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クレカの話⑤ 「お連れ様」は共犯者

この記事は『レジの話⑧ 「お連れ様」は共犯者』を
タイトル変更し、再編したものです。



カード会社に連絡を取ろうとすると、さりげなく避けようとする客

前回クリアした
Lv.1★ :手慣れた紳士 
は店とはうまくやろうとする小悪党

今回取り上げるのは、

Lv.2★★:別のカード取ってくる

カード会社のみならず
店にも仕掛ける危ないヤツら

こういう客は複数人でやってきて、店内でばらけているケースが多い。
レジで「カード会社に連絡してください」表示が出た場合も、多様な手口を持っている。
そもそも「連絡ください」表示も彼らにとっては折り込み済。

彼らによくある手口とは「ちょっと待って、別のカード持ってくる」と駐車場に戻る。
これは大抵の場合、戻ってこない。

そう、かれらは犯罪者集団だ

ショッピングカートで2,3台分買い物していることが多い。
レジ打ちに四苦八苦してカード決済までたどり着いたころには、前半にレジ打ちした1台目のカートが既に持ち出されているかもしれないから、よく気をつけておかなければならない。


まずは、決済途中に商品を移動させてはならない。

レジ打ち中の商品移動は、日本ではあいまいになっているが、欧米では当然のこととして決済まで完了していない商品の持ち出しはできない。
海外勢の店舗を思い浮かべていただけばわかるが、代表的なところでイケアやトイザらスなど途中で持ち出せないようになっている。もう1段階ゲートがある場合も多い。
コストコでは出口のレシートチェックで会計途中の客は引き返させられる。
レジ打ち途中に、大物だけお父さんが先に車に運ぶ、なんてことが許されるのは平和ボケした日本だけなのだ。



様々な手口で得た不正カード利用が彼らの第1の目的。店舗側も対応を誤れば非を問われるが、主な被害者はカード会社。
カードが通らなかったり「連絡」を求められたりした時に、さっさと引き上げるのはまだましなやつで、抜け目のないヤツはそんな時にも行きがけの駄賃として、出来る限りの商品を「盗んで」いく。
電話の向こうのカード会社だけでなく、目の前の「店」にも仕掛けてくる。
対面である以上、悪行が露呈した場合には1戦交えるのも覚悟の上。危ないヤツらだ。

「お連れ様」はただいま
 逃走体制整え中

さりげなく持ち出そうとしても「レジが終わるまでお待ち(持ち出さないで)くださいね」と角を立てない満面の笑みに、力強い意志と眼力を込めて、しっかりと制止できるのがベテランのレジ係だ。
これが経験の浅いレジ係だと、大量の買い物に焦り、必死になっているちに、いつの間にかレジ打ち済みの先頭の方のカートは「お連れ様」に持ち出されている。
「ちょっと待って、別のカード取ってくる」と店を一度出るときに、レジ係がそれに気付いていなければ、
やつらはすかさず逃走体制に入る。

さらにウマいやつらは、その状況を誘発する為にレジ係の気を散らす。「これはよそより安かった」「これ180円?」「さっきのは280円だったよね」「これ12個持ってきたつもりだけど、12個ある?」「こっちを先に打って」「今、ここまででいくら?」などとやたらと話しかけてきてレジ係を混乱させ、「お連れ様」2,3人で遮った視界の向こうで、レジ打ち済みのものをさりげなく持ち出し始めたりしている。

レジ打ち終盤、決済に近づくにつれ1人2人と減っていき、先に車に戻って持ち出せたものを積み込み、逃走準備を整え、「別のカード取ってくる」やつが車に戻り次第、未決済の商品を積み込んだ車は出発するのだ。

プライドが高そうな
中堅レジが狙い目

ヤツらも狙い目のレジを選ぶ。ベテランには見破られるから避けたいのだが、明らかに不慣れな新人を狙うと速攻で応援を呼ばれて、元も子もない。
ベテランまでいかない中堅どころ、話しかけたら焦りそうだが簡単に応援を呼ばないような、プライドの高そうなレジ係が狙い目だ。

こちらも重々承知の上、そのような疑わしい買い物をしている客やレジ係を見定めしている客はマークしているが、見逃すことも多い。

レジ係から呼び出されて向かうと、
「お客様がカード取りに行くって、
 それっきり商品も置いたまま
 戻ってこないんです」
「レジ打った商品はこれで全部?」
「だと思いますけど、
 あっ足りないかも」
「…だよね」 ( ;∀;) 

と完全にやられることもある。

かろうじてレジ打ち中に気づいた場合は、笑顔ですっとレジに近づいていき、応援をしながら「最初に打ったのはどれ?」と軽く聞く。
商品を持ち出そうとしているところであればすかさず、満面の笑みで制止。
既に持ち出されていれば、さらに応援を複数呼び緊急配備をしく。

「カードは通らないかもな」と思いながらも、駆け付けた社員の1人はいちおうレジ応援にあてて、残りは持ち出した商品を引き返させるために、あるいは取り押さえるために、「お連れ様」「共犯者」のところへ向かう。できるだけ多勢がいい。


さあ、行こう
準備運動がてら、
指を鳴らしながら
小走りで向かうか。

つづく

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