散文。

 頭に浮かぶ設問が解けないまま、次の設問がやってくる。
気付けば自転車操業で、今を過ごしていて、頭が痛い。
 何が原因で、どうすればよいのか? 
 漠然とした見通しがあれば景色は違うと思うけれど、それもない。答えを導かなきゃいけないという強迫観念みたいなものと、雪だるま式にっ膨れ上がる不安に押しつぶされそうになる。改めて人間だな、なんて思ってみるけれど、進展や発展のきっかけに化ける気配は皆無。言葉を扱いたいと、思春期の頃から文章を拙く紡いできたのにも関わらず、言語化できない現状は、悲惨でしかなった。頭や心に住み着く厄介な化け物とうまく付き合ってきたつもりだったけれど、どうやら表面上だったみたいだ。
 理想と現実。描いたものとの乖離には出会いすぎて慣れていたけれど、自分という存在に対する自己分析に齟齬がある気配を感じている。就活をするもっと前から、自分とは何か? と問い掛けて、手応えのある解を見つけたつもりだったから、齟齬については堪えてしまう。
 社会や誰かに迎合するつもりで人の顔色を窺い、空いた席で個性というか存在意義を導いてきた半生だと思っていたけれど、思いの外、迎合できない側面が顔を出して、悪戯に嗤う。押し殺したはずのエゴを出せよ、と訴える。でもエゴなんて奥深くに押し込んだせいで忘れている。数式を知らない方程式でも解くような気持ちは、徒労というか絶望の色彩が濃い。
 大人にならなきゃいけない。社会規範や年齢で無言の圧力を受ける被害妄想もあるけれど、これが全くできる気配がない。少し前は背伸びをすれば、誤魔化せたはずなのに、今は背伸びをしてもたりない。全てが狂っていると思ってしまうほどに、見えていない。
 スクラップビルドの時期なのかもしれない。使い古した武器では限界なのかもしれない。いや、武器を持っていた自覚はないから表現としては違うのかもしれないけれど。
 じゃあどうする? 
 分からぬまま、長い夜に身を預ける。今夜も脳内のダンスホールで踊る思考のダンスパーティに巻き込まれてしまうのだろうな。あぁ、憂鬱。

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