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久しぶりに心が躍った【音声と文章】

山田ゆり
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その人を心配している。
将来を案じている。


その気持ちを伝えたい。

でも伝えたところでどうにかなるとは限らない。

余計なおせっかいで終わるかもしれない。
ただの口うるさい年寄りの話になるかもしれない。

そう思うと自分の意見を言えない。
本心を言わずにうわべだけ仲が良さそうな態度をしていれば楽。

相手に耳障りの良いことだけを言ってその場をしのげば私は「いい人」でいられる。


このまま黙っていようか。
まだいい。
今は何も問題ないと思ってやり過ごそうか。



しかし、その先送りした私の心の中の問題は
気づいたら年単位の課題になっていた。

そして相手は当時から何も変わっていない。
これではいけない。


私は意を決して話してみた。
口下手な私は口の中から出た言葉を自分で反芻しながら「もっとうまく話せよ」ともう一人の自分が左から言う。

でも、下手でも何でもいい。
とにかく、自分の思っていることを口に出してみた。


言わなくても分かっている

そういう関係もあるだろう

しかし、言わないと分からないことはたくさんある。



また、本人は分かっているけれど、誰にも言われないからそれをやり過ごしていることもあると思う。


私は最初の立ったままの姿勢で1時間くらい話をした。


時々、疑問形で相手に問うが相手は答えない。
相手が答えるのを待つ。
無言の数分が過ぎ、私はまた話始める。
それを何回も繰り返した。


1時間が経過し、あぁ、自分の伝え方がまずかったんだと自分に落胆した。

それでも、自分の意見を聞いて何を思ったかを相手に投げかけた。

再び沈黙の時間が続く。



そして現実が変わった。
なってほしいその人の未来に一歩近づいた。


嬉しかった。
先ほどまで胸の中で暗雲が渦巻いていたがそれらは消えてしまい、何でもできると感じる朝のような気分になった。


下手な自分の意見でも少しは通じたのだと思う。


人を変えることはできない。
まずは自分が変わること。

そう言われるが、そんなこと、難しい
と思っていた。

勇気を出して口に出してみた。
全く的を射ていない下手なしゃべりで
「これなら伝わらないよ」と自分で感じながら伝えた。

そして私の思いが伝わり、相手は次の一手を打った。




今回のことを振り返る。

相手を変えたいと思っているだけで
それを言ったら相手はどう考えるだろうか
嫌われるかもしれない と、

自分のことばかり考えていた。
自分のことだけ考えていたら相手は変わらない。


自分はたぶん、良く思われているだろうという「我」が邪魔していたと思う。


嫌われてもいい。
相手が良い方に変わってくれたら。


そんな捨て身の考えが、今回、思っていた方向へ向かった。


だから
私の場合、「相手を思って言わない」のは
実は「自分の保身」しか考えていないのだと気づいた。


人を変えたいのなら
まずは自分が勇気を出すこと

左側にいるもう一人の私がそう言っている。


久々に長時間同じ姿勢のままで立っていた私は
歩き出そうとしたらひざが思うように曲がらず、ロボットのような動きでその場から立ち去った。


そのおかしい動作をする自分の姿を自分で笑った。
久しぶりに心が躍っていた。






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久しぶりに心が躍った

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