届ける私たちの商品選びは、価格中心であることを大前提として、そのスペックが顧客にあっているかどうかを吟味する必要があります。

そこで初めて必要となるのが商品知識や業界知識です。まず商品ありきではありません。顧客の要望に応えるために必要なのが商品や業界に関する知識であり、決して前に立つものでありません。

もちろんその習得には時間がかかりますから先に学び始めてもいいのですが、決して顧客に優先するものではありません。

知識を半端に持った業界人は「客は素人だから好き放題に要求してくる」と言いますが、「客の要求をかなえるために業界常識を打ち破る」のが本物のプロです。

客をよくみて、求める品質を見極め、
それを常識に照らし合わせずに決めるのが
自店の「品質の下限」です。

そうして決めた自店の品質下限をクリアした品を、いかに安く仕入れられるかがプロの仕入れであり品揃えです。

これは少し難しく感じるかもしれませんが、そういう考えをもって日々品質と品揃えに向き合うことを繰り返せば、徐々に身についていきます。

中心はやはり自店の顧客をよく見ることです。繰り返し言っていることですが、最も有利な立場にいるのは、大企業の一流バイヤーではなく、店舗現場の人間です。

自分の店の、自分の顧客に最もピッタリな品質を知るためには、日々その顧客と接することが最善であるからです。

身近にいるプロのバイヤー

コンビニ店員の場合でも、品揃えを店で決められる部分があるはずです。本部のバイヤーが厳選し商談を決めてきた今週の新商品の中から、自店のお客に最も的確な品質のものを選ぶことを繰り返していくことです。

少しづつその成果は積み重なり、どこにでもあるコンビニの中から、どこよりも客に支持されるお店になれるのです。

自分の店に来ているお客が何を買いに来ているのか、何を買いたいのか。来ていない客、来なくなった客にとって、自店に足りなかったものは何か、それを考えながら品揃えを磨くことで、店は日々良くなっていきます。

鮮魚のプロが、頭に自分の客を思い浮かべながら、
市場で安くてうまい魚を仕入れてくるのと同じです。

私たちの身近には魚屋や野菜屋といった、
仕入れ・品揃えのプロフェッショナルがいるのです。

品質下限をクリアした商品を安く仕入れられたら、その分ある程度は売価に還元しましょう。
全部でなく自店の利益と折半でもいいですし、全部売価に還元して売れ数や客数、特に常連客を増やす方向を狙うのもありです。


つづく

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