≪2分58秒で聴けます≫
音声と文章
どちらでもお好きな方をどうぞ。


おはようございます。
山田ゆりです。


今回は、
【夫の名言「解った」】
ということをお伝えいたします。
　

我が家で夫だけがガラパゴス携帯だった。

「ごめん。灯油、まだあるんだっけ？
配達の電話お願いします。」

「畑の帰りにほうれん草持ってきて。」

「今日は残業になりまーす。」

夫にショートメールを送ると
いつも「解った」のひと言だけ返ってきていた。

夫は、PCは勿論、携帯電話の文字入力にとても時間が掛かっていた。
だからいつも返事は「解った」だけ。


夫の携帯電話の事で娘たちと話をすると
「解った」で盛り上がる。


夫とどんな会話をしていたのか。
思い出に浸りたくて履歴を見てみた。

しかし、そこに夫の履歴はなかった。
見てみると、今の携帯電話は
夫が急逝する1か月前に機種変更をしていた。


ショートメールの履歴を見ると
夫に関するメールは
夫が亡くなって1か月半後
保険会社とのやり取りだった。

携帯電話に夫の思い出が残っていないことを
今になって気が付いた。


夫の電話番号はまだ消さないで残っている。
これを押すとどうなるのか。

押してみたい気持ちがあるが、我慢した。
多分、別の誰かに繋がるのかもしれない。
だから押してはいけない。


もう使わない、使われない番号なのだから
夫を登録から削除しないといけないのかもしれない。
しかし、それはまだできない。

夫の名前がそこにある。
それだけで私は夫の妻であったという事実を自分で確認できる。



雑巾などを絞ったりする行為を長年していると
その力の入れ具合で
結婚指輪は楕円形に変形してしまうことがある。

気が付いたら私の左の薬指には
楕円形になった結婚指輪がある。



時々、迷った時は夫に話しかける。

すると、
「解った」
と夫の声が聞こえたような気がする。



今回は
【夫の名言「解った」】
ということをお伝えいたしました。


本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日にしましょう。

山田ゆりでした。



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