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英雄症候群

人って英雄症候群だよね、

って、わたし思っているんです。

そうじゃないですか?

英雄、もといヒーローの存在を望み、

ヒーローでありたいと願い。

本当は、英雄なんて、

ヒーローなんていない世界の方が、

よっぽど健全な気がするのだけれど。

誰かのヒーローでありたいと望むことが悪いことなわけではなくて。

誰だって誰かの支えになりたいとは思うでしょう。

誰か、好きな人のためにどうにかなりたいと望むことも。

でも、言いたいのはそういうことではなくて。

自分を殺してまで何かを成すことに意味はあるのか?ということ。

それから、自分からは何もしないくせに、

英雄がどうにかしてくれるだろうとひたすら待ち続ける他力本願の多いこと多いこと。

この国は特にそれが顕著な気がしていて。

プリキュアとか、ジャンプ漫画とか。

世界を救うと言う意味であればのび太とかもそうかな。

どうして年端もいかない少年少女たちに世界を救ってもらおうとするんだろう。

英雄に仕立て上げたいんだろう。

もちろん、なんていうんだろう、「憧れ」みたいな感情に結びつくのだろうとは思うけれど。

かくいうわたしも、小さい頃はプリキュアになりたいと思っていた。

けれど…

反面、なんて大人は無責任なんだろう、とも思う。

大人たちが戦って、打ち勝って、

その背中をカッコいいって思ってもらえるようにしたらいいのに、

どうしていつもまっ先に逃げるのは大人なんだろう。

子どものうちは神様の子どもだって、不思議な力があるんだって、

考えることはもちろんできるけれど。

だから、何かに縋りたいんだって思うこともできるんだけれど。

まるで病のようだね。

冒されている。

英雄は、誰かのために存在していて、

そこに【自分】なんていないんじゃないかな。

本当の意味で、自分の人生を生きることができていないんじゃないかな。

きっと、近頃の悪役人気は、自分自身を生きているように目に映るからなんじゃないかな。

自分の理想のために、それが原動力として存在しているから。

だから、同じヒーローの物語でも、挫折して、仲間と成長していく人間みたいな泥くささのあるヒーローは好きだ。

英雄症候群に取り憑かれている人は、

なんて言うんだろう、見ていて痛々しくなる。

ああ、きっとこの人は、

英雄であることでしか、自分を保っていられないんだなと思って。

わたしは、本物のきみを、知りたいんだけどな。

本当のきみに、あいたいんだけどな。


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