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「私は税のプロになる」根拠のない自信がなぜかあった【音声と文章】

山田ゆり
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※今回はこちらのnoteの続きです。
↓いいことばかりだった私の初めての挫折

https://note.com/tukuda/n/ncdf4cd49287f?from=notice




家族に税に詳しい人がいて欲しい。
ある件でのり子はそう痛感した。

では誰が適任か?
最終学歴が尋常小学校の両親は想定外。
姉は既に嫁いでいる。
残るは弟と私。



そうか!
私が税に詳しい人になればいいんだ!

のり子はそう閃いた。

税に詳しい人と言ったら税理士が思い浮かんだ。

そうだ。私は税理士になろう。
絶対に私だったらなれる。

なぜかその時、のり子は根拠のない自信が溢れてきた。



のり子の独り暮らしはそろそろ一年になろうとしていた。

自分のお給料だけで生活できるのか。
また、部屋を散らかさずに過ごすことができるのか。
それを試してみたかったから、通勤にとても恵まれていたのに一人暮らしをしてみた。
そして、自分なら大丈夫と確信した。
それが分かったのり子は自宅に戻った。
最初から一年だけと自分で決めていたからだった。


自宅に戻ったのり子は、税理士になるにはどうすればいいのかを調べた。

まずは簿記を勉強しないといけないらしい。
高校で簿記2級を取得したがそれは全国高等学校○○協会のようなところが主催する簿記検定である。
日商簿記の3級程度であると知る。
では、日商簿記を勉強しよう。


そして日商簿記の初歩の初歩から参考書と問題集で勉強を始めた。
また、簿記会計の他に税務会計も知っていなければいけないらしい。

それでは税務会計というものを勉強しようと思ったが、それに関する情報が少なすぎた。


今の世の中、何でも「検索」すれば大体のことは分かるようになっている。
また、AIがもっと詳しく教えてくれる。


しかし、1980年代のその頃はまだPCが普及しておらず、書類作成はワープロ専用機が一般的な時代だった。


のり子は職業についての本で調べ、電話帳で税務会計を教えているところを探した。


すると、隣の市のビジネススクールで夜間、税務会計を教えているところを見つけた。


その時間帯にスクールに行くには往復寝台列車に乗るしかなかった。

また、「これからはPCの時代だ」と感じていたのり子は、PCも習おうと思った。
そのスクールにPCを教える講座もあったのでそれも受けることにした。

ただ、その頃のPCはブラウン管のもので、画面に英数字で何やらコマンドを入力するものだった。
今のように電源を入れたらネットがすぐに見られるような代物ではなかった。PCは理解できず、毎回、冷や汗をかいていた。




おもちゃ売り場での仕事は相変わらず楽しかった。次から次へとアイディアが湧き、それを実行・検証して次に役立てていた。


仕事も勉強もとても充実していた。
そしてのり子は退職日を「30歳になる月」に決めた。


おもちゃ売り場に勤めていたのり子はビジネススクールの日を休日にあてていたがそれでも仕事の関係で、スクールに行けない時もあった。


今は勉強を優先したかった。税のことはチンプンカンプンだったが、その内、分かるだろうと楽観視していた。
回を重ねて自分のものにしたかった。


だから、給料も賞与も社内的立場にも満足していたが、のり子は退職を決意した。


税理士事務所に就職しようと考えた。
そのためにもまずは勉強である。





退職して数日後に東京の晴海でおもちゃショーが行われた。
のり子は最後の思い出にと、おもちゃショーに出かけた。


そして、各ブースでこれまでお世話になった問屋さんや本部のバイヤーやDBにお会いし、挨拶をした。


すると、夕方、のり子の退職祝いをするから一緒にお食事をしようということになり、
男性5~6人と一緒にのり子は居酒屋で皆さんと食事をした。
その時の写真をテレフォンカードにし、今でも大切に持っている。



私は税理士事務所に勤めながら税理士になる。
そのような大志を抱いてのり子は11年間勤めた会社を退職した。


それからものり子は、行きの列車の中で教科書を読み、帰りは駅で素うどんを買ってそれを持ちながら寝台列車の立ち席で食べて帰った。


のり子には税のプロになる、その夢でいっぱいだった。自分はなれるとなぜか思っていた。



順調に勉強を続けていたのり子だったが退職して一か月が過ぎた頃に、ある事実が判明した。






長くなりましたので、続きは次回にいたします。




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