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世界最古の法律って『ハンムラビ法典』じゃなかったんですか!?

Youtubeをダラダラ見ていたら、ハンムラビ法典が世界最古の法律ではないことを知った。

マジか……

いや、昔覚えたものが覆されるのはもう慣れたもんである。


大人しく知識を更新していこう。



というわけで、現在世界最古の法律とみられているのは、ウル・ナンム法典らしい。

UR-NAMMU YASASI
(”法典”は”YASASI”……?)

ウル・ナンム法典は、メソポタミアのシュメール人、ウル=ナンム王によって編纂された。

ウル・ナンムという響きからしてもう完全に初耳だが、紀元前2000年よりも古いとされる粘土板がこうやって残っているだなんて驚きである。

そして今から4000年前にはもう法律を作って人をまとめていたという事実も凄いものがある。

やはり古代の中東はヤバい。


なお調べてみると、ウルナンム法典が発掘されたのは1952年であり、1965年には57条中32条が解読されていたという。


……そうなのだ。

つまり自分が生まれる前にはもうすでに世界最古の法律のランク付けは完了していたわけだ。

じゃあハンムラビ法典が世界最古という思い込みは一体何だったの……?


……いや、そもそも自分がハンムラビ法典を世界最古だと思っていたか自体が疑わしい気がする。

ハンムラビ法典は「目には目を、歯には歯を」の定番フレーズがあるため、なんとなく自分でも覚えられた。

しかしそれ以外の古そうな法律については、勉強嫌いな自分は欠片も触れることなく今まで避けてきたのだろう。

要するにこれは、自分の知っている最古の法律=世界最古だと思い込んでいただけなんじゃなかろうか。

(なんだか結構頭の悪い話だな……)


……そういえば、ハンムラビ法典と聞いて自分の頭に浮かんだのは、ロゼッタストーンだった気がする。(※見た目も内容も別物です)

ハンムラビ法典とロゼッタストーン

自分の信用ならない記憶力に震えが止まらない……!



さて、そんな最古のウル・ナンム法典だが、英語版ウィキから法典の内容を日本語に翻訳してくれていた人が居たので記事を載せておこう。


ウル・ナンム法典の英語版ページを直接見たい方はこちら↓


解読されたという32の条文を読んでいくと、「殺人を犯した人間は死刑」「強盗は死刑」のような、いかにもありそうな法律はやはり存在する。

だが、「〇〇した人間は銀〇〇を支払え」というような、金銭的・物的な賠償について述べているものもかなり多い。

自分は紀元前の法律なんて荒々しいものばかりだろうと思っていたので、何だかちょっと意外だ。

死刑!」「ムチ打ち10回!!」「水責め!!!」とかそんな感じのイメージだったが、お金での被害者補償という発想がこの時点であったとは。


(まあ中には、「奴隷の女が主人の愛人と自分を比べて無礼なことを言うならば、その口は大量の塩でかき回されなければならない!」とかいうものもあるけど…)



そしてこのウル・ナンム法典を参考にして色々と法典が生まれ、約350年後に作られたのがハンムラビ法典だ。

確かに内容を見るとウル・ナンム法典と似ているような雰囲気は感じる。


また、「目には目を」「歯には歯を」の印象が強いハンムラビ法典だが、それらの同害原則が適用されるのは、お互いが上級国民の場合だけだという。

そしてそれを実行するのも、本人ではなく第三者の手で行われる。

復讐というよりは、償いのためのものということだ。


また、もしも上級国民一般人や奴隷に対してなにか法律違反を犯した場合においては、金銭での賠償になる。

ハンムラビ法典は身分事情によって罰が変わるのである。


なんにせよ、昔よく聞いた「やられたらやり返してもいい」というような安直な復讐のための法律ではなかったのは確かだ。

これが今から約3500年前にはもう存在していたとは……。

(なお、日本はこの頃は縄文時代)



そんなわけで、かなり遅れたが知識の更新が終わった。

前に目がデカすぎるシュメール人の画像をネットで見てからメソポタミア関連が気になってはいたので、頭に入れるには良いタイミングだ。

こんなふうに新発見によって過去に覚えていたことがひっくり返されて「おいおいマジか…」となることは度々起きるものだが、塗り替えられていくのも歴史の醍醐味ではある。


今後も粛々と対応していこう。

Youtubeやポッドキャストを楽しみながら。


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